恨みと呪いで溢れた漆黒の聖夜!闇のクリスマス映画特集

2015.12.24
映画

Why So Serious ?

侍功夫

夜になるとライトアップされた街路樹やツリーがきらめき、ロマンチックな様相となる時期が到来しました。クリスマス・シーズンです!

恋人たちはロマンスに華を咲かせ家族はだんらんを楽しむこの季節、一緒に過ごす恋人もいない、実家に帰るには少し早い、普段と変わらない夜を送るしかない人も多いと思います。

コッチは普段と変わらないのに世界はおかまい無しに浮かれまくり、呪いの言葉の一つも吐きたくなるというものです。そんな人に、クリスマスの呪いを描いた映画をご紹介いたします。

『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』

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言わずと知れたディズニーのハロウィン/クリスマス、ダブル祝日のキラー・コンテンツです。

ハロウィンの王、パンプキン・キングことジャック・スケリントンがサンタクロースを誘拐し、楽しくて愉快なクリスマスの乗っ取りを実行します。いつもは陰鬱で恐怖に囲まれたジャックが陽気で祝祭感に溢れた世界を再現しようと、自分が楽しいと思う要素で固めたら恐怖にまみれたクリスマスになってしまうのです。

ここで描かれるのは価値観の違いです。ジャックは自分が好きなもの、楽しいと思うものが、世間一般的にはおぞましく恐怖の対象になっていることを突き付けられます。その現実を受け入れ、自覚し、サンタ/クリスマスと干渉し合わないことを誓うという「緩やかな絶縁」で締めくくられます。

『グレムリン』

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チャイナタウンの雑貨店で発明家のお父さんが息子のクリスマス・プレゼントに買ったのは見たこともない可愛らしい小動物「ギズモ」でした。しかし、飼育の条件を破ってしまった夜、小さな町は大惨事に見舞われます。

本作自体もクリスマスの惨劇を描いていますが、特に出色なのがフィービー・ケイツ演じるヒロイン、ケイトのクリスマスの思い出です。お父さんがクリスマスの夜に失踪してしまい、どこを探しても見つからない中、煙突が詰まっているのに気付き……

続編では親戚のおじさんにどうやら性的ないたずらをされていた告白をします。

『レア・エクスポーツ』

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オーストリアを中心としたヨーロッパのサンタクロース伝説とは「1年間良い子にしているとクリスマスにサンタさん(セント・ニコラス)からプレゼントを貰える」という私たちの良く知る話と「悪い子にしていた子供は悪魔の使いクランプスにさらわれて地獄の穴に放り込まれる」という恐ろしい話がセットになっているそうです。本作はそんなクリスマス文化のあるフィンランドの作品です。

「サンタとクランプスは同一人物で、しかも実在しており、過去にフィンランドの戦士たちが封印していた。世に言われる言い伝えは子供向けにアレンジした話だった!」という設定のホラー・アクション映画になります。

終盤に登場するサンタ/クランプスのビジュアルは強烈で、大人でもトラウマ必須です!

『暗闇にベルが鳴る』

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クリスマス・パーティの最中のいたずら電話を邪険にあしらった為に、惨殺されていく女子寮の生徒たちの恐怖を描きます。

繰り返されるいたずら電話を警察に通報し、逆探知をしてもらったら同じ建物の2階から電話がかけられている、という有名な都市伝説「ベビーシッターと2階の男」をベースとしたサスペンス・ホラーです。

この都市伝説は夕暮れにベルが鳴るやそのリメイクストレンジャー・コールを始め、多くの映像化作品があります。日本では「彼女の家に遊びにいってゴロっと横になったらベットの下にいた男と目が合った」という話にアレンジされています。

『ブラッディナイト 聖し血の夜』

聖し血の夜

クリスマスの夜に焼死した小さな町の名士ウィルフレッド・バトラーの邸宅を相続した男の弁護士が、売却手続きのために訪れた邸宅で惨殺されます。これをきっかけに、次々と暗い過去が明かされていくのです。

