1997年に始まった映画史に残る伝説のシリーズの9作目『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』はある意味で、すばらしい宝探しムービーといえます。
42年にわたったスカイウォーカー家の物語の完結編。自他ともに認めるシリーズの大ファンでもあるJ.J.エイブラムス監督が、ありったけのSW愛を詰め込んでシリーズを締めくくっただけに、膨大なイースター・エッグ、トリビアがぎっしり盛り込まれています。
シナリオ、キャスティング、演出、セリフ、シーン、キャラクター、星、宇宙船、小道具……細部にいたるまで、過去8作のオマージュなどの意味や玉手箱のような仕掛けがあり、ライトからコアまであらゆる世代のファンを楽しませてくれます。
すでに世界中のファンが、たくさんの宝物を発見して報告していますが、一例を挙げると……序盤から、ミレニアム・ファルコン船内でチューバッカたちがボードゲームのホロチェスで遊ぶ様子は、エピソード4を知っている人をニヤリとさせますよね。
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ランド・カルリジアンが久しぶりに姿を見せますが、盟友ハン・ソロのあの口癖をつぶやきます。ルーク・スカイウォーカーの愛機Xウイングの登場シーンも旧3部作を観た人には感動ものです。あのパルパティーンやおなじみC―3POのセリフは、過去作のどこかのシーンと同じだったりします。意外な大物たちが、声や特殊メークやワンポイントでたくさん登場しているので(なかなか分からない!)、それらを探すのも楽しすぎます。
それら1つ1つの意図を理解しよう、探そうとすれば、過去作をリピートしたり調べたくなるし、過去作を観れば、また今作を確認したくなる。そうして何度観ても新しい発見があり、無限ループにはまっていくようです。
劇場公開では、日本をはじめ世界中で大ヒットしましたが、あらゆる世代のリピーターが多かったのもそんな魅力があるからでしょう。劇場に続いてデジタル配信で楽しんでいるファンも多いと思いますが、さらに手元に置いて何度でも鑑賞したい一作といえるかもしれません。
4月29日からMovieNEX(DVDやブルーレイなどのパッケージ商品)が発売されます。だれでも見逃していたこと、もう一度チェックしたいことがあるはずです。納得できるまでリピートして、とことん味わいつくしたいものです。
♦︎『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』information
(原題・Star Wars:The Rise of Skywalker)
ー1997年に始まった伝説のシリーズの9作目で、42年にわたったスカイウォーカー家の物語の完結編。遠い昔はるか彼方の銀河で繰り広げられてきた壮大なサーガは、ダース・ベイダーの遺志を継いで支配者になったカイロ・レンと、伝説のジェダイ=ルーク・スカイウォーカーの意志を継いで類まれなフォースを覚醒させたレイを中心に、“光と闇”のフォースをめぐる最終決戦を迎える。2019年12月20日に日米同時公開され、第92回アカデミー賞でも「音響編集賞」「視覚効果賞」「作曲賞」の3部門にノミネートされた。J.J.エイブラムス監督。
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が公開された2015年、ルーカスフィルムの協力で世界初の専門紙「スター・ウォーズ新聞」を発行した日刊スポーツ新聞社が現在、特設サイトを公開中。取材班がピックアップしたトリビア42個を、難易度別で展開している。(https://www.nikkansports.com/sw_skywalker/、6月末まで)
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