「生々しい」行定勲監督がモノクロ映像の魅力と『ピンクとグレー』の仕掛けを明かす

2016.01.09
映画

FILMAGA編集部

フィルマーくま

2016年1月9日公開の映画『ピンクとグレー』。“幕開けから62分後の衝撃”という触れこみの通り、後半から映画の世界がガラリと一変します。その要素のひとつがモノクロ映像。トークイベントで行定勲監督が語った、ピンクとグレーの色の解釈と「モノクロの仕掛け」をどうぞ。

行定監督1

※本記事には映画のネタバレ・内容にふれる箇所があります。

【『ピンクとグレー』について】NEWS・加藤シゲアキの同名小説を映画化した話題作。謎の死を遂げた俳優・白木蓮吾(中村裕翔)とその親友である河田大貴(菅田将暉)をめぐる青春映画。幕開けから62分後、“世界が変わる仕掛け”で、もうひとつの物語が生まれる―。

ピンクとグレーという色には、ふたつでひとつの美しさがある

(この映画は)ひとりが栄光の道を歩み、もうひとりが脱落していく話だから、『ピンクとグレー』というタイトルに、大概の人は「対立」を感じるのかなと。でも、僕は対立させている感じじゃなくて、ピンクとグレーは相性がいい色同士だと解釈したんですよ。

行定監督2

服やデザインで考えると、ピンクとグレーの掛け合わせってすごくキレイな配色です。ふたつでひとつの美しさがある。ピンクだけだと派手な印象があるけど、グレーが入ることによってピンクが抑えられていい感じになる。グレーだけだと地味だけど、ピンクが入ると変わる。だから今回は、(中島裕翔と菅田将暉が)いかに噛み合っているかということだけを考えていました。

62分後の“モノクロの仕掛け”は、偶然の産物

この映画は前半がカラーで、後半がモノクロになります。だから、観た人は「前半がピンクパートで、後半がグレーパートなのか」と思うかもしれないけど、実はそうじゃないんですよ。

『ピンクとグレー』場面写真_菅田将暉

後半をモノクロにしようと思ったのは、“62分後の仕掛け”のアイディアが偶然浮かんで、脚本が出来上がってからなんです。脚本に合わせて、カメラマンが「(後半から)色のトーンを変えようと思ってました」って言うんで、微妙にコントラストやトーンを変えるくらいだったら思い切ってモノクロにしちゃおうと。

「生々しい」モノクロを選んだ行定監督の狙い

なぜモノクロなのかというと、後半を生々しく見せたかったんです。僕の経験上で言うと、モノクロ映像には生々しさがある。モノクロの方が余計なモノを見ないんですよね。たとえば、登場人物の背後に額が掛かっているとします。それがカラー映像だと、人は額の中の絵が何色なのかということを無意識に認識するんですよ。それも認識しながら、登場人物たちの芝居を観ている。

『ピンクとグレー』場面写真_菅田将暉・夏帆

だけど、モノクロだとそういうことをまったく気にせずに見ているはず。モノクロがなぜ生々しく見えるかと言えば、(観客が)話している役者や動いている役者だけを追いかけて、その顔や表情を見ようとするからなんです。

この映画には、中島裕翔と夏帆のベッドシーンがあります。ここもモノクロだから生々しいんですよね。ちょっとした音も、ものすごく際立って聴こえてくる。そんな風に、人間たちの心理や表情を生々しく撮りたいという思いでモノクロを選んだんですよ。

行定監督3

若手実力派キャストが揃う『ピンクとグレー』。役者の表情、そして「時代に迎合せずに、いまないモノをやろうとしてきた」と語った行定監督ならではの“モノクロの仕掛け”をぜひ劇場で楽しんでみてはいかがでしょう。

(取材・文 / 斉藤聖 撮影 / 鸙野茜)

映画『ピンクとグレー』は、2016年1月9日より全国ロードショー

公式サイト:http://pinktogray.com

(C)2016「ピンクとグレー」製作委員会  

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  • epi
    3.6
    後半衝撃すぎて、そういった面ではもう一度観たい、結末を知った上で観直したい作品。切ないとか悲しいとかではない、ただ驚いただけで何を伝えたかったのだろう
  • なちょす
    3.0
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    開始何分の衝撃、みたいなキャッチコピーを信じたことも実感したこともなかったけど、結構しっかり衝撃受けました。 岸井ゆきのが良かったなぁ。
「ピンクとグレー」
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