青春の全てがここに!全世代に観てほしい『シング・ストリート 未来へのうた』

2016.07.27
映画

好奇心で生きてる雑食人間

sakasa

『ONCE ダブリンの街角で』『はじまりのうた』など音楽を軸にした作品をヒットさせ、これまで多くの人の心を動かしてきたジョン・カーニー監督の最新作『シング・ストリート 未来へのうた』が7月9日より全国公開されました!

シングストリート

公開前から各界の著名人から絶賛の声が上がっていた本作。「今年No.1の映画!」「オールタイム・ベスト級映画!」とコメントを残している人もいるほど。何より本作は監督の自伝的映画でもありジョン・カーニー監督も強い思いが込められた作品のようです。

『シング・ストリート 未来へのうた』はただの音楽映画ではない!

シングストリート_メイン画像

あらすじ

物語の舞台は1985年、大不況のアイルランドのダブリン。人生14年目でどん底を迎える少年コナー。父親の失業のせいで公立の荒れた学校に転校させられ、家では両親のけんかで家庭崩壊寸前。

音楽狂いの兄と一緒に、隣国ロンドンのMVをテレビで見ている時だけが唯一の至福の時間。ある日、街で見かけた女の子ラフィーナの大人びた美しさにひと目で心を撃ち抜かれたコナーは、「僕のバンドのPVに出ない?」と口走る。慌ててバンドを組んだコナーは、無謀にもロンドンの音楽シーンを驚愕させるMVを撮ると決意。猛練習&曲作りの日々が始まる…!

監督の実体験が基盤

先述したように本作はジョン・カーニー監督の自伝的映画でもあり、「僕が主人公の年頃にやりたかったけれど、できなかったすべてを映画の中で実現した」とコメントを残しています。

プロデューサーのアンソニー・ブレグマンも「この映画の要素の多くが、ジョン(監督)の子供時代の体験から来ている。彼は一流の学校からシング・ストリートの学校へ転校した。コナーが、父親が失業して資金繰りが苦しくなったせいで、洗練された教育の場から荒っぽい世界へ放り込まれたのと同じようにね。すぐに袋叩きに遭い、弱みを握られ、自分を守るため、そしてかわいい女の子の興味を引くためにバンドを組んだのもジョンの体験に基づいている」と語っているんですね。

そうです! 誰しもが青春時代に味わったドキドキやワクワク、悲しみや喜び、悔しさ、何もかもをこの106分間で体験できるんです。

80年代のアイルランド事情

この作品をより楽しむためには、映画の舞台となっている1980年代のアイルランドについて予習しておくことをおすすめします!

当時のアイルランドは所得の60%が課税され、失業率が約20%。経済成長もほぼ無く、経済状況はかなり低迷していた模様。離婚が認められておらず、そのことが家族にどんな影響を与えたかも作中ではリアルに描かれており、当時の時代背景や家族の在り方なども如実に表現されています。

徹底的に再現された80年代ファッション

シングストリート_シーン画像5

音楽とファッションはどの時代においても切り離すことができないもの。本作での見どころのひとつとして挙げられるのもやはり再現度の高い80年代ファッションやメイクです。

当時は不況ということもあって、ほとんどの家庭にお金がなく新しい服を買えない時代でした。たとえお金があっても流行の洋服はダブリンでは手に入らない状態。それでも流行に敏感な若者たちはチャリティーのお店や古着屋に足を運び、 時には現代風な洋服に見せるために自分たちで作り替えたりもしていました。

最新ファッションの情報源はテレビで活躍するアーティストたち。現代においてもファッションアイコンとして君臨するアーティストたちからインスパイアされた彼らのコーディネートが、作中で何パターンも登場します。

ロックスターがお手本

最初は冴えないコナーも大好きなミュージシャンに憧れ、音楽だけでなくファッションも真似るように。お金がない中で自分流に工夫して憧れのアーティストに寄せているのですが、ファッションの知識が皆無なだけに少しダサい・・・。

その着こなせていない感じに、背伸びをしたくなる年頃の男の子っぽさが出ていて初々しく可愛らしくさえあるのですが、ファッションも音楽に合わせてアップデートしていきます。コロコロ変化していくコナーやバンドメンバーのファッションにも注目です!

そしてヒロインであるラフィーナのファッションは主に、ポップス界の女王マドンナから影響を受けています。シーンと共にチェンジするファッションは、色使いやアクセサリー、メイクなど、その時その時の彼女の心情を映し出しているかのよう。初登場時はデニム生地のMA-1に同色のスリムなジーンズ姿で、自信に満ちあふれるカッコいい大人の女性を演出。さすがモデルを目指すだけあって完璧なセルフプロデュースです。

ちなみにコナーの兄ブレンダンは一貫してほぼ同じTシャツやデニムを着回しています。ヘアスタイルも肩に届きそうな長髪。やはり兄なだけあって、既にファッションも自分のスタイルを確立しています。

ブレンダンを演じたジャック・レイナー自身もロック好きで、役作りで参考にした人物は今でも根強いファンを持つ、70年代に最も成功した世界的バンドのひとつピンクフロイドのギタリスト、デヴィット・ギルモアだそう。

ファッションのこだわりによって、それぞれのキャラクターに深みと厚みが生まれているのも本作のおもしろいところです。どのファッションがどのアーティストからインスパイアされたものか、音楽好きの皆さんは特にぜひ考えてみてください。

観ればあなたの中の何かが変わるはず

人生において誰もが出逢うであろう感情が全て詰まっている本作。

観ればあなたの中の何かが変わるはず。コナーたちと同世代の人にはもちろん、青春時代をすでに過ごした人たちやこれから青春を迎える子どもたち、これから何かを始めようとしている人、または始めたいけど迷っている人、音楽が好きな人、ファッションが好きな人、当時のカルチャーに興味がある人など挙げると切りがないのですが、2016年の映画を語る上では絶対に欠かせない、文字通り全ての人におすすめできる作品です!


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  • たたき
    4.2
    音楽やりたくなる。
  • asa
    3.7
    兄ちゃん最高にかっこいい Find to you が好き
  • mm
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    きろく!
  • -
    記録
  • 4.4
    Drive it like you stole it が良かった。 どこにでもいけるし なんにでもなれる。 好きだった言葉を思い出させれもらった
「シング・ストリート 未来へのうた」
のレビュー(55185件)