アクション、サスペンス、青春なんでもこなす!映画監督ジョエル・シューマカー作品集

2016.03.27
まとめ

劇場未公開作品を愛してやまない田舎人

フレスコの傘

御年76歳になる映画監督ジョエル・シューマカー(シュマッカー、シュマッチャーなど表記が複数ありますが、本記事ではシューマカー表記で統一させて頂きます)。この方も長年に渡って映画界で活躍している一人といっていいでしょう。

シューマカー

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Joel_Schumacher

手掛けているジャンルは近年ではサスペンスものが多いのですが、バットマンシリーズの第3作目『バットマン フォーエヴァー』や有名な『オペラ座の怪人』、ナチス製ゾンビの因縁を描いたホラー映画『ブラッド・クリーク』、吸血鬼もの『ロストボーイ』、『愛の選択』では難病もの、『ヴェロニカ・ゲリン』では実録ドラマを・・・といったように意外となんでもこなせる幅の広さが魅力的な監督です。

今回はそんなシューマカーのオススメ作品を紹介したいと思います。

カー・ウォッシュ(1976年/原題:CAR WASH)

カー・ウォッシュ

こちらは監督作品ではなく脚本のみの参加となっていますが、衣装デザイナーとして映画界入りしていたシューマカーがはじめて劇場映画の脚本を手掛けた作品なので紹介させて下さい。

洗車場で働く若者たちの日常を描いた群像劇で洗車場で働く若者、洗車場に来る客、双方ともみんな変人ばかり。といっても大きな事件が起きるわけでもなく、淡々とした日常が映されていくだけなので見方によれば少々退屈な映画かも知れません。

でも、私たちの人生も多分こんな感じ。なにも変わらない日常こそが幸せ。なにかが変わるということは犠牲を払うことでもあるし、とても面倒くさいことでもあるのだから。

日も少しずつ暮れゆく頃、仕事も終わった。さあ、わが家に帰ろう。解放感溢れるこの瞬間は映画の中でも現実でも働く者たちにとって一種の快楽ではないでしょうか。

セント・エルモス・ファイアー(1985年/原題:ST. ELMO'S FIRE)

セント・エルモス・ファイアー

大学を卒業したての若者たちが友人の事故をきっかけに集結。彼らはお互いの進むべき道を模索していくが・・・。

根強い人気を誇る80年代を代表する青春映画。アンドリュー・マッカーシー、ロブ・ロウ、エミリオ・エステベス、アリー・シーディといったブラット・パック(YAスターとも呼ばれる)俳優たちが出演していることでも有名な作品です。

画面に映るのは大人になりきれず、学生気分の抜けていないお子様な7人なのにそれぞれの抱える悩みや葛藤が丁寧に描かれている点が印象的80年代丸出しの映画なので今となっては服装やBGMなどに古臭さを感じてしまうかも知れませんが、若者たちの姿をありのままに、そして真摯に描いた作品なのは間違いないです。

そう簡単に大人になんかなれないという心情は子供と大人の狭間に漂うことしかできない年代の人間にとっては強く響くのではないでしょうか。シューマカーの若者に対する目線は、いつだって優しい。

タイトルにもなっているセントエルモの火とは悪天候時などに船のマストの先端が発光する電気的現象のことを指します。

今ひとたび(1989年/原題:COUSINS)

今ひとたび

1975年のジャン=シャルル・タケラ監督作『さよならの微笑』のリメイク作品。

身内同士の結婚で義理のいとことなったラリーとマリアはそれぞれのパートナーが共に浮気をしていることに気付く。そこで2人はパートナーを懲らしめるために恋人のふりをするのだが…。

ようするに不倫ものなのですが、不倫ものと聞くとやはりドロドロとしたイメージを持つ方が多いと思います。でも、この作品は主人公たちが不倫をする動機がかなり特殊なので、不倫映画なのにまるでピュアな恋愛映画を観ているかのように感じてしまうのです。生き生きとした男女のやり取りが本当に爽やかで、その雰囲気がドロドロとしたものを一切排除しているのでしょう。

それからシューマカーの映画は映し出す町そのものや建物の使い方が独特で面白い。そういえば『8mm』の音声解説においてロケに関しては他の映画で見たような場所は使いたくないと語っていました。このこだわりは他の作品でも顕著に表れているので舞台となる場所や建物などはシューマカー作品においてぜひ注目して欲しいポイントです。

フラットライナーズ(1990年/原題:FLATLINERS)

