超大作目白押し、傑作揃い踏みと大豊作の2015年、皆様のナンバーワンはどの作品でしょうか?個人的な2015年ナンバーワンは迷いはありません。韓国で動員1,300万人を記録した超絶大ヒットアクションエンターテイメント『ベテラン』です!!
2014年に『新しき世界』を筆頭に『レッドファミリー』『テロ、ライブ』『群盗』等アクション/スリラー映画を中心に傑作を量産した韓国映画界が2015年もやってくれました。今、アジアでは韓国映画が一番面白い!?
Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】ひねり一切ナシの超王道・勧善懲悪刑事アクション。なのに最高にオモシロイ!
ストーリーは実に単純明快。「熱血刑事が悪徳巨大企業の不正を暴くために奔走する」というもの。深みもひねりも必要なし(決して浅いわけではない)!『ベテラン』は純粋に悪い奴らをぶっつぶすだけの“超王道”を“超真正面”から“超熱く”描いている。
何が特にずば抜けている訳ではない。とにかく正攻法でひたすら面白く、逆に特徴がないとも言えるので良さを伝えるのが文字では難しいこの作品。そんな作品をここまで推すのですから、その面白さは相当なモノだとご想像頂けますでしょうか。
ここまで「誰が観ても面白い」作品は古今東西探してもあまりなく、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ダイ・ハード」等の往年の名作と並べてもなんら見劣りしません(そこまで断言します)!
気持ち良過ぎる主人公たち、そして憎たらし過ぎる悪役たちに拍手喝采!!
本作は超分かりやすい“勧善懲悪モノ”。悪役を正義の主人公がぶっ飛ばすお話なのですが、その悪役である巨大企業の面々が清々しいくらいクズヤローばかりで逆に拍手喝采!クズであればあるほどぶっ飛ばしたときの爽快感もひとしおというもの。
ボンボンの御曹司チョ・テオ(ユ・アイン)をはじめとした悪役たちが金と権力にモノを言わせた、やりたい放題するだけの底の浅いクズたちってのがこれまた憎ったらしいことこの上なし!
クソ過ぎるチョ・テオの側近のチェ常務(ユ・へジン)も小憎らしい風貌と行動で腹が立ちますが、ひたすら尻拭いをさせられるのである意味では憎めない可哀想なお方。ボスのチョ・テオのムカつきっぷりを演出してくれます!
それに対抗する主人公のソ・ドチョル(ファン・ジョンミン)が弱気を助け巨悪に立ち向かう典型的な正義の熱血刑事で、荒々しいながらもひたすら気持ち良いキャラ! ここまで分かりやすい正義と悪の対比から生まれる爽快さを筆者は待っておりました。
ヒーローがうじうじしたり(アメコミモノに多い)敵にも深みを持たせようと敵にも何かしら理由付けをすることが多い昨今の作品。それらにはない清々しいまでに気持ちの良い勧善懲悪ストーリーがここにあります。
そしてオ・ダルス演じるチーム長をはじめとする正義の刑事チームが見事にそれぞれ立ったキャラクターばかりで最高!こんな職場、上司の下で仕事がしたいと思わせる面々です。紅一点のミス・ボンが美人過ぎないところもまた良い(笑)ドロップキック最高!
丁寧かつ絶妙なバランスが光る娯楽映画の基本中の基本を極めた作品
本作はアクション映画に分類されますが、特に丁寧に作りこまれた演出・プロットが光ります。無駄が全くなく、笑い(かなり笑えます!)とシリアスシーン、そしてアクションシーンの挿入タイミングが絶妙で全く飽きさせません。
この作品、何も小細工をしていない代わりに、娯楽映画の基本中の基本を徹底しているとも言えます。監督リュ・スワンの映画愛が伝わると同時に、映画にとって何が大切かを伝えようとしているかのようです。
アクションシーンも香港映画のテイストも少しは入りつつ、スピーディーなアクション演出でハリウッドにも負けておりません。そしてプロットがしっかりと緩急をつけれるからこそ各アクションシーンも光る!この絶妙なバランス感覚こそ『ベテラン』の真骨頂!
序盤の港での追いかけっこのシークエンスはとても見事でリュ・スワン監督の演出が冴え渡ります。監督はジャッキー・チェン好きとのことですが、ここを観れば一発でそれが分かり思わずジャッキーファンはニヤリとしてしまうでしょう。
痛快、爽快、そして痛快!本作以上に“痛快”な映画が他にあるのだろうか!?
長々と『ベテラン』の魅力を書き綴ってきましたが、一言で言えば「痛快」それに尽きます。笑って奮えてスカッと爽快!映画はやっぱりこうでなきゃと思わせてくれる超ド級の娯楽作。むしろこれ以上に痛快な映画を他に知りません。
ここまで面白いアクションエンターテイメントは日本はおろか、ハリウッドでも作れないのでは。そしてそんな作品を韓国では4人に1人は観ているのだからとても韓国という国が羨ましく思えました。
とても面白い作品であると同時に、筆者の中では韓国観まで変えてくれた作品。改めて映画の持つパワーを思い知らせてくれた一本。ホンモノの“映画”がここにあります。是非、劇場で!
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