『クリード チャンプを継ぐ男』が気になったらこちらも!師弟の絆あふれる映画集

2015.12.20
映画

気づいたら映画ファンになっていた

松平光冬

ボクシング映画の代表作であり、サクセスストーリーの金字塔とされる『ロッキー』シリーズ。その新章となる最新作『クリード チャンプを継ぐ男』が12月23日から公開されます。

名ボクサーだったロッキー・バルボアが、永遠のライバルかつ親友のアポロ・クリードの息子、アドニス・ジョンソンをチャンプにすべく、再びリングに向かいます。

クリード

(C)2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

 

迫力あふれるファイトシーンはもちろん、かつてはボクシングをする立場だったロッキーが、教える立場となっていかにしてアドニスとの師弟愛を築いていくのかも、大きな見どころの一つ。

そんな、師匠と弟子の絆を描いた作品を、いくつかご紹介しましょう。

三重苦となった少女と、彼女を導く家庭教師の絆

『奇跡の人』

奇跡

実話を元に、視力、聴力、言語力を失った少女ヘレン・ケラーと家庭教師のアニー・サリヴァンの師弟愛を描いた感動作。何の感情も露わにできない事から荒れまくるヘレンに根気よく教育を施すサリヴァン先生は、まさに教師の鑑です。

サリヴァン先生役のアン・バンクロフトとヘレン役のパティ・デュークが、揃ってアカデミー主演・助演女優賞を受賞しました。

似たような作品で、19世紀のフランスに実在した、視力及び聴力障がい者の少女と彼女に生きる希望を教えた修道女を描いた『奇跡のひと マリーとマルグリット』もあるので、併せて観てみるのもいいかと思います。

士官を目指す青年の前に立ちはだかる鬼教官

『愛と青春の旅だち』

愛と
パイロットを目指して海軍士官養成学校に入学した青年・ザックが、町工場の娘・ポーラとの恋愛や同僚・シドとの友情、そして鬼教官・フォーリーによる過酷な訓練を経て、人間として大きく成長する姿を描きます。

リチャード・ギア演じるザックとデブラ・ウィンガー演じるポーラの恋愛が中心となる作品ですが、ザックとフォーリーの、父子関係にも似た師弟のつながりも見ものです。士官候補生と軍曹だった二人の立場が大きく変わるラストには泣かされます。

フォーリー役のルイス・ゴセット・ジュニアはこれでアカデミー助演男優賞を受賞。この役のイメージが強すぎたのか、これ以降の彼は頼れる指導者的な役どころが増えました。

「ダニエルサン、ワックスかける、ワックス取る

『ベスト・キッド』(1984)

1984
いじめられっ子の高校生・ダニエルが、空手を学ぶ事で身体的にも精神的にも成長していきます。

『ロッキー』のジョン・G・アヴィルドセン監督が手掛けているだけあって、ストーリーラインがまさしく『ロッキー』そのもの。

ノリユキ・パット・モリタ演じる空手の先生・ミヤギの飄々としたキャラクターが人気となり、シリーズ4作まで作られました。ミヤギのセリフ「ワックスかける、ワックス取る」は流行語にもなりました。

この作品の特徴は、ミヤギを完璧な師匠としてではなく、辛い過去を背負った人物としても描く事で、ダニエルとは師弟であり友人の関係でもあるという点。

この関係は、『クリード』にも通じる重要な要素となっています。

厳格な名門校にやってきた型破り教師

『いまを生きる』

いまを

厳格な校風を持つ名門校に赴任してきた英語教師のジョン・キーティング(ロビン・ウィリアムズ)は、生徒達にラテン語の“カルペ・ディエム(いまを生きろ)”を教え、型破りな授業を行います。

そんな彼に触発された生徒達は、キーティングがかつて学生だった頃に作っていた「没詩人の会」という同好会を復活させ、自由な生き方を望むようになります。

2014年に惜しくも亡くなったロビンの代表作の一つで、彼独特の破天荒かつユーモラスな演技が、魅力あふれる教師像を形成しています。

イーサン・ホークを始めとする生徒役の俳優の多くは、演技経験が浅かった事から監督のピーター・ウェアーのディレクションが大いに指針となったらしく、「この映画が自分の人生を変えた」と断言する者もいるほど。

師弟の絆というのは演技を飛び越え、実際にも起こり得る、という事でしょう。

信念を貫く青年と心に傷を持つ元軍人の交流

『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』

セント

苦学生のチャーリー(クリス・オドネル)は、学費を稼ぐために感謝祭の週末に、盲目の退役軍人のフランク(アル・パチーノ)の世話をします。

気難しい人物であるフランクの行動に常に振り回されながらも、チャーリーはその行動の裏にあった真の理由を知り、人として成長していきます。フランクもまた、お人好しで信念を曲げないチャーリーの性格に触れ、心を開いていきます。

パチーノが眼球を全く動かさずに威厳をもった軍人役を演じ、7回目のノミネートにして見事アカデミー主演男優賞を受賞。クライマックスの、諮問会での約6分間にも及ぶ大演説シーンは圧巻です。

バスケより規律と勉強!全米が驚いた教育改革

『コーチ・カーター』

コーチ

全米で高い犯罪率を誇るカリフォルニア州・リッチモンドを舞台に、地元リッチモンド高校のバスケットボール部のコーチとなったケン・カーターの実話をベースにした作品。

落ちこぼれのバスケット部員を叩き直すべく、カーターは「学校の成績は規定点数以上を取る」、「授業には全て出席し、座席は一番前に座る」、「試合当日はジャケットとネクタイを着用」という三つの条件を彼らに突き付けます。

