『ハンガー・ゲーム』遂に完結!今ブームとなっている「YA小説」の映画化とは

2015.06.06
映画

Why So Serious ?

侍功夫

遂に『ハンガー・ゲーム』シリーズが最終章に突入しました。2015年6月に『ハンガー・ゲーム:FINAL レジスタンス』、同年11月に『ハンガー・ゲーム:FINAL レボリューション』が続けて公開されます。

hanger01

元々、『ハンガー・ゲーム』は原作本がヒットしたのをきっかけに映画化されたシリーズです。小学生の頃に『ハリー・ポッター』シリーズで読書に親しんだ子供たちが、中学生高校生に成長し、同年代の主人公が活躍する作品として選んだことがヒットの要因だと言われています。

『ハンガー・ゲーム』原作は「ヤング・アダルト(YA)」と区分されています。日本で言うところのジュブナイル本からライトノベルあたりをざっくりと統括した作品群です。現在、ハリウッドではこの「YA小説」群の中から共通する設定を持った多くの作品が映画化されています。

『トワイライト』シリーズ

hanger02

あの大ヒット作もYA小説が原作です。ティーンエイジャーの吸血鬼に見初められた普通の少女が、吸血鬼族と狼男族の戦いに巻き込まれていきます。本作のヒットでヴァンパイア・ブームが巻き起こり、『ヴァンパイア・アカデミー』『ヴァンパイア・ダイアリーズ』といったテレビドラマシリーズも作られています。

『ダイバージェント』シリーズ

hanger03

遺伝子で人間を5つの特性に振り分ける近未来の管理社会で、少女トリスは処刑されてしまう異端分子「ダイバージェント」に区分されてしまいます。検査官の計らいで処刑こそ免れますが、生き残ったことでシステムの陰謀に巻き込まれてしまいます。現在、続編『ダイバージェントNEO』の公開が決定しています。

『メイズ・ランナー』

hanger04

記憶を失った少年トーマスが幽閉されたのは、刻一刻と変化を続ける巨大迷路「メイズ」の入り口です。何もかもが謎につつまれた世界で、トーマスと同じ境遇の若者たちが命がけの脱出に挑みます。シリーズは3部作での映画化がアナウンスされています。

『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』シリーズ

hanger05

普通の高校生パーシー・ジャクソンがある日、自分がギリシャ神話の神ポセイドンと人間の子供だと知らされたことで神々の戦いに巻き込まれます。現在、第一部「盗まれた電撃」と第二部「魔の海」の2作が映画化されています。

『アイ・アム・ナンバー4』

hanger06

普通の高校生ジョン・スミスは、ある日突然自分が地球に9人いる宇宙人の一人「ナンバー4」であり、敵対する宇宙人モガドリアンによる暗殺のターゲットになっているのを知ります。覚醒した超能力を駆使して暗殺者から逃れながら他の宇宙人に助けを求める旅に出ます。続編へのフリ満載で終わった本作ですが、今のところ第二弾は作られていません。

●「バトロワ」と「リアリティ・ショー」から生まれた「YA小説」

hanger07

『ハンガー・ゲーム』を代表とするサバイバル系YA小説の元ネタと言われているのが日本の『バトル・ロワイアル』です。巨匠深作欣二最後の監督作として映画化され、クエンティン・タランティーノが「1992~2009年のベスト」1位に推したことでアメリカでも広く認知されています。

また、別の元ネタとしてテレビ番組ジャンル「リアリティ・ショー」が挙げられます。素人が孤島でサバイバルをしながら勝ち抜き共同生活をする「サバイバー」や、スターを夢見る市井の人々が公開オーディションを受ける「アメリカン・アイドル」などです。

「バトロワ」と「リアリティ・ショー」の持つ「選ばれた普通の人が勝ち残りを賭けて戦う」という構造はYA小説へ受け継がれています。

●「普通の私」から「特別な私」へ

『トワイライト』では普通の女子高生ベラがイケメン吸血鬼に惚れられ、恋人に選ばれます。『ハンガー・ゲーム』シリーズは地区代表として選ばれてしまった妹の身代わりとして、カットニスが殺し合いのゲームへ立候補することから物語が始まります。

そもそも、YA小説ブームの礎を作った『ハリー・ポッター』シリーズも「普通の少年ハリーが、実は伝説の両親から生まれた運命の子供だった」という設定を持ち、魔法世界の善と悪の戦いに巻き込まれていくという物語でした。

YA小説は「普通の人が選ばれて戦う」という「バトロワ」と「リアリティ・ショー」から引き継いだ構造に「実は特殊な能力やカリスマ性を持っていた」という設定を加え、よりファンタジックかつ都合の良い物語へと進化させたのです。