フラットライナーズ

死後の世界を意図的に体験しようと実験を計画する医大生5人の話。死を経験し、蘇った彼らは昔の罪を持ち帰ってしまい、日に日に過去に体験したトラウマの幻覚に悩まされるようになる。

臨死体験自体がメインなのではなく臨死体験後のそれぞれの描写に比重をおいた着眼点が非常にユニークな作品。医学的な突っ込みは色々あるかと思いますが、そういう細かい点はひとまず忘れ、作り物だからこその楽しさを味わって欲しいです。全体的に青みがかった映像はまるで死を連想させるカラーで薄気味悪いですし、臨死体験中の不思議な映像も凝っています。

キーファー・サザーランドをはじめケヴィン・ベーコン、ジュリア・ロバーツといった今となっては考えられないぐらい豪華なキャスト陣が顔を揃えているのもみどころ。当たり前ですが皆さん若い。

ちなみに本作には『死界への挑戦』と『死ぬにはいい日だ』の2つが邦題候補に挙げられていたとのことですが、前者はともかく、後者は完全にコメディ映画のタイトルっぽいですよね。

フォーリング・ダウン(1993年/原題:FALLING DOWN)

フォーリング・ダウン

些細なことがきっかけで怒りが爆発し、大暴走をしていくある男の姿を描いた作品。

主人公はマイケル・ダグラス演じるDフェンスという男。彼は酒は飲まないし、煙草も吸わない、麻薬もやらない、至って真面目な人間なのですが、きっちりと刈り込まれた髪と整った身だしなみ、そして神経質そうな見た目がその暴走具合に反してだんだんと不安になってくる。

家に帰りたいだけなのに色んな物が邪魔をする。暑いし渋滞した車は全く進む気配がないしもう無理。なんで自分だけがこんな目に?娘の誕生日を祝いたいだけなのに。おまけにハンバーガー店にあるメニューの写真と実物は全然違うし、傷んでいないのに予算消化のための道路工事はしているし、一体どうなっているんだ!!この国は!?

今まで目を塞がざるを得なかった不条理な社会背景を浮き彫りにさせながらDフェンスは怒りの暴走をはじめる。この不条理な社会背景には少なからず共感できる部分があって、その部分が上手いこと作品に深みを与えているんですよね。

またDフェンスの持っている武器がバット→ナイフ→マシンガン→バズーカと徐々にレベルアップしていくのはおもしろい演出。最終的に彼の手の中に残った物はおもちゃの水鉄砲というのはとんだ皮肉ですが・・・。

「うそでいっぱいの汚い世の中だがお前の行動は正当化できん」というDフェンスに向けられた言葉がただひたすら悲しい。

タイガーランド(2000年/原題:TIGERLAND)

タイガーランド

本作は戦争映画でありながらも戦地に赴く兵士たちの姿を描いた戦争映画ではありません。1971年のルイジアナ州ポーク基地にて基礎訓練をみっちりと叩き込まれ、鬼軍曹たちからの罵声に日々耐える新兵たちの姿を描いた作品なのです。

そんな中、上官に向かって反戦的な態度を取り続ける新兵ボズは軍紀の抜け穴を利用し、苦しむ仲間たちを除隊へと導く。このボズを演じたコリン・ファレルの型破りな人間が大変魅力的なのですが、彼の存在をどう受け止めるかで本作の評価は少なからず違ってくるだろうとも思います。

そして臨場感を出すために、名の知られていない役者ばかりを起用したスタイルと『π』や『レクイエム・フォー・ドリーム』の撮影監督で知られるマシュー・リバティークによる質の高い映像が絶妙に絡み合う。リバティークとシューマカーは後述する『フォーン・ブース』、『ナンバー23』でも再びタッグを組んでいます。

9デイズ(2002年/原題:BAD COMPANY)

9デイズ

ダフ屋とチェスのハスラーで生計を立てている男が生まれてすぐに生き別れた双子の片割れ(実はCIA諜報員だったがある事件で死亡)になりきるために9日間で諜報員のノウハウを学ぶことになるが・・・。

全くの素人が9日間のトレーニングで諜報員になれるのか?というわかりやすいストーリーと適度に挟み込まれるアクションはこれが大衆娯楽だ!と言わんばかりのわかりやすさで、なにも考えずに楽しめる作品です。最後に正義は勝つ。それがスタッフ側の望みで現実でもそうあって欲しいと製作のジェリー・ブラッカイマーも語っています。

脇を固める役者たちも相当に渋い。若白髪が印象的なジョン・スラッテリーを筆頭にガブリエル・マクト、タイガーランド』にも出ていたシェー・ウィガム、ブルック・スミス、チョイ役でピーター・ストーメアという面々が揃っています。

