謎がいっぱいの火星へようこそ!最新映画『オデッセイ』をよく知るための火星映画4選

2016.02.01
洋画

シネマは身体の一部です。

イトウタクマ

オデッセイ

エリジウム』、『インターステラー』等、何かと宇宙に旅立っているマット・デイモンが、なんと最新作でまた宇宙へ。同僚クルーの勘違いにより火星にひとり残されてしまう『ホーム・アローン』ならず、”マーズ・アローン”な、リドリー・スコット監督作『オデッセイ』は、2月5日全国公開です。

オデッセイ

(C)2015 Twentieth Century Fox Film

SF映画カテゴリの中でも「月」に次いで、映画の舞台となることが多い「火星」。なぜ火星がこんなにも採用されるのでしょうか? 

今回は4本の火星を舞台にした映画をご紹介しつつ、未知なる惑星の神秘に迫ってみましょう...なんて、まるでサイエンスチャンネルの天文番組のようですが、何卒お付き合いのほどを。

『ミッション・トゥ・マーズ』 

mars 03

本作の舞台は西暦2020年。地質調査ミッションのため火星に降り立った宇宙飛行士たちが謎のピラミッドを発見したことから始まるサイエンス・ミステリーです。

監督はカルトな人気を誇る、巨匠ブライアン・デ・パルマ。まさかのトンデモな展開に賛否両論となった映画です。※これから観る方のためにネタバレしてませんよ!

ここで素朴な疑問がひとつ。なぜ”火星”が、よく題材に選ばれるのでしょう?

太陽を中心に火星は楕円の軌道を描いているため、地球と火星の距離は最も離れた時と最も接近した時で異なります。最離隔時で約1億kmですが、最接近時で5400万kmです。これはジャンボジェット機(時速約1000km)が火星に向かうと、およそ6年2カ月で到達する距離となります。

火星は地球のお隣さんでもあるのでご近所の惑星なのですね(宇宙規模で考えたら6年は短い...と割り切ってください!)

地表・地質は主として玄武岩安山岩の岩石でできており、有名なのが「シドニア・メンサエ」と呼ばれている人面岩ですね。何者かの手によって造られたのか、自然環境から造られたものなのか、謎は解明されていません。本作にも大事な局面で登場します。

また希薄ではありますが大気に覆われており、地球のように季節もあることから、将来的に居住環境を整えるのに適した惑星ともされています。

つまり、物理的にも将来的にも身近な位置にあり、尚且つ幾多の謎が秘められている惑星がゆえに、映画監督の抱く創造性のフックに引っかかるというワケです。

『トータル・リコール』

mars 02

火星といえばやはりこの映画でしょう。フィリップ・K・ディック原作、ポール・バーホーベン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の大ヒット作です。

この映画では、すでに火星は地球からの移民たちにより居住地としての開拓が始まっています。地球に住む建設業者クエイド(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、毎夜の夢に見るほど火星への移住に憧れています。

さて、今日現在で火星移住計画ってどれくらい研究が進んでいるのでしょうか? オランダの民間非営利団体である「マーズワン財団」は「火星植民地プロジェクト」を掲げ、来る移住の日に向けて日々活動しています。

当団体は2013年に世界中から最初の火星移住者を募っていました。選ばれた方は8年間のトレーニングを経て、2022年9月に旅立つ予定になっています。

また、NASA(アメリカ航空宇宙局)は、宇宙飛行士の訓練生を去年の12月14日から募集を開始しています。最終選考は2017年になる予定です。募集理由は、2030年代から始まる有人火星探査のため、作業員増加の見込みのためらしいです。火星渡航をご希望の方は、この機会にぜひ挑戦を!

