【レンタル開始】早わかり『ミッション:インポッシブル』シリーズ総ざらい!

Why So Serious ?

侍功夫

本日12月9日より、トム・クルーズの大人気ヒットシリーズ『ミッション:インポッシブル』最新作ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイションのレンタルが開始されます。

つい先日、監督を務めたクリストファー・マッカリーが自身の公式ツイッターで以下のツイートをしました。

Mission: Accepted #MI6

— ChristopherMcQuarrie (@chrismcquarrie) 2015, 11月 30

「ミッション:承諾 #MI6」

マッカリーが『ミッション:インポッシブル』次回の第6作目監督に就任したようです。今までは毎作品ごと監督を変えることで作風も変えていく、というのが『ミッション:インポッシブル』シリーズの醍醐味でした。マッカリーはシリーズ初の2作続けて監督就任となります。それほど最新作「ローグ・ネイション」/マッカリーが評価されたということでしょう。

そこで、1作目から最新作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』までを「監督」という観点から振り返ってみます。

ヒッチコック・タッチ!『ミッション:インポッシブル』

mi01

監督:ブライアン・デ・パルマ

テレビシリーズ「スパイ大作戦」の映画化として始まった「M:I」シリーズ第1作はヒッチコキアン(熱狂的なアルフレッド・ヒッチコック ファン)で有名なデ・パルマ監督らしいミステリー色の強い作品になっています。特に中盤で「言っている事と、思っている事が違う」映像には“ゾクゾク”と来るはずです。

本作の白眉は何と言ってもテレビ・シリーズで主人公だったキャラクター「ジム・フェルプス」の活用方法でしょう。その大胆さに往年の「スパイ大作戦」ファンのお父さん世代がスクリーンの前で腰を抜かしたそうです。

本作では以降の「M:I」シリーズで名物になる「トム・クルーズの全力疾走」「地面スレスレのタコ踊り」がすでに登場しています。

Rakuten TVで観る【登録無料】

ハトが飛ぶ!『M:I-2』

mi02

監督:ジョン・ウー

『男たちの挽歌』シリーズで香港ノワールをハトと共に世界に知らしめたジョン・ウーですが、ハリウッドに渡ってからはジャン=クロード・ヴァン・ダムドルフ・ラングレン主演作などB級アクションばかり撮らされていました。本作はそんなウー監督恨み骨髄渾身の作品になっています。

元IMFメンバーによって強奪された細菌奪還という話ですが、「元々は味方同士だった者の戦い」「女性への関心の無さ」「ハト」などなど、ジョン・ウーの代名詞となっている要素をセルフ・パロディのごとく繰り出します。さらに、バイクによるアクロバティックなアクションやマーシャルアーツによる格闘場面など、いかにも香港出身の監督が要求されやすい場面を積み重ねていきます。

結果、あらゆる種類のアクションが詰め込まれたショーケースの様な作品となり、54億ドルを超える大ヒットを記録するのです。ジョン・ウーはこのヒットを受けて、低予算アクション映画の世界からビッグ・バジェットな制作者へとステップ・アップしていきます。

Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】

予測不能な展開!『M:i:III』

mi03

監督:J・J・エイブラムス

今でこそ『スター・ウォーズ』シリーズ最新作を任されるまでに至ったJ・Jですが、その一歩目が、この『M:i:III』です。女性スパイを主人公としたテレビシリーズ『エイリアス』がトム・クルーズの目に留まり、劇場用長編映画監督の経験の無い彼を大抜擢で起用します。

『エイリアス』で毎回々々登場人物たちを絶体絶命の危機に陥れ、次回を見たいと思わせる引き持たせる職人的な手腕を見こまれたJ・Jらしい、危機また危機の展開が楽しい作品になっています。

しかし、同時に「後の整合性はよく考えずに登場人物を危機に叩きこむ」というテレビ・ドラマの特有のクセまで孕んでしまっています。

で、「ラビット・フット」って何だったの?

Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】

チーム結成!『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』

mi04

監督:ブラッド・バード

この作品からプロデュースに前作監督のJ・J・エイブラムスが加わり、彼のプロダクション「バッド・ロボット」製作作品となります。監督起用されたのはアイアン・ジャイアントMr.インクレディブルなど大傑作アニメーション映画で監督を務めたブラッド・バードで、実写映画の監督としては初になります。

陰謀にハメられ、イーサン・ハントと仲間たちはクレムリン爆破テロ首謀者として国際手配されてしまいます。これはテレビ・シリーズの名文句「君もしくは君のメンバーが捕らえられ、或いは殺されても当局は一切関知しないから、そのつもりで。」が実行されてしまうという展開です。