フォーン・ブース(2002年/原題:PHONE BOOTH)

フォーン・ブ―ス

今のご時世電話ボックスもあまり見かけなくなってしまいましたが、この作品は電話ボックス内でのやり取りを描いた作品です。

どこかで主人公の男を狙っているスナイパーから電話を切ったら殺すと電話口で脅されたために、男は受話器を離せない状況に陥ってしまうのですが、この状況が終始にわたって続くわけです。本編は81分という短さなのですが、内容的にこの尺で十分。これが120分近くもあったのならば観ている方は相当つらい。

でも演じている方はもっとつらい。かわいそうなコリン・ファレルは終始電話ボックスの中に詰め込まれた上に、ワンシーンで軽く6~8ページ分はある台詞を覚えなければならなかったそうです。ファレルの鬼気迫る一人芝居が素晴らしい!

音声解説もセットで!

映画ももちろんおもしろいのですが、シューマカーの作品は監督本人による音声解説がおもしろい。なにより監督の人柄の良さが感じられるところがいいのです。

シューマカーの作品を観た際は音声解説もセットで聞いてみてくださいね。

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  • 朝はパン
    4.0
    この男118分間、正論しか言ってないから頷きっぱなし
  • 50Kenzo
    4.0
    ちょっとしたボタンの掛け違いでとんでもない方向に転がっていく男の運命。 ブチギレっぷりに笑わせられつつ、恐らく不器用な生き方の主人公の哀しさも感じられる映画でした。
  • 鉄平
    3.2
    真面目なビジネスマンが、異常者に変貌する作品。 世の中不条理なことばかりだが、それをどこか受け止めて理性を保ちながら生きなければならないが、ある時プチッと切れたらこんなことがもしかしたら起きてしまうのかもしれない。
  • 路肩好き
    4.0
    2017. 47本目 正直な人間は生き辛い。D-FENCEに共感することもあった私も狂人か。
  • tagomago
    4.0
    最初はアメリカで退職するときはこういう荒っぽいことするのかな、警察という組織は嫌だなって思ってたけど老刑事ロバート・デュバルはいびられてたんですね~。怖い。 そんな男が妻の悪口を言った奴を殴ったときはスカッとしました。老刑事がどんどん名刑事の目になるのは笑ったけど。 Dフェンスを追うことでDフェンスとは違ったかたちで自身を開放する対比が素晴らしかったです。 Dフェンスは私たちが普段我慢していることを軽々と越えて発散していく。デュバル刑事のようにニヤッと笑ってやり過ごすことが多々ですからこの男がどこか羨ましいって気持ちもあるんです。 2人がたどりついた結末。誰だってDフェンスになれるから身に染みてくる。余韻が残ります。
  • mk
    3.2
    いろいろ積み重なるとキレる事もあるよね。
  • オイスターソース
    -
    ダメでした
  • だーよし
    3.5
    渋滞、車のエアコンの故障、蝿、雑音 そして、何かが弾けた…! マイケルダグラス扮するウィリアムがこれでもかってぐらいに暴れる 暴れるにつれて武器がグレードアップする わらしべ長者に 『シリアルママ』とは異なる短気さ、こっちの方がよりリアル 普通にいそうだもん、こういう人 シリアルママの方はある意味清々しさがあって笑えるけど、こちらは全く… 奥さん、子どもが不憫すぎる
  • シャロン
    4.4
    ついにキレた。 会社もクビになり家族にも見放された男の暴走劇。 武器がどんどんグレードアップしていく、主人公の社会への不満もわかるんだよ。 何気に一番好きなのは引退する刑事が妻に反抗するとこが爽快だった。
  • nishikawa
    -
    わらしべ長者みたいに武器がだんだん強力になる。 話も絵的にも落下が印象的だった。 面白いしスカッとする映画だけど、会社に切り捨てられ時代から置き去りにされた人の話になっていて、追う側のロバート・デュバルも警察として牙を抜かれた状態に陥ってしまっている。この老刑事が娘のように接している女刑事と仲が良いのは、二人ともマッチョな職場の中で苦しい立場にいる人だからだと思う。 終盤で出てくる豪邸の家主の職業も象徴的。 意外に社会派な所もあって良い映画だと思う。 すごく面白かった。
  • 秋月
    4.7
    ファーストフード店でのやりとりは見てて最高に楽しい
  • KazurocK
    3.7