『宇宙戦争』 

mars 04

H・G・ウェルズが1898年に発表した古典SFの名作です。何度も映画やドラマになっています。最近だとスピルバーグ版が一番知られていますでしょうか。

火星人と「宇宙戦争」を語る上で外せないのは、1938年10月30日、夜8時から放送されたラジオドラマ「宇宙戦争」。コンサートを中断する臨時ニュースから始まり、オーソン・ウェルズ演じる現地レポーターが、火星人による侵略を中継する様をあたかも事実のようなドキュメンタリー演出で放送した結果、火星人襲来を信じ込んだ大勢の視聴者がCBS放送局になだれ込むパニックを引き起こした・・・と伝えられています。

今となっては「そんなバカな」と笑ってしまいそうな事件ですが、当時のアメリカは世界恐慌の煽りを食い、またさらに潜在的な戦争不安のムードが蔓延しており、ちょっとした”引き金”による集団ヒステリーが起きかねない状況にありました。

この作品では、地球侵略を企てる火星人が登場します。トライポッドと呼ばれる3つ足の兵器を使って襲ってくるのですが、最後は地球の細菌に負けちゃうという、強いのか弱いのかよくわからない設定です。

・・・火星人っているのでしょうか? 有名なのはタコのような姿の火星人ですね。これはウェルズの「宇宙戦争」内にて描写されたものです。この造形は、19世紀後半にイタリアの天文学者スキャパレリやアメリカの天文学者ローウェルが発表した「火星の運河の発見」を元に空想されたと考えられています。

最近でもNASAは、去年9月28日に「火星に地表には塩水の川が流れている有力な証拠を入手した。液体の確認から、"生命体"の存在に繋がる可能性も否定できない」と発表しました。

しかし、このニュースはNASA陰謀論者の導火線に火をつけたらしく、アメリカのラジオパーソナリティー、ラッシュ・リンボーは「公開された画像は加工されている。いかにも国民を騙そうとしているのがバレバレだ」と真っ向から否定しています。

宇宙開発計画の裏には、国家や組織ぐるみで何かしらの陰謀が潜んでいると考える人もいます。その問題を真っ向から描いたのが、次に紹介する映画です。

『カプリコン1』 

mars 01

1977年製作、社会派の傑作です。人類史上初の火星到達を成し遂げた”カプリコン計画”。実はNASAの陰謀による”やらせ”だった。虚構への加担を余儀なくされた3人の宇宙飛行士は真実を暴くため立ち上がります。

この映画が作られた背景には、映画が製作される3年前に刊行された「We Never Went to the Moon(人類は月には行っていない:ビル・ケイシング著)」という出版物から始まる「アポロ計画陰謀論」があると思われます。

アポロ計画陰謀論を唱える人々は、NASAが発表した数々のデータや記録・写真・映像などを隅々まで分析した結果、「アポロは月へ行っていない!すべてフェイクである」と主張し続けています。

本作の元ネタとなった陰謀論のひとつで、映画ファンの中では有名なのが、「スタンリー・キューブリック監督が極秘にNASAに頼まれて、映画のセットを使い月面着陸の映像を作った」という噂。月面着陸が捏造されたものであることを主張する論説のひとつです。

後に本作の監督ピーター・ハイアムズは、キューブリック監督の傑作『2001年宇宙の旅』の続編にあたる『2010年』を製作しています。両監督の不思議な繋がりに対し、この真偽を定かにしたいという興味がさらに沸いてきます。

宇宙開発計画。それは一般人には非公開情報が多く、また理解には高度な知識が必要となる領域です。国家や権力者に優位なフィクションを混ぜられても、それを疑う要因さえも判断が付きません。

アメリカのオバマ大統領は2030年代には火星へ人類を運ぶことを目標に掲げています。もう15年もすれば火星旅行も夢ではなくなるかもしれません。その第一次有人火星探査が、火星のもつ神秘的な秘密が解き明かされる第一歩となるかもしれませんね。

劇場でいち早く”火星体験”を!

最後のオマケに、ジョン・カーペンター監督の『ゴースト・オブ・マーズ』という映画がありますが、これは今までご説明した”火星”とはあまりにもかけ離れたアクション・ファンタジー映画な上に、このテの映画が好きな人のための”火星映画”なので、よく注意してご覧ください。

最新火星映画『オデッセイ』は、2月5日全国公開します。火星でひとりぼっちのマット・デイモンを見守ってあげる気持ちで劇場に足を運び、いまだ前人未踏の火星に思いを馳せましょう!

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS
「オデッセイ」
のレビュー(68566件)