この条件を守れなかった部員に対しカーターが取った行動が、全米メディアを賑わす大騒動に――

バスケでの好成績が必ずしも生徒の将来設計や人格形成につながらないという、スポーツ映画にありがちなテーマを覆したあらすじが大きな特徴で、説教オヤジ役を演じさせたらピカイチのサミュエル・L・ジャクソンが、これ以上ないほどのハマリぶりを見せています。

一冊のノートが荒廃したクラスを結ぶ

『フリーダム・ライターズ』

フリーダム

1992年に発生したロサンゼルス暴動で荒廃した高校を舞台に、実在の教師と生徒が記録したノンフィクションを映画化。

人種間の対立が激しい高校に赴任した女性教師のエリン・グルーウェルは、争いと差別の愚かさを教えるため、生徒全員にノートを持たせ、毎日日記を書くよう促します。

エリン役のヒラリー・スワンク自身、貧しい境遇ゆえに満足な教育が受けられなかったという経験から、このノンフィクションに深く共鳴し、その思いをエリン本人宛に手紙をしたためたほど役に入れ込んだそうです。

オリジナルよりも父子的要素が強まったリメイク版

『ベスト・キッド』(2010)

2010

84年の『ベスト・キッド』のリメイクですが、舞台を中国に、空手からクンフー(拳法)にそれぞれ変えているため、テイストはかなり異なります。また、二人の関係がオリジナル版よりも父子のそれに近くなっています。

『ドランクモンキー酔拳』や『スネーキーモンキー蛇拳』など、弟子役でクンフーを学ぶ作品に多く出ていたジャッキー・チェンが、ここでは師匠役。彼の映画をリアルタイムで観続けていた人にとっては、時の流れを感じずにはいられないでしょう。

ジャッキーのスタントチームがアクション指導をしているだけあって、子役達が繰り出すクンフーも本格的。大人顔負けのリアルファイトは見ものです。

ジャッキーが師匠となる作品ではもう一本、ジェット・リーと一緒にクンフー映画マニアの少年を鍛えまくる『ドラゴン・キングダム』もあります。

言葉という名の「パンチ」を手に入れろ、スピーチ版『ロッキー』

『英国王のスピーチ』

スピーチ

幼い頃から吃音症に悩んでいた英国王ジョージ5世の次男・アルバート王子は、妻エリザベスの助言によりオーストラリア出身の言語聴覚士ライオネルの元で治療を受ける事にします。ところが、ライオネルの施術法は奇妙かつ礼を欠いたものばかりで――

教わる側が国王で、教える側が平民という、立場が逆転した師弟の絆を描いています。愛する妻の支えを受け、発声法の訓練をするアルバートの姿は、ロッキーと重なります。

ナチスドイツに対抗すべく、国民を鼓舞する演説に臨まなければならない英国王アルバートは、言葉という「パンチ」を得られるのか?クライマックスは必見かつ必聴です。

パワハラか愛情か、横暴な編集長に振り回される新人アシスタント

『プラダを着た悪魔』

プラダ

ジャーナリスト志望のアンディ(アン・ハサウェイ)は、幸運にも一流ファッション誌「ランウェイ」の面接試験に合格、カリスマ編集長ミランダ(メリル・ストリープ)のジュニア・アシスタントの仕事に就きます。

ところがアンディを待っていたのは、ミランダからの理不尽なまでに要求される雑用の日々でした――

今のご時勢ならパワハラと取られかねないミランダの振る舞いから、仕事とは何か、人生とは何かといった事を学んでいくアンディ。変則的ではありますが、ある意味、立派な師弟の絆を描いた作品といえるのではないでしょうか。

同じアン・ハサウェイ主演で日本でもスマッシュヒットとなった、『マイ・インターン』とセットで観るのがおススメです。

映画だって“師匠”となる

師弟の絆を描いた作品は、今回取り上げた以外にもたくさんあります。

中には「この映画を観た事で人生が大きく変わった」とする人もいます。つまり、映画そのものが“師匠”となるケースです。

『クリード』の監督でありストーリー原案者のライアン・クーグラーが、まさしくそうです。

彼が映画制作者への道を目指すきっかけとなったのが、幼少時から父親と一緒に観た『ロッキー』シリーズ。

『クリード』の原案も彼が監督デビューする前から構想し、ロッキーとトレーナーのミッキーの師弟関係を、そのままアドニスとロッキーに活かしたとの事ですから、いかに『ロッキー』の影響が大きかったかが伺えます。

現在、学ぶ立場にある人も教える立場にある人も、師弟の絆が詰まった映画がその指針になる事を願ってやみません。

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  • まっさ
    3.5
    アメリカ女性版金八先生(実話ベース)
  • キンタロー雨
    4.0
    新米教師と生徒たちによる闘争。 教室が家で、外は戦場。 黒人は黒人らしい発言を、ラティーノはラティーノのための証言を。 学校が舞台でありながら、社会的なテーマが盛り込まれている。 ここまで極端でなくても、誰しも経験しているはず。 他人に期待すると同時に期待されている。 女性は女性ならではの発言を、LGBTはLGBTならではの発言を、日本人は日本人ならではの発言を。 私という人間はどこにいるのか? その固定観念を変えたのが、ミスGであり、203教室の生徒たち。
  • asumi
    3.9
    展開が分かっていてもやっぱり感動するし何より実話ってところが◎
  • YusukeOta
    4.0
    「新しい自分になるのよ。」 真摯に向き合う教師と生徒の絆よ! 人種差別が残るクラスを受け持つようになったエリン。対立を繰り返す生徒に歩み寄る中、ホロコースト博物館への見学を期に203教室に変化が生まれるシーンが感動的です。
  • フーン国防相
    5.0
    I have met a wonderful movie. You should watch.
「フリーダム・ライターズ」
のレビュー(2875件)