今年は音楽映画の当たり年!ジェームス・ブラウンの伝記映画にも注目せよ

俺は木こりだいい男よく眠りよく働く

谷越カニ

皆さん知っていましたか?今年は音楽映画の当たり年なんです。音楽を題材にした映画は少なくありませんが、今年ほど話題になる年も珍しいのではないでしょうか?

今後も注目の音楽映画が公開されます。この記事ではこれまでに公開された音楽映画を振り返り、5月30日に公開される筆者イチオシの音楽映画『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』を紹介したいと思います。

これまでに公開された音楽映画

セッション

session

予算はたったの330万ドル!しかし、第87回アカデミー賞で5部門にノミネートされ、3部門を受賞した傑作です。

偉大なジャズドラマーになることが夢の19歳の少年と非情に厳しい指導を行う指揮者の物語。世界中の批評家、観客から激賞され、日本でも高い評価を得ています。ネットではジャズ・ミュージシャンの菊地成孔と映画評論家の町山智浩の間にビーフが生じ、話題になりました。

映画ファンからは大絶賛される一方、音楽ファンからは批判の対象になっているんですが、その理由は宣伝文句にもなっている「衝撃のラスト10分間」の描かれ方にあるようです。映画として、映像表現として優れたシーンだと評価する映画ファン。一方で音楽の力とはこういうものではない!演奏もダメダメだから認められない!という音楽ファンの意見も。

私は「顔の芸術」である映画のファンとして大好きなシーンです。未見の方は菊池さんと町山さんのビーフを楽しむこともできますから、是非とも見ていただきたいものです。

はじまりのうた

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キーラ・ナイトレイとマーク・ラファロ主演。ミュージシャンの彼氏に浮気されてしまった自らもミュージシャンの女性と、落ちぶれた音楽プロデューサーが世間を見返すために一念発起する楽しい映画です。

マーク・ラファロのヤサグレ演技も相変わらず美しいキーラ・ナイトレイの楽しそうな姿も魅力的ですが、本作の一番素晴らしいのはキーラ・ナイトレイを中心に結成されたバンド演奏のシーン。主役のふたりはそれぞれ異なる悩みを抱えているのですが、演奏中は本当に楽しそうで、大好きな音楽を生み出している時には他のことを全て忘れてしまう、まるで初期衝動を思い出したかのようです。

その姿を見ていると感動するんです。本当に好きなモノに一心不乱に打ち込む姿というのはなぜ感動を呼び起こすのでしょうか?『セッション』の演奏シーンとは一味違う感動を楽しむためにも、どちらかが未見の方はどちらも見て、比較してみると面白いですよ。

JIMI:栄光への軌跡

jimi

伝説のロックミュージシャン、ジミ・ヘンドリックが知名度を上げ、スターになるきっかけとなったモンタレー・ポップ・フェスティバルに参加するまでの2年間を描いています。

ジミヘンの遺産管理団体と折り合いが合わず、彼のオリジナル曲は一切使用することができないというハンデを抱えていましたが、音楽よりもジミヘンの交友関係や思想、葛藤などをメインに描いていますし、実際にカバーした曲の演奏シーンが良かったのであまりマイナスにはなっていないのではないかと思います。

スターは勝手に輝くのではなく、周囲の人々の力添えがあってはじめてスターになるのだということがよくわかります。既にジミヘンのことをよく知っているファンよりも、彼のことを殆ど知らない若者が見るべき映画だと思いますね。私も最近はよくジミヘンの曲を聞くようになりました。

これらの他にも『くちびるに歌を』『君が生きた証』『マエストロ!』などの作品が話題になりましたね。『くちびるに歌を』はガッキーの最高傑作か、というくらいの高評価を得ているようです。

これまでに公開された傑作音楽映画を紹介してきました。ここからは5月30日に公開される要チェック映画の紹介に移ります。

『ジェームス・ブラウン〜最高の魂(ソウル)を持つ男〜』見どころ紹介!

jb

ミック・ジャガーがプロデュースした渾身の作品

ファンクの帝王と呼ばれたジェームズ・ブラウンの伝記映画です。

監督は『ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜』のテイト・テイラー。プロデューサーはなんとローリング・ストーンズのミック・ジャガーなんです!長年企画を温め続け、満を持して映画化した渾身の作品なんですよ。ミックは頻繁に撮影現場に顔を出し、ライブシーンのリハーサルに参加し、使用楽曲の選定まで担当する気合の入れよう。若き日のミックまで登場するんです!

彼らは親しい間柄ではなかったようですが、ライブで共演する機会は多く、ミックはJBから多くを学んだんだそうです。JBのフォロワーで真っ先に名前が上がるのはマイケル・ジャクソンとプリンスですが、ローリング・ストーンズ他、世界中のミュージシャンに影響を与えていたのですね。公式HPにも日本国内の多数のミュージシャンがコメントを寄せています。

オープニングから激しい銃撃戦

映画は衝撃的なオープニングで幕を開けます。なんとJBが銃撃戦を繰り広げるんです!1988年にラリって公園のトイレをマシンガンで蜂の巣にした後、警察とカーチェイスを展開した事実に基づいたシーンなんですが、ミュージシャンとしての彼しか知らない我々にとってはあまりにも衝撃的なオープニングです。最強のつかみなんじゃないか?

映画は子供の頃の不遇な生活、刑務所で音楽と出会う瞬間、ファンクサウンドを生み出すまでの経緯、交友関係などを描いています。映画内で使用される楽曲の中には実際のライブ音源も含まれており、ファンにとってはたまらない映画になっています。前述のとおり楽曲はミック・ジャガーが選定していますから、悪いはずがない!

主演のチャドウィック・ボーズマンにも注目

主演のチャドウィック・ボーズマンがまた凄いんですよ。彼は2013年公開の『42 世界を変えた男』でメジャーリーグ初の黒人選手ジャッキー・ロビンソンを演じた人なんです!人種の壁をぶっ壊した偉人、黒人ミュージシャンの偉人の二人を演じるなんて只事ではありません。

チャドウィックはこれまでにダンスの経験が殆ど無く、ミック・ジャガーが「自分にはダンスの素養が無いと言うだろう」と語るほどの素人。それなのにたったの6週間のトレーニングでミックも絶賛するほど上達し、キャラクターを完全にものにしたというのです。

また、チャドウィックのしゃべり方や声も1つの見どころ。真心ブラザーズのYO-KINGは"チャドウィックのしゃべり方や声がJBに似ていて驚いた"そうですよ。

『RAY』でレイ・チャールズを演じ、まるで本人のようだと絶賛されたジェイミー・フォックスのように、チャドウィック・ボーズマン以外にはあり得ないとの評価を受けています。彼の迫真の演技も楽しみのひとつです。

…ということで、イチオシの映画『ジェームス・ブラウン〜最高の魂(ソウル)を持つ男〜』を紹介しました。

公式HPにコメントを寄せている著名人たちも仰っていますが、この映画は設備の整ったライブ会場で上映するべきです!今はなきバウスシアターが存続していれば、の爆音映画会の目玉プログラムになったことでしょう。どこかの酔狂なライブハウスが名乗りを上げてくれないものでしょうか…。

本作は前述の『JIMI:栄光への軌跡』と比較してみると面白いんじゃないかと思いますので、ぜひ両方とも見てください!

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