●壮大な予算で映像化された「ずん飯尾」

現在世界の経済状況は、富のほとんどをごく一部の富裕層が独占し、その他大勢の「普通の人々」との格差が広がっていく一方だと報じられています。その、大多数を占める普通の人々をターゲットに「いつか、全く苦労無く突然特別な存在として選ばれて、ひとかどの人物になるかもしれないよ!」と嘯くのが、YA小説とそれらを原作とした映画です。

要はお笑い芸人ずん飯尾のネタ「平日の昼間っからゴロゴロ~ゴロゴロ~ あ~あ!ササッと書いた落書きが1億円で売れないかな!」という度し難く野放図な欲望を、スタイリッシュに映像化したことがYA作品成功の秘密なのです。

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS
  • ロバート山口
    1.0
    続きものなのに1作目の面影が全然なくなった感じ。同世代の若者たちが生死をかけて闘うハンガー・ゲーム、アメリカ版"バトル・ロワイヤル"なところが面白かったのに。もう今作からゲーム自体がどこにもない。どこが"ハンガー・ゲーム"なのだろう。 これ劇場で観てたら絶対寝てただろうなぁ。それぐらい退屈。嗚呼、1作目楽しかったのに何故こんな方向に向かうのかな。まあ元々の原作がこのような展開だから仕方ないのはわかるのだが…。あと1作あるけど苦痛。 それにしてもジェニファー・ローレンス、フィリップ・シーモア・ホフマン、ジュリアン・ムーア、マハーシャラ・アリとアカデミー受賞俳優が揃ってるのは壮観。大御所ドナルド・サザーランドもいるし、ウディ・ハレルソンも。それだけにトホホな作品の出来が残念、もったいない。
  • れんちょん
    3.0
    やっぱり最後が残念って感じかな
  • ni3
    2.9
    いかにカットニスを宣伝していくか、という面にフォーカスしていて新鮮。 一作目とは雰囲気が違う
  • パグレ
    2.9
    ①ハンガーゲーム ②ハンガーゲーム2 ③ハンガーゲームFINAL:レジスタンス ←いまここ ④ハンガーゲームFINAL:レボリューション 順番に見ることを前提にして作られている作品です。 前作で説明済みの設定(世界観など)については「皆さん既にご存知ですよね」といった感じの扱いなので、順番に見ましょう。 ややこしいことにFINALが2個ある。 「ある意味では本作が1つのエンディング」みたいな内容だったりするのかな?と予想していましたが、そういうわけでもなかった。 完全なニセファイナルだ。麻雀なら間違いなくチョンボ罰点食らうだろうね。 もはやバトルロイヤル要素は皆無です。 まぁ、とはいっても、毎回バトルロイヤルさせてたら打倒クソ大統領ストーリーのほうが一向に進まないだろうしそこは良しとしましょう。 というわけで、本作を楽しめるかどうかは「1、2作目を通してこの作品の世界観をどれだけ好きになれたか」にかかっているかなと思いました。 ただ単にバトロワモノが見たいだけだった人や、パネム国の行く末とかには興味ないよって人にとっては蛇足に感じるだろう。 今まではゲームに参加してる人間が敵だったけれど、今作からは「キャピトル」という都市そのものと敵対することになるので弓が得意とかいうキャラ付けも活かしづらくなってる。カットニス無双は終わった。 私はわりと世界観込みで楽しめていたので、本作もそこそこ堪能できました。むしろ「やっと話進んだか」って感じ。取ってつけたような理由でバトロワに再挑戦させられる中だるみの2作目よりも楽しめた。 まぁ、今まで4時間もかけて1~2作目を見たなら、いまさら後には引けないし何だかんだ結局は皆も全作見るよね。 というわけで、どうせ見るなら楽しんでほしいので期待を煽る要素書いておきます 付き人の激ケバ化粧貴婦人のスッピンご尊顔が拝めるよ!!!
  • 1ssey
    3.0
    ううん…本当にこのハンガーゲームシリーズは無意味なシーンと、似たようなシーンの繰り返しがもったいない… やろうとしてることは面白いはずなのに、今作も1時間程度に詰めれそうな話を、メディア合戦を何回も見せられるし、カットニスはすぐパニクるし、もう2股公認みたいになってるし、なんだかなぁ、、 終盤も暗い映像が続きだし、盛り上がりがなぁ この手の映画で未だに主要登場人物が誰も死んでないのもストーリーが甘すぎる。 こんなことなら2の終わりで、この後革命が起き独裁政権は終わりました…めでたしめでたしな回想でよかったんじゃないかと思ってしまう。 最終作でビシッと決めてくれることを願う。
「ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス」
のレビュー(14369件)