    イライラすることを発散しまくるオッさんをマイケル・ダグラスが好演。全部ぶっとばせ!って気持ちになっちゃうな。 でもラストは少し悲しい。 大味な映画ではあるけど好きな映画。
  • タケオ
    4.2
    炎天下の工事渋滞。 一人の中年の中で何かが弾けた。 中年は車を降りるなり、騒動を繰り返していく。 警察は強盗事件として捜査を始めるが、中年の行動の動機はもっと単純なものだった。 中年の名はウィリアム”D=フェンス”フォスター。 厳格で神経質ではあるが家族を愛するどこにでもいるような普通の中年だ。 しかし、戦争の終結により軍事産業からお払い箱にされ家族とも離婚。 裏切られた愛国心や愛情が彼を追い込んでいく。 彼の暴走は一見すれば狂っている。 しかし彼の怒りの矛先となるのは '予算確保のための無駄な工事' '勝手に縄張りを作りでかい顔をする不良' '街中にどでかいゴルフ場を作り踏ん反り返る金持ち' などなど私も一度は苛立ちを覚えたことのある いや、誰もが苛立ちを覚えながらも何処かで押し殺してきた物事である。 人間なんて生き物は、一度振り切ってしまえば手がつけられないのかもしれない。 そしてそのきっかけなんてものはそこら辺に転がっている些細な出来事である。 狂っているのはウィリアムか、それとも理不尽で融通のきかない世の中か? 気がつけば、ウィリアムの言動にどこか爽快感を感じている。 そして爽快感を感じている自分に恐怖を覚えた。
  • ばば
    3.5
    ララランド観て思い出したのですが、ジリジリと焦がれてく男が怖かった想い出
  • Kapporiya49
    4.0
    LA LA Landの元ネタの1つっていう予備知識だけで観た。オープニングの高速道路の渋滞だけ? しかし、思いの外トガった内容だった。 1990年代初頭のLAの不穏さを切り取ったような映画。N.W.A.が大ヒットし、前年には冷戦が終わって軍需産業の再編成が始まり、ちょうどこの撮影時期にロドニー キング事件があった時期。 ストーリー的には、渋滞に苛ついた男が高速道路に車を捨て、様々な人種が住むエリアをトラブルを起こしながら通過し、元女房と娘に会いに行くというだけのこと。 細かな台詞と演出で、その街その当時の社会的なストレスを炙り出すように描いていくのがお見事。 そしてこの頃のマイケル ダグラスの演技は本当に素晴らしい。
  • 紫色部
    3.5
    2017.3.2 Blu-ray ある意味では表裏一体の関係でもあるマイケル・ダグラスとロバート・デュヴァルの哀しき男像は切ないし、強く共感を引き寄せながらも肯定も否定もしない「没落」の着地地点にはこちらの自省を促された気がした。「ラ・ラ・ランド」に影響を与えた冒頭の高速道路の長回しも見事だし、「グラン・トリノ」的な主人公の選択も沁みる。
  • Yuki
    3.0
    イライラした人間の欲望が全部おさまってる。 日常を過ごすなかで、もしこんなことしちゃったら……という想像をするが、それを全部実行していく映画。
  • タカキユウタ
    3.8
    逆ギレ男、わらしべ長者でLA横断紀行
  • ぽちゃネコ
    3.6
    暑いなか主人公ひたすらキレてます💢
  • あしすけ
    3.6
    ハンバーガーのくだりのキャプ画から興味あって見てみたけど予想よりも重い話だった。 彼の怒りは理解できる。
  • MaruyamaHiroto
    3.9
    冒頭のロングショットですでにかっこいい 世の中の俺たちのストレスはマイケルダグラスが全部解消してくれる 序盤のわらしべ長者的武器アップグレードは笑いながらも最高 共感出来るけどどう見ても狂ってる 老警官のラストもカタルシスやばい やりたい放題やるとこうなるよーってラストも良い マイケルダグラスが狂ってると思えるうちはまだ大丈夫
  • たーころ
    2.0
    ちょ!なにこれー?笑 もっかい見るしかないなー
  • Mouki
    3.5
    記録 主人公の怒りにとても共感できますが、手を出したら負け!ww
  • Bnc208
    3.6
    特にストーリーというストーリーはないがメッセージ性を感じる風刺映画です。日常の苛立つことに対して主人公の怒りが爆発してブチまけます。主人公は少しやり過ぎですが、心情を思うと少し悲しいです。
  • カサ
    4.0
    狂ってる。けど共感してしまう。不思議。
  • Coronbo
    3.2
