主要登場人物たった3人の密室劇!『10 クローバーフィールド・レーン』の魅力とは

2016.06.28
映画

邦画・洋画、ジャンルを問わない映画好き

いと

スター・トレック イントゥ・ダークネス』や『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』などかつての名作の続編を、現在の技術で作り上げた手腕が高く評価されているJ・J・エイブラムス監督。

そんな彼が日本で見た「とある物」に影響を受け製作した映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』の続編『10 クローバーフィールド・レーン』が6月17日に公開されました。

10クローバー・フィールドレーン

(C)2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

既に巷では賛否両論巻き起こるこの作品。今回はその魅力を筆者が「根幹だと思う部分」を一切ネタバレせずに紹介していこうと思います。

ストーリー

同棲相手と喧嘩し、部屋を飛び出したミシェルメアリー・エリザベス・ウィンステッド)は郊外の田舎町で事故にあってしまう。

事故の影響で気を失っていたミシェルが目を覚ました時、そこはまったく身に覚えのない部屋だった。自身が何者かに監禁されていると知ったミシェルだったが、その地下シェルターの主人ハワードジョン・グッドマン)は「崩壊した外の世界からミシェルを救った」と言い放つ。

自身を拘束していたハワードへの疑心を抱えたまま、腕を負傷したエメット(ジョン・キャラガー・Jr.)を交えた3人での地下シェルター共同生活が始まる……。

主要登場人物たった3人の密室劇

クローバー・フィールド2

出典:https://www.flickr.com/photos/134452291@N05/19672088281/

騒動に巻き込まれた人間が撮るビデオカメラ映像という設定のPOV映画だった前作とは違い、今作は通常視点の映画。しかし、今作も前作同様「映画として物珍しいジャンル」であることは間違いありません。

POVでありながらニューヨーク全体を舞台にした前作と打って変わり、『10 クローバーフィールド・レーン』では物語のほぼ全てが地下シェルターの内部だけで展開します。

アメリカではシリーズ化もされた映画『トレマーズ』の登場人物バート・ガンマーのように、核爆弾の応酬による世界大戦を恐れ、自らの敷地内に地下シェルター等を用意する人は、現実にも少人数ながら実在します。

トレマーズ

しかし、そういった地下シェルターこそが監禁などの犯罪の温床になる場合も珍しくなく、海外では監禁行為は割と身近にある恐怖と言えます。

そんな事象を背景に敵対国か何かの攻撃により外の世界は崩壊したと主張し、銃と威圧感を盾にミシェルを解放しないハワード。

果たして本当に世界は崩壊したのか」「ハワードは本当に自分を助けてくれた恩人で善人なのか」。次々と見つかる疑念を助長するような物証の数々と、ハワードの主張を後押しするような外部の様相。

疑念は信頼へと変わり、信頼はより強い疑念へと変わる。ホッと出来るようなシーンでさえ漂う不穏な空気に、上映中ドキドキしっぱなしです。

量より質、出演する実力俳優

前作『クローバーフィールド/HAKAISHA』ではPOVを用いた作品内容にリアリティを出すために、顔を見知った俳優を起用せず無名の俳優を起用しましたが、逆に今作では主要登場人物3人の密室劇で観客を魅了するために確かな実力者である俳優たちを起用しています。

極限の状況下においても決して諦めず、常に行動を続けるミシェルを演じたのは『ダイハード4.0』で主人公ジョン・マクレーンの娘を演じたメアリー・エリザベス・ウィンステッド

メアリー・エリザベス・ウィンステッド

出典:https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/4840141809/

バレエ出身の美しいスタイルを持ち、全編を通してほぼ薄着という部分も見どころではありますが、恐怖に身を委ねず立ち向かう強い女性像を体現しています。

そして何より、この映画での中心となるのがハワード役のジョン・グッドマン

ジョン・グッドマン

出典:https://www.flickr.com/photos/alan-light/2078581168/

良い人? 悪い人? 状況によって温かいお父さんのような存在にも、危険なサイコ野郎にもどちらにも見える究極の演技で、視聴者をハラハラさせたり安心させたり、観る者を揺さぶってきます。

エメット演じるジョン・キャラガー・Jr.もトニー賞を受賞した演技力を遺憾なく発揮。3人の演技が濃密に絡まり合う、熱い熱い2時間となっているのです。

前作の鑑賞は不要!今すぐ劇場へ

密室サイコ・スリラーとしての本作の魅力、充分感じていただけたでしょうか。記事内でも紹介した通り、今作は『クローバーフィールド/HAKAISHA』の続編です。

クローバー・フィールド

この記事を読んでいただいた方のなかには「前作見てないからなあ……」と鑑賞を渋る方もいるでしょう。でも、筆者が鑑賞を勧めたいのはむしろ前作未鑑賞者の人たちなのです。

出来れば予告映像や巷での感想、その他情報に一切触れることなく、何が起きているのか分からないミシェル同様に疑心暗鬼と外への希望にまみれた状態で今作を見て欲しい、そんな作品です。

また前作鑑賞者は、ひとまず前作の事は頭から外して楽しんでみてください!

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  • patrick
    3.6
    クローバーフィールドHAKAISHAの続編なのどうなのか微妙な匂いを醸し出していたこの作品。そんな気持ちを弄ぶかのようなストーリー。 なんだこりゃ?って思うかもだけど、なんだかんだこれ嫌いになれない。
  • vary
    3.5
    Apr. 22nd J. J. Abrams製作 Damien Chazelle脚本 シリーズ2作目 シリーズ1作目が2008年に公開されて、衝撃的な印象与えてから、10年弱。1作目のテイストとテーマを引き継ぎながら、新たなことに挑戦した。 脚本はとても面白かったと思う。終盤までモンスターの姿すら見せず、さらには外に出る機会なんかもほとんどない。その一方で、シェルターの中で争いが生まれ、極限の状態の中で、生きるか死ぬかの選択を迫られるストーリーのコンパクトさは、とても映画としての完成度は高かった。 さらには、シェルターの作りや、セット美術は見事だったと思う。フィクションのテーマを軸にしながらも、日常に近い空間を演出することで、視聴者の感覚をできるだけスクリーンに近づけることに成功していた。 しかし、ディレクティングがどうなんだろうと思った。色々といい要素は出揃っているのに、そこをうまく生かしきれていないというか、ストーリーをチープなものにしてしまっていた。テレビドラマに近いような展開の浅さ、エンディングに向かっていく階段の急さ。そういうところが視聴者を突き放してしまったのかもしれませんね。 誰のチョイスかはわかりませんが、音楽が全くなく、プロダクションオーディオだけで成り立っているシーンがとても多かった。ストーリーが中心に向かって小さくかつ、濃くまとまっていくような演出なのだが、それにシーンの味の濃さがついてきていない。だから、視聴者は集中することができずに、飽きてしまう。決して、ストーリーを見失うようなことはないのだが、脚本に書かれている以上のものを映像から感じ取ることはできなかった。 次回作に期待。
  • あき
    3.7
    最後まで展開が読めずドキドキする。最後の主人公の選択も面白い!
  • SUPERTIGER
    3.5
    だから 言わんこっちゃないッ!
  • YKK
    3.0
    おたふく風邪中の映画鑑賞1 ジョングッドマンが怪しすぎるんだもの
「10 クローバーフィールド・レーン」
のレビュー(8682件)