『エージェント・ウルトラ』は実話!?恐怖の人体実験はボンクラの夢だった!

Why So Serious ?

侍功夫

1月23日より、ジェシー・アイゼンバーグクリステン・スチュワートアドベンチャーランドへようこそペアが再共演した『エージェント・ウルトラ』が公開となりました。

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監督には全米で不法占拠パーティブームを引き起こした問題作プロジェクトXニマ・ヌリサデがあたっています。

※参照記事:「映画のウソが現実に!?米国で大ヒット後社会問題を引き起こした『プロジェクトX』」

「この映画は実話を元に作られています」

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マリファナ好きなボンクラのコンビニバイトが突如、超人的な殺人スキルを発揮して、当たるを幸い皆殺しにしていきます。実はCIAのマインド・コントロール実験により殺人スキルを叩きこまれた実験体だったのだ! というアクション・コメディです。

記憶の無い男が突如として卓越した殺人スキルを発揮するという展開はボーン・アイデンティティを始めとするジェイソン・ボーンシリーズと同じです。実は、ジェイソン・ボーンシリーズと『エージェント・ウルトラ』は冷戦時代に実際にあった史実を元に物語が作られています。

MKウルトラ計画

1950年代。第二次世界大戦が終結し、米ソは直接対決の無い冷戦時代に突入します。アメリカは二次大戦中にナチス・ドイツが行った非人道的な実験を指揮した科学者たち(戦争犯罪者も含む)を召喚することで実験データのみを掠め取ることに成功します。

さらに当時、朝鮮戦争において北朝鮮側(中国共産党軍)に捕虜として囚われた兵士が共産主義者として洗脳されたことに着目し、ナチスの実験データを元に、薬物を用いたマインド・コントロール/洗脳実験を始めます。

これが「MKウルトラ計画」です。

自白剤を使用したソ連スパイへの尋問や、妊婦への投薬による赤ん坊への影響実験、超音波を利用した記憶の消去実験などが、主に被験者の同意無く勝手に行われます。中には70日以上LSDを投与し続けるなど、ほとんど拷問の様な実験もあったようです。当然、実験により人格が破壊され廃人となる被験者も生みだします。あまりにむごたらしい結果を出した計画は、後年のCIA長官により資料を破棄させられることとなります。

この資料破棄によって、「MKウルトラ計画」はおぼろげでミステリアスな概要以外、全てを失ってしまいます。しかし、これが多くのクリエイターたちの創作意欲をかきたてることとなるのです。

秘密人体実験が残した映画たち

「洗脳/マインド・コントロール」「実際に行われた」「人権無視の非道さ」「人体実験」「証拠破棄」…… これらフィクション映えする要素は様々な創作物に取り込まれていきます。

「洗脳実験」は上記したジェイソン・ボーンシリーズを始め様々なスパイ映画やサスペンス映画へ影響を与えます。妊婦に対する薬物投与実験からはスキャナーズ』『炎の少女チャーリーなどが生まれます。また、実験により精神を破壊された人々は陰謀のセオリー』『RED/レッドに登場することになります。

計画名から仰々しい「ウルトラ」を継承した『エージェント・ウルトラ』も、そんな「MKウルトラ計画」が生みだした映画の1本なのです。

オレはまだ本気出してないだけ

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『エージェント・ウルトラ』はMKウルトラ計画ものであると同時に、サブジャンルとしてスター・ウォーズオリジナル三部作やハリー・ポッターシリーズ、マトリックスシリーズなどと同様の特徴を持っています。

『スター・ウォーズ』ルーク・スカイウォーカーは両親を亡くし、辺ぴな田舎の星で農業を営む親戚の家で手伝いをさせられていました。ハリー・ポッターも両親は亡く、親戚の家でいじめられながら日々を過ごしていました。『マトリックス』のアンダーソン/ネオは遅刻がちで会社では上司に目をつけられるダメ社員です。

ルークは世界の平和を司るフォースの強い“ジェダイの騎士”である運命が待っていました。ハリーは伝説の魔法使いの血族であることが人生を変えます。アンダーソン/ネオは世界の“しくみ”を知ったことで、救世主となります。

一様に“ダメな主人公が、実はすごく強くて重要な人物だった”というファンタジーの構造を持っています。

多くの人々は、映画の主人公の様な生活を送っていません。テレビに映るタレントさんや歌手のように華やかな世界で注目を浴びることもありません。毎日会社に通勤し、陽の目の当たらない仕事に従事しています。そんな人々にわずかな時間、夢を見せるのが映画です。

スーパースターが登場し、晴れやかな姿を見るのも楽しいですが、自分と同じパッとしない日々を送っていたハズの主人公が、国際的な陰謀に巻き込まれたり、宇宙に平和をもたらす様子は、なんだか自分が特別な存在のように思えて気分が良いものです。

『エージェント・ウルトラ』を始めとする「MKウルトラ計画」を題材にした創作物において、MKウルトラ計画は「ダメな自分」と「世界的に重要な自分」を変換して繋ぐためのブラック・ボックスの様な役割を果たしているのです。

Photo Credit: Alan Markfield/(C)2015 American Ultra, LLC. All Rights Reserved.

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  • mooooo
    5.0
    クリステン・スチュワートが好きだから見た、只それだけ。好き。
  • 山田
    2.8
    プロポーズシーン好き
  • やん
    1.0
    なんで?って感じで話がすすむ ホームセンターはあぶない
  • 栄藤里咲
    -
    どうせこんな感じならもうちょい長くするなりなんなりして、クリスティンスチュアートになりたいとか、ジェシーアイゼンバーグと結婚したいとかゆう気持ちにさせてほしかった。
「エージェント・ウルトラ」
のレビュー(19933件)