Dramatic everyday~毎日を彩る映画音楽:映画音楽界の偉人たち篇~

2016.02.20
映画

映画と音楽は人生の主成分

みやしゅん

1900年代初頭、世界で最初の映画音楽を作ったのはクラシックの作曲家サン=サーンスだと言われています。しかし、サイレント映画の時代でも、劇場内にいるピアニストやオーケストラによって映画に伴奏がつけられ、華やかに彩られていました。

はじめはクラシックの作曲家が創っていた映画音楽も、ミュージカル映画の全盛期などの時代を経て、現代では様々な作曲家が携わるようになっています

その中で登場したのが、映画音楽専門で楽曲創りを行う“映画音楽家”でした。昔では考えられない大規模かつ豪華なオーケストラ・サウンドはもちろんのこと、近年ではシンセサイザーなどを用いた映画音楽家独自の手法によって、より華やかな音楽が映画を彩っています。

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今回の“Dramatic everyday~毎日を彩る映画音楽~”では、現代の映画音楽の歴史を築き上げてきた偉人たちを、代表作や楽曲と共にご紹介していきます。

John Williams ジョン・ウィリアムズ

皆さんは、ジョン・ウィリアムズと言えば、やはり『スター・ウォーズ』を思い浮かべるでしょうか?たしかに、2015年から新シリーズが幕をあけた『スター・ウォーズ』シリーズの楽曲、特にテーマは誰もが知っている名曲です。しかし、それ以外にもジョン・ウィリアムズの名曲は山ほどあります。

映画音楽の第一人者

まず押さえておきたいのが、ジョン・ウィリアムズはスティーヴン・スピルバーグ監督の『ジョーズ』でアカデミー作曲賞・グラミー賞を受賞してから、一連のスピルバーグ作品の映画音楽を手がけてきた映画音楽界の巨匠だということです。2015年にヒット作となった『ジュラシック・ワールド』でも、彼が作曲した前シリーズ『ジュラシック・パーク』のテーマが登場しています。

“アカデミー賞47回ノミネート”という映画界の最多記録を保持する誰もが認める「映画音楽の第一人者」である彼は、この他にも『インディ・ジョーンズ』や『E.T.』、『ホーム・アローン』など誰もが一度は耳にしたことがある名曲ばかりを生み出してきました…今回のアカデミー賞でも『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が作曲賞でノミネートされています。

ハリポタ

ちなみに2016年冬にスピンオフシリーズが公開されることで話題を呼んでいる『ハリー・ポッター』の有名な音楽たちも、彼の作品です。前シリーズの第1作目である『ハリー・ポッター 賢者の石』は、第74回アカデミー賞において作曲賞にノミネートされました。

万人の心を揺さぶる壮大な音楽は世界で認められ、1984年のロサンゼルスオリンピックの開会式の音楽“オリンピック・ファンファーレ”の作曲も任されたほどです。

映画音楽の原点を味わえるコンサート

近年、シネマオーケストラコンサートが世界的に話題となっています。これは、映画を大スクリーンで上映しながら、それに合わせて音楽をフルオーケストラが演奏するというものです。冒頭でお伝えした歴史から考えると、これは映画音楽の原点とも言えるものです。

映像は以前、来日公演も行っていた“Hollywood in Vienna”というシネマオーケストラの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』です。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は2015年、日本のオーケストラによってシネマオーケストラコンサートが行われ話題となりましたが、2016年はスピルバーグ監督とジョン・ウィリアムズという最強タッグの代表作『インディ・ジョーンズ』と『E.T.』が日本に初上陸します。

今回は音楽メインの“Hollywood in Vienna”とは異なり、あくまで映画がメインなのですが、100名のフルオーケストラでの生演奏と聞くと行く前から鳥肌が立ちます…。

映画が好きな方、音楽が好きな方、どちらも好きな方、そうでない方…色々な方がいるとは思いますが、今まで体験したことのない世界を味わうことができるチャンスであることに間違いありません!この機会をお見逃しなく!