今まで仲間と言えばハッカーのルーサーくらいしかレギュラー出演はしていませんでしたが、そこへ現場志望のアナリスト、ベンジー(サイモン・ペッグ)と、元CIAエージェントだったブラント(ジェレミー・レナー)が加わり、コンビネーションが小気味よいチーム戦を展開していくシリーズへと変貌します。

Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】

最新作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』

mi05

(C)2015 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

監督:クリストファー・マッカリー

バッド・ロボット製作での2作目、監督はブライアン・シンガーと共に『ユージュアル・サスペクツ』や『ワルキューレ』脚本を手掛けたクリストファー・マッカリー。監督作『アウトロー』の現場でトム・クルーズに軽い感じで「M:I新作の監督やんない?」と言われ冗談だと思って「いいよ!」と答えたら後になってエージェントが来てビビった、という逸話があります。

とはいえ、この最新作には1作目の様な複雑な視線の交差が生むサスペンスに、2作目の派手な様式美的アクション、3作目の展開の読めないサスペンス、4作目から引き継いだチーム戦、と過去作の良い所取りな集大成的傑作になっています。

また、公開前のCMで繰り返し見せられた「実際に空を飛んでいく飛行機にしがみつくトム・クルーズ」の場面が、まさかオープニングのつかみだったということに多くの人が驚いたことでしょう。

Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】

プロデューサーとしてのトム・クルーズ

トム・クルーズの出演作一覧を見ていくと、デビュー間もない頃から監督に恵まれていることが解ります。

初主演作『爆笑!?恋のABC体験』は後に『8miles』や『L.A.コンフィデンシャル』を監督するカーティス・ハンソンです。以降リドリー・スコットトニー・スコットバリー・レヴィンソンオリバー・ストーンロン・ハワードスティーブン・スピルバーグ、そしてスタンリー・キューブリックの遺作に滑り込みまでします。

その彼が自身でプロデュースをした最初の作品が『ミッション:インポッシブル』の1作目です。監督も全てトム・クルーズ本人による選定だと報じられています。その肝入り企画の監督にチャレンジングな選択をしています。

ブライアン・デ・パルマは『アンタッチャブル』をモノにした後で、すでに一流監督ではありましたが、虚栄のかがり火』が記録的なコケ方をしてからは、「奇妙な作品を作ってしまう監督」という位置づけにいました。

ジョン・ウーは香港でこそ一流監督でしたが、ハリウッドではB級作品の監督に甘んじていました。

J・J・エイブラムスはテレビ業界では新進気鋭の注目株でしたが、劇場用長編映画の経験はありません。

ブラッド・バードもアニメ業界では超のつく一流ですが、やはり実写での劇場用長編の監督経験はありません。

クリストファー・マッカリーは監督経験こそありましたが『誘拐犯』や『アウトロー』など、作劇としては地味な、ミステリー要素の強いもので、キャリアも脚本がメインです。

シリーズは最初から大きなバジェットで、もっと確実で安定した監督を選ぶことも出来たハズですが、トム・クルーズはあえて、のびしろのある監督起用をしているのです。彼らのポテンシャルを見抜き、最大限まで引き出し、時に彼ら自身のレベルさえ上げてしまいます。つまり、映画製作そのものも「ミッション:インポッシブル」だったワケです。

トム・クルーズはスーパー・スターである事に加えて、制作者のレベルを引っ張り上げてしまうスーパー・プロデューサーでもあることも証明しているのが『ミッション:インポッシブル』シリーズなのです。

 

※2021年11月30日時点のVOD配信情報です。

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS

  • まつ
    3.8
    初っ端から体張りすぎイーサン 今回敵の顔が完全に悪者すぎて スリザリンだろお前は レコード屋のもくもくと最後のもくもくが印象的、やりかえしたったなー
  • tiro
    4
    かっこよ
  • Senapapa111
    5
    過去鑑賞記録
  • 雄樹
    4.1
    💄イーサン・ハントはギャンブラーだ、いつか運も尽きる、そして何千ともいう罪がない人々が犠牲になる、どちらが罪深いと思う🎰 本作から新作まで監督を務めているクリストファー・マッカリーにヒロインにレベッカ・ファーガソンまで初登場する、凄くこのシリーズの転換期を迎えた作品でした。 それにイーサンの無茶なミッションの影響でIMFが解体されてしまい、どんどんイーサンが追い込まれる展開にずーっとハラハラ・ドキドキしていました! 更に本作はイーサンvs悪役のソロモン・レーンの心理戦や安定の出し合いが普通に面白くラストも良かったです。 あと個人的にこのシリーズでのお馴染みシーンでもあるイーサンにミッションを伝えるはシーンが、まさかの展開を迎える所は普通にビックリしました。
  • 波ラッコ
    4
    記録
ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション
のレビュー(102388件)