お久しぶりの方もお初の方も。ご無沙汰しております。店主です。
年々暑くなる日本、2016年も暑い夏が目の前です。夏!海!パーティー! 夏は音楽フェスやライブ、クラブでワイワイしたいと考えている方もきっと多いでしょう。筆者もその一人です(誰か一緒に行ってくれませんか)。
そして昨今では、世界中を賑わしている音楽ジャンルにEDM(ELECTRONIC DANCE MUSIC)があります。今や世界中のクラブや野外フェスで最も盛り上がるジャンルとして定着しております。
勿論日本でも定着しており、誰もが知っているJ-POPにもEDMの要素はふんだんに盛り込まれております。一言でいうならばEDMはとても「ナウい」のです。
※EDMとはなんぞや?という方は公式サイトを参考までに。
そんなEDMを題材にした青春映画が 6月24日に日本上陸。その映画こそ『WE ARE YOUR FRIENDS ウィー・アー・ユア・フレンズ』!
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Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】タイトル!EDM!そしてザック・エフロン!間違いなくこれパーティー映画でしょう?
この映画を観る前の筆者は、本作を良い意味で能天気で勢いとノリで楽しむアメリカのティーン向け「ピッチ・パーフェクト」シリーズのような青春映画を期待しておりました。
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▲この作品も最高です!ノリだけの映画(褒め言葉)の存在は本当に大事!
◎何故そう思ったか①:タイトルと宣伝
本作のタイトルがそもそも『WE ARE YOUR FRIENDS』ですよ!? 原題も同じとなればティーン向けノリ映画と思うのは至極当然。そして公式で「#仲間 #最高かよ」とポスターやTwitterでも煽っており、完全にウェイウェイなパーティームービーと思い込むでしょう。
◎何故そう思ったか②:EDMを題材にしているから
EDMは今や世界中の若者たちの間で大人気。大きいクラブや割とチャラいパーティーでかかるのはEDMばかり。そんなEDMを題材にしているので、そりゃあもうはじけまくりの映画と思い込むでしょうよ!
◎何故そう思ったか③:主演がザック・エフロンだから(褒め言葉)
『ハイスクール・ミュージカル』でティーンのスターとなったザック・エフロンがDJをすると聞けばノリノリ映画を期待せざるを得ません。身長もあまり高くない(173センチ)ので生意気な若僧がまた似合うのです。
▲2014年製作の『ネイバーズ』でも主人公たちを邪魔するパーティー野郎な若者をザック・エフロンが好演! 今最もイケイケなアメリカの若者を演じさせたらザック・エフロンの右に出るものはいないのでは?
こんなにイケイケな要素がフルコースで詰め込まれてるぅ! これはもう間違いなくノリノリムービーですな?
ここまでクラブDJが何をしているかにフォーカスした映画も珍しいのでは?
DJがプレイしているシーンは他の映画にも出てきますが、その具体的な内容はそこまで深く語られることは多くありません。しかし本作ではEDMを題材にしつつも、クラブDJが何をしているかを深掘りして丁寧に見せております。
「DJはパーティーで曲と曲をスムーズに繋いでパーティーを盛り上げる選曲係」という最低限の知識は観客が持っていることを前提で話が進みます。BPMの数値の話もサラっと出てきますのでそこも予備知識として押さえておきたいところ。
主人公コールが野外パーティーでDJをするシーンで、クラブDJの盛り上げ方を解説するシーンがありますが、これがかなり真っ当で驚きます。クラブ・DJ初心者は結構勉強になると思います。
「温まっていないフロアではDJブースの前に空きが出来るので、それを打破する客が必要」「ダブステップやハウス、ハードコア等のノリ方、BPMの上げ方」等、割と説得力があります。
DJ経験者の筆者が観ても納得できる内容でした。いろいろ突っ込みたい点もなくはないですが、映画的にはこれで十分かと。何より、DJに対しての敬意がしっかりと感じとれました。
ノリで押し切る映画ではなく、実に真っ当な青春映画だった!
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上記でも述べた通り、この映画、意外とまともにDJと向き合っている…と思いきや、蓋を開けてみればなんと本作、全然イケイケかつノリノリ映画ではなかったのです(そんなシーンもそれなりに出てきますが)!
現状を打破しようとするもうまくいかないL.A.に住む若者4人の青春物語ではありますが、仲間最高な描写はあまりなく、それは主軸ではないのです。ある意味タイトル詐欺です(笑)
若者とはいえ主人公たちは23歳前後。大成功するわけでもなく、もがきながらもそれぞれの日常を受け止めて進んでいくある意味現実的なストーリーは非常に好感が持てます。
言葉に表せない「このままでいいのだろうか?」という虚無感と乾いた雰囲気は『マジック・マイク』の1作目に近いものを感じました(観る前は続編の『マジック・マイクXXL』のイメージでしたが(笑))。
「#仲間 #最高かよ 」よりも「#音楽 #最高かよ」
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DJを題材にしてるとはいえ、音楽映画としても見応えがあります。トラックを制作しているシーンは真摯に音楽に向き合っているし、自然の音に触れ自分の音楽スタイルを見つけ出すシーンはとても印象的!
ラストの山場となる一大ステージのライブDJも非常に臨場感と躍動感があり、可能ならば映画館での鑑賞をお勧めしたい! ザック・エフロンが映画のコピーでもある「這い上がれるか!?」と叫ぶシーンは鳥肌モノの格好良さ!
本作はよくある青春×音楽が題材の映画ではあります。ですが、EDM/DJを題材にしている点と、ただ成功を勝ち取るだけではない、妙に現実感溢れる少しだけ王道とは違う青春ドラマとして、観た人の記憶に残る作品でしょう。これぞ意外性のホームラン!!
▲冷静に予告編を観ると真っ当な青春映画の作りでした(ゴメンナサイ)
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※2020年11月28日時点のVOD配信情報です。