気になる方は公式サイトからチェックしてみてください。

Joe Hisaishi 久石譲

日本の映画音楽は坂本龍一と久石譲によって築き上げられた、と言っても過言ではありません。特に、久石譲は宮崎駿監督のジブリ作品を支えてきた日本を代表する作曲家として、世界中で多くのファンを魅了し続けています。

1984年『風の谷のナウシカ』から2013年『風立ちぬ』までの29年間を、宮崎駿監督と共に歩んできた久石譲…これは、スピルバーグ監督とジョン・ウィリアムズに匹敵する最強タッグです。

歴史を塗り替えた『千と千尋の神隠し』

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『千と千尋の神隠し』は、ベルリン国際映画祭において、アニメーションとしては史上初の最高賞である金熊賞を受賞した作品です。さらにアカデミー賞をはじめ、日本国内外問わず、多くの栄冠を手にした大作です。そのため、世界中で公開されるとたちまち話題となり、日本のアニメーションが注目されるきっかけとなりました。

この作品の音楽を手がけたのも、もちろん久石譲…海外版の予告編では劇中の“日本的な”BGMが使われており、世界観を見事に表現しています。本作の映画音楽は“アニメのアカデミー賞”と言われているアニー賞音楽賞の受賞をはじめ、数々の賞を受賞しました。本作における偉業は、アニメーションと音楽が見事にマッチしたからこそ成し得た、と言えるでしょう。

しかし、久石譲が手がけたジブリ作品の音楽の中で最も印象深いのは、次にご紹介するものだと私は思っています。

久石譲らしさに日本らしさを加えた『もののけ姫』

もののけ

『もののけ姫』の音楽には日本ならではの楽器が活躍しています。特に「TA・TA・RI・GAMI」では和楽器が大活躍しており、日本らしさが詰め込まれた素晴らしいものになっています。数々の名曲が生み出された本作ですが、やはりオープニングで使用されている「アシタカせっ記」が印象的です。

この映像は以前、武道館で行われたコンサートのものです。「アシタカせっ記」「TA・TA・RI・GAMI」、そして「もののけ姫」…どれも名曲です。しかし「アシタカせっ記」は特別…壮大な自然の中で聴くと、目に映る景色が一瞬にして変わる不思議な音楽の力が宿った名曲です。

Alan Menken アラン・メンケン

日本を代表するアニメーションを支えてきたのが久石譲ならば、海外を代表するアニメーション“ディズニー作品”を支えてきたのがアラン・メンケンです。

アラジン

ディズニー映画を彩る鮮やかな旋律

アラン・メンケンはこれまでに『リトル・マーメイド』『美女と野獣』『アラジン』『ポカホンタス』の4作品でアカデミー賞作曲賞・歌曲賞のW受賞を成し遂げています。ちなみに、東京ディズニー・シーのアトラクション「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」ではアラン・メンケンの音楽の世界をテーマにしたものでもあります…そのためテーマソング『コンパス・オブ・ユア・ハート』も彼が手がけています。

この映像は、アラン・メンケン本人が演奏しているものですが、どの曲も皆さん知っているのではないでしょうか?そんな彼の楽曲は様々な形でアレンジされ続けています。その中でも最も魅力が引き出されているものが次にご紹介するアルバムです。

アラン・メンケンの魅力が詰まったアルバム“We Love Disney”

近年、ディズニー作品の歌曲が様々な形でアレンジ、カバーされています。中でも、人気歌手アリアナ・グランデなどの洋楽アーティストが参加していることで人気となったカバーアルバム「We Love Disney」には、彼が手がけた楽曲が数多く入っています

これは、そのアルバムの中に入っている1曲です。人気R&BシンガーのNE-YOが『アラジン』で登場するランプの魔人ジーニーが歌う「Friend Like Me」を、スタイリッシュかつクールにカバーしています。このミュージック・ビデオでは、アラジンの映像が登場するため、映画ファンならば興奮すること間違いありません。

James Horner ジェームズ・ホーナー

現在、世界興行収入第1位の『アバター』、 第2位『タイタニック』の超大作の音楽を手がけたのがジェームズ・ホーナーです。彼はアカデミー賞をはじめ、世界で最も権威ある音楽賞であるグラミー賞を3度受賞した天才作曲家…残念ながら事故によって亡くなってしまいましたが、彼の偉業はこれから先も映画史に残るものです。

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代表作『タイタニック』の音楽に迫る

『タイタニック』と言えば、第70回アカデミー賞において14部門にノミネートされ、作品賞をはじめとする11部門を受賞した名作です。初回の“心に残る主題歌篇”でも書きましたが、本作の映画音楽は主題歌「My heart will go on」をモチーフに創られています。

その証拠に、主人公であるローズのテーマでは「My heart will go on」のメロディーがそのまま登場しています。様々な影響を与えてきた映画音楽であることは言うまでもありませんが、意外と知られていない影響力を持っていました…そう、『タイタニック』に登場する、別の音楽が話題を呼んだことでも有名なのです。