シュールとも思えるような町の不穏な雰囲気がたまらない作品です。特に終盤、小さな町の秘密が暴かれる場面は、クリスマスを真っ赤に塗りつぶす禍々しさに満ちています。

『悪魔のサンタクロース 惨殺の斧』

悪魔のサンタクロース/惨殺の斧

サンタクロースの扮装をした強盗に両親を殺されたビリー少年が成人し、おもちゃ店で働きだしますが、クリスマス・キャンペーンでサンタの衣装を着させられます。イヤな思い出を振り払いながら、それでもなんとか仕事を続けていると、想いを寄せる女性店員が先輩に言い寄られているのを目撃します。その瞬間、ビリーのタガは外れ、悪魔のサンタクロースと化すのです。

それまでも、サンタの扮装をした男による殺人は映画で描かれていましたが、本作は唐突に反対運動が高まり、遂には上映禁止へと追い込まれてしまいました。しかし、転んでもタダでは起きないB級映画制作者はシリーズ化を決行します。

『ヘルブレイン 血塗られた頭脳』

タガの外れた悪魔のサンタと化したビリーの弟リッキーも、クリスマスにタガが外れて射殺され…… たかに思えましたが、脳みそを透明なカップに収めた姿で病院に収監されていました。彼の担当医師は、そんな彼の意識を探ろうと盲目の超能力少女の力を借り実験を繰り返すのですが……

悪魔のサンタクロース 惨殺の斧シリーズ3作目です。前作悪魔のサンタクロース2 鮮血のメリー・クリスマスで射殺されたハズのリッキーが、透明カップに脳みそを浮かべたハカイダーの様な姿で登場します。

本作は監督にコックファイター』『断絶などアメリカン・ニュー・シネマの旗手モンテ・ヘルマンを迎えています。ただ“ロジャー・コーマン学校”卒生らしい「やれっちゃやるけど、好きにやるよ!」という実験性に溢れた作品となっています。

クリスマスに惨劇を見て幸せを噛みしめる

そもそもクリスマスはキリスト教のイベントで、預言者イエス・キリストの降誕を記念した祭日です。プレゼントを贈り合うのは「」を象徴しています。つまり「愛」を讃えるキリスト教で最も重要な祭日だと言えるでしょう。

アメリカでクリスマス・シーズンになると必ずテレビ放映されるという素晴らしき哉、人生!や、ベースと思わしきディケンズのクリスマス・キャロル、Oヘンリーの『賢者の贈り物』など、クリスマスを題材とした物語は貧困の中で「愛」を確かめ、物質的な豊かさよりも「愛」を尊く思う物になっています。

これらは「愛」を蔑ろにしていないか? 貧しい者を足蹴にして自分だけ豊かに暮らしてはいないか(キリスト教の教義における隣人愛)? を突き付ける物語だとも言えます。つまり、経済的な苦境を前に隣人愛をより強く感じようという、スイカに塩をかけて甘みを増させる効果があります。

「愛」という明るい光のような存在を強く思えば思うほど、出来る影は濃く暗いものになります。

普段ならさほど気にならない孤独も、周囲の楽しげな雰囲気にいやがおうにも対比させられ、つい唾を吐きかけたくなったり、「リア充爆発しろ!」と呪詛を漏らしてしまいがちです。そんな想いの受け皿になっているのが「祝祭日ホラー」なのです。

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  • みーくる
    3.7
    ノンストップで繰り広げられる人形劇ミュージカル ティム・バートン関連作品まともに観たことないのにティム・バートンだなぁと思った(?)独特の世界観ですね オシャレな雑貨屋さんとかのちっちゃいテレビで延々流れてたりフィギュア飾ってあるやつね
  • お岩
    4.3
    ホラーマンでしょってなめてかかってはいけない。 手足が長くスラッとしていて燕尾服が似合い、素敵な声で歌う紳士なのだ。 最後、サリーへの口説き文句がとっても素敵。
  • たむたむ
    3.8
    唯一無二の個性
  • nyaaomin
    4.0
    1993年の映画ということに一番驚いた。 作り手の想いがすごい。
  • いしい
    3.9
    ハロウィン当日に見た🎃 ティムバートンの独特の世界観がとても好き。ジャックがかっこいい!!どれも曲がワクワクしてて好きだあ
「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」
のレビュー(25455件)