シリーズ映画として歴代世界興行収入ランキングで堂々の1位を保持するマーベルコミックスのクロスオーバー企画「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」。記念すべき第1弾である本作は、『ザスーラ』(2005)のジョン・ファブローが監督を担当し、当時薬物中毒が問題視されていたロバート・ダウニー・Jrが主人公に大抜擢された。結果、不屈のニューヒーローの誕生に世界中が熱狂することとなった。
『アイアンマン』(2008)あらすじ
トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、全てを手に入れた男だ。持ち前のカリスマ性で多くの美女たちと浮き名を流し、毎晩がパーティー三昧の豪華な暮らしぶり。父親から引き継いだ「スターク・インダストリー」を世界最大の兵器製造会社にまで飛躍させ、アメリカ軍需産業の頂点に君臨している。ある日、新兵器のお披露目のため、アフガニスタンを訪問したトニーは、アメリカ軍基地への移動中に奇襲に遭い、謎のテロ組織に拘束されてしまう。連れてこられた地下洞穴には何カ国語も操る外科医のインセン博士(ショーン・トーブ)がおり、彼の応急処置によってトニーは一命を取り留める。テロリストたちにミサイルを製造することを強要されたトニーは、インセンと協力して脱出を試みることに。秘密裏に特製のスーツを開発し、全身を鉄で武装したトニーは、敵を一掃し、無事にアメリカへ帰還を果たす。そこですぐに記者会見を開き、アフガニスタンでの体験から兵器の製造中止を発表する。そして、世界のためになることとして、新たに「アーク・リアクター」の開発に着手しようとするのだが……。
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※以下、『アイアンマン』のネタバレを含みます。
キャスト&スタッフ紹介
トニー・スターク / アイアンマン:ロバート・ダウニー・Jr
ジェームズ・“ローディ”・ローズ:テレンス・ハワード
オバディア・ステイン / アイアンモンガー:ジェフ・ブリッジス
ペッパー・ポッツ:グウィネス・パルトロー
フィル・コールソン:クラーク・グレッグ
ニック・フューリー:サミュエル・L・ジャクソン
監督:ジョン・ファブロー
脚本:マーク・ファーガス / ホーク・オストビー / アート・マーカム / マット・ハロウェイ
製作:アヴィ・アラッド / ケヴィン・ファイギ
製作総指揮:ルイス・デスポジート / ピーター・ビリングスリー / アリ・アラド / スタン・リー / デヴィッド・メイゼル
撮影:マシュー・リバティーク, ASC
音楽:ラミン・ジャヴァディ
『アイアンマン』の見どころ&注目すべき点
「アーク・リアクター」について
本作でひと際目を惹く、トニー・スタークの胸に埋め込まれた「アーク・リアクター」。この「アーク・リアクター」は、元々、彼の父親ハワードがプラズマ技術によって開発したもので、アイアンマンの動力源としてそのトレードマークになっている。アフガニスタンで負傷したトニーの体内には、爆弾の破片があり、「アーク・リアクター」の電磁力を利用することで破片が心臓にまで及ぶことを食い止めていた。
さらにアメリカに帰還したトニーが、秘書のペッパーに「アーク・リアクター」の交換を頼む場面があるが、液体が漏れ、したたる描写が何ともグロテスクだ。その後、ペッパーが交換し終えたものをトニーは捨てるように命じるのだが、ペッパーはそれに「トニーにも心がある」と彫り込んで逆にプレゼントする。「アイアンマン」シリーズにとって、この装置にいかに重要なテーマ性が込められているかが分かる印象深い場面だ。
スーパーヒーローのギャラ事情
「アベンジャーズ」として一堂に集結するスーパーヒーローたちの中でもロバート・ダウニー・Jr扮するアイアンマンことトニー・スタークの人気は高い。しかし、当初ヒュー・ジャックマンやトム・クルーズなど他にも有力な候補者がおり、薬物中毒者だったロバート・ダウニー・Jrはあまり期待をかけられていなかった。ところが、本作のジョン・ファブロー監督がロバート・ダウニー・Jrにラブコールを送り、見事オーディションを勝ち抜いてトニー・スターク役を掴んだという秘話がある。
そして、そのギャラ事情がさらに驚きだ。ギャラに関して比較的格差がないDCコミックス作品に対して、マーベル作品はかなり極端な例が多いことで有名である。ロバート・ダウニー・Jrのギャラは、本作では50万ドルほどとかなり控えめであったものの、シリーズの世界的メガ・ヒットを受けて、5,000万ドルまで跳ね上がった。さらに『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)では破格の7500万ドルを稼ぎだし、スーパーヒーロー映画歴代トップの記録を軽々と塗り替えてしまった。
「アベンジャーズ」シリーズとの関わりは?
アフガニスタンから帰還したトニーが早速開いた会見で秘書のペッパーに接触してくるアメリカ秘密機関のフィル・コールソンという男は謎めいていて、いかにも怪しい。しかし彼こそ、スーパーヒーローたちを管理する国際組織「S.H.I.E.L.D」のメンバーであり、トニー・スターク=アイアンマンの存在をすでに察知していた人物だったのだ。本作のラスト、自身がアイアンマンであることを会見で告白したトニーの元を「S.H.I.E.L.D」の長官ニック・フューリーが訪ねてくる。トニーは他のヒーローの存在をその時初めて知らされ、それが「MCU」シリーズのスーパーヒーローたちが組織する「アベンジャーズ」結成の布石となる瞬間なのだ。
「アベンジャーズ」シリーズを全作品公開順に観るなら?
★(1)『アイアンマン』(2008)
(2)『インクレディブル・ハルク』(2008)
(3)『アイアンマン2』(2010)
(4)『マイティ・ソー』(2011)
(5)『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)
(6)『アベンジャーズ』(2012)
(7)『アイアンマン3』(2013)
(8)『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013)
(9)『キャプテンアメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)
(10)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)
(11)『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)
(12)『アントマン』(2015)
(13)『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)
(14)『ドクター・ストレンジ』(2016)
(15)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)
(16)『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)
(17)『マイティ・ソー/バトルロイヤル』(2017)
(18)『ブラックパンサー』(2018)
(19)『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)
(20)『アントマン&ワスプ』(2018)
(21)『キャプテン・マーベル』(2019)
(22)『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)
(23)『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)
※本記事で紹介した作品に「★」をつけます。
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※2022年7月18日時点の情報です。