ケルト音楽の火付け役

『タイタニック』では、ローズがタイタニック号の3等船室へ降りて、生まれ育った上流社会とは縁もゆかりもないアイルランド人のパーティーにまぎれ込む印象的なシーンがあります。ここで登場するのがアイリッシュ音楽やケルト音楽とよばれるものです。

この『タイタニック』の影響で、エンヤやU2といったアイルランドの歌手に注目が集まるだけでなく、“Riverdance”をはじめとするアイリッシュダンスの来日公演が頻繁に行われるようになりました。まさにケルト音楽の火付け役となったのです。

特に“Riverdance”は「エンターテインメント界の軌跡」と賞賛され、当初10公演の予定だったダブリンでの公演が151公演という空前のロングランを記録しました。上半身を動かさずに、足の動きだけで踊ることが特徴のアイリッシュ・ダンスをはじめ、アメリカ・ロシア・メキシコといった様々な国のダンスが作品の中で登場することも魅力の1つです。ここで“Riverdance”のワンシーンをお届けします。

実際に、アイルランドの移民が大勢乗っていたという“タイタニック号”…そう考えると、本作『タイタニック』がアイルランドの音楽ブームを巻き起こしたことは、とても感慨深いものがあります。

ケルト音楽の特徴は、その独特のリズムや旋律…一度聴くと病みつきになってしまう不思議な魅力があります。“Riverdance”は、エンターテインメント性の高さだけでなく、その音楽も高い評価を受けており、サウンドトラック「Riverdance:Music From The Show」は、グラミー賞でベスト・ミュージックアルバム賞を受賞しています。

私自身も昔から大好きで、2008年・2015年の来日公演も生で観ましたが、鳥肌もの…涙が出るほど素晴らしい作品です!現在では吹奏楽やフィギュアスケートで使用される曲として有名ですので、聴いたことのある方もいるのではないでしょうか?とにかく必見・必聴です!

Hans Zimmer ハンス・ジマー

現代の映画音楽において欠かせないのがハンス・ジマーです。彼の名前を聞いて、ピンと来ていない方も多いと思いますが、彼は『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの楽曲を手がけた作曲家です。

実際には、1作目はハンス・ジマーは他の仕事があり契約上引き受けることが不可能だったため、メインテーマなどを作曲しクラウス・バデルトがそれをモチーフに作曲を手がけました。言うまでもなく、2作目以降は全てハンス・ジマー自身が手がけています。

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映像は先ほど紹介した“Hollywood in Vienna”で演奏されたものです。シンセサイザーとオーケストラを融合させたその独自のスタイルは、美しさにスタイリッシュさを兼ね備えた壮大な音楽を生み出し、多くの映画ファンを魅了しています。

現代の映画音楽の礎を築いた天才

ハンス・ジマーは、現代の映画音楽界を牽引する天才で、海外ではライブ・ツアーを行っているほどの超人気者です。これまでに『ラストサムライ』や『ダークナイト』、『インセプション』、『インターステラー』といった全世界でヒットを記録した作品全てにおいて、彼の音楽が流れています。

これは2016年に行われるワールド・ツアーのトレーラーですが、この数分間の映像ですら鳥肌が立つほど…。これから先、彼はどんな音楽で映画を彩ってくれるのでしょうか…とにかく楽しみです!しかし、彼が世界的に評価されるきっかけとなったのは、意外にも“あの”超有名なディズニー作品でした。

『ライオン・キング』が天才の原点

ライオンキング

『ライオン・キング』といえば、ブロードウェイをはじめ劇団四季でも今なお公演されている名作です。日本では15年というロングラン記録、日本国内公演最高記録を樹立しており、数々の伝説を生み出してきています。この『ライオン・キング』で、ハンス・ジマーは初めてアカデミー賞作曲賞およびゴールデングローブ賞を受賞し、脚光を浴びるようになりました。

今でこそ、先進的かつ現代的な映画音楽を数々手がけていますが、そこには様々な苦労があったはずです…だからこそ、ハンス・ジマーの原点とも言える『ライオン・キング』は欠かせない作品なのです。

映画音楽の歴史を築き上げてきた偉人たち

今回は現代の映画音楽界に欠かせない5名を紹介いたしました。彼らの楽曲は、いつ聴いても素晴らしいものばかり…楽曲を聴くだけで、映画のワンシーンが思い浮かびます。

彼らの楽曲は、レンタルショップや音楽配信サイトにあるものばかりなので、気になる方はチェックしてみてください!壮大な映画音楽を聴きながら、毎日をドラマティックに演出しましょう!

次回は、予告編で流れている音楽の秘密に迫ります!

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