    とにかくキレまくる映画だったが、何処か共感でき、かつラストが気になる映画だった。
  • となりのデルトロ
    4.0
    全然知らなかったけどこれは隠れた名作! ジャケットの普通のサラリーマンがショットガン抱えてる画にグッときて借りてみたけど大当たり (o^-')b ヤッタネ! この映画は切れてる男の顔のドアップから始まる(厚切ジェイソンに似てる?) 大渋滞に巻き込まれた厚切。しかも猛暑。車の中にはうるさい虫がブンブン飛んでる。周囲の車からはうるさい話声がわんわん聞こえてくる うるせえ。しかも熱い。車もまったく進まねえ。イライライライライライライライラ。 この辺をなんの説明セリフもなしに長回しの撮影で見せきる導入がまず見事!主人公のイラつきに完全に感情移入してしまう 厚切りはとうとう車を降りる。歩いて家に帰ろうとする。そしてそこから普通のサラリーマンに見えた厚切りの大暴走が始まる・・!! もうとにかく切れまくってる状態なんで、普段はちょっと気になっても我慢するようなことでも、一切我慢しない。切れまくる。 「移民どものろくでもない英語が気に入らない!米国来たならもっとまともな英語話せ!」みたいな。 アメリカ人が普段我慢してる「本音」をどんどんぶちまけてく姿は今の大統領を彷彿させる バット→ナイフ→何十丁もの銃→バズーカ と主人公の持ってる武器がわらしべ長者的にどんどんグレードアップしてくのも最高笑 主人公演じたマイケル・ダグラスはとにかく最高! どんどん狂気に飲み込まれてく感じが凄い あと主人公を追う刑事も良い味出してる 普段は舐められがちなんだけど、やるときはやる! 厚切りと刑事は一種の表裏の関係で、そこらへんも興味深い 長い間製作許可が降りなかったという問題作 その原因はやっぱり主人公の過激な主張にあるのだろう アメリカという建前だらけの国の「本音」を見事に描いた傑作!
  • Yurie
    4.1
    脚本書いた人天才。 いやー、頭おかしい。おかしいけど最高。 狂気狂気狂気。イライラするよね、分かるよ。わかるけどさ。イライラしすぎ。笑
  • そりっどあいぼりー
    -
    暑くてムカつく日に、運が悪いことが次々に起こる。あまりに腹を立てた男がブチギレて暴れまわるという映画。キレている内容が案外真っ当で、例えば、予算消化のための意味もない道路工事を行い、ひどい渋滞がおこっているぞ!とブチギレる。そして、そんなに直したいなら俺がぶっ壊してやる!という感じで道路にロケットランチャーをぶち込むのだ(最高!!)。怒りを行動に伴わせるのは現実では許されるべきではないが、物語ではどんどんやってくれ。そのおかげで、現実でムカつくことがあれば、家ではフォーリングダウン出来るのである。ただこの映画は、そんな不満解消の内容だけに留っておらず、キレる男と対峙する刑事のほうも同様に社会に対する不満を抱えているという部分にストーリーの捻りがある。つまり、この刑事はキレた男とは違い、正義に則ったやり方(正確には刑事の尊厳を取り戻そうとする意志)で社会への不満を解消するという構造になっているのだ。二人の目指すところは同じ不満の解消というところにあるのだが、そのやり方で大きく人生は変わるという結論になっているところが上手い。そして、そんな違うやり方をとった彼らが、ラストで対峙するシーンが見所なのだ。
  • yuki
    4.0
    主人公のやってることは異常でめちゃくちゃなのに、そこまでムカつかないのは主人公の周りに現れる人物がもれなく全員こちらを苛つかせるキャラクターであり、主人公のイラつく原因に対しては理解できるからだと思う。 だからこそその狂った暴走は許されないものであるのに作品としておもしろい。 当時の風刺も入れつつ、主人公の狂気の沙汰にしっかり嫌悪感を抱ける。 バーガー屋のくだりが好き。バイトの女の子の表情いいし、いやそこは普通にランチメニュー頼もうよって思うんだけど。ペチャンコで笑ったし。 マイケル・ダグラスの醸し出す雰囲気がうまくて終始不穏な空気に。こういう人いそうで怖い。 うだるような暑さの中の渋滞から始まった主人公の狂気じみた行動と犯罪。元妻の拒否反応が終盤のビデオの一コマで腑に落ちるのもいい。 怒りを爆発させる主人公と怒りを抑え込む早期退職を決めた老刑事。この対比もよかったなと。そしてロバート・デュヴァルがさすがの存在感。 個人的にはこの老刑事の方が職場でも家庭でもストレスフルなんじゃないかと思いながら観てた。
「フォーリング・ダウン」
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