「全米が泣いた」はもう古い?大人の心をワシづかみする『ファインディング・ドリー』

映画は三度のメシの次に好き

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2003年に大ヒット、社会現象にもなったディズニー・ピクサー作品『ファインディング・ニモはみなさんご存知ですよね。

当時、海の中という特殊な環境をCGアニメーションで表現するというピクサー社の挑戦に度肝を抜かれました。小さな魚が自分の子供を探して大海原を冒険する姿は、子供と一緒に観に来た親たちの涙腺を崩壊させる”大人目線のストーリー”として、長きにわたって愛されている作品です。

そんな名作にこの夏、なんと13年ぶりとなる待望の続編『ファインディング・ドリーが誕生したのです。「続編だし…大したことないんでしょ?」と思ったあなた! 損してますよ! ディズニー×ピクサーの13年間で培った技術の進歩と、温められてきた”ドリー”を中心としたストーリーで、『ファインディング・ニモ』の何十倍ものクオリティで帰ってきました。

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7月16日より公開されて既に話題になっている本作。「実はまだ見れていない」という方に向けて、前作を振り返りながら大人をも魅了するその秘密を紹介していきたいと思います。

「全米が泣いた」かもしれないけど、“泣く”より大事なこととは?

よく聞かれるのが「泣けた?」という質問。そりゃもう「全米が泣いた!」と言いたいところですが、泣いたか泣かなかったかそんなことはどうでも良いのです。感動して泣いたということは結果であって、その過程をよく観てあなたなりの“何か”を感じ取ってみてください。

ピクサーの創立者の一人であるジョン・ラセター氏は、以前ある作品についてこのように言っていました。

例えば家族旅行に行くとします。そこでは、目的地に到着することが”目的”ではありません。向かっている移動途中での出来事家族とのコミュニケーションが一番重要なのです。

ドリーが最終的にどうなったか?よりも、それまでに起こった問題にどのように立ち向かったのか、そこに注目してみてください。

『ファインディング・ニモ』から連れて行ったほうが良い記憶”

『ファインディング・ニモ』を観ていない方や、観たけどちょっと忘れちゃったなぁ?というドリー風の方でもご安心ください。『ファインディング・ドリー』の中には海藻…じゃなくて、回想タイムがたっぷりありますので、暗い海の中に取り残されることにはなりません。ですが、やっぱり1作目の予習をして行ったほうが、より楽しむことができます。

それでは、1作目のあらすじと、記憶として頭にいれておいてほしいポイントを見てみましょう。

『ファインディング・ニモ』のあらすじ

広大な海の中、カクレクマノミマーリンは誤って人間に捕まってしまった息子のニモを探す旅に出る。海の中では個性的な生き物たちがマーリンの手助けをしてくれる。その中でもナンヨウハギドリーはニモの居場所がわかるヒントを持っていたが、忘れんぼうでなかなか情報が引き出せない。二人に幾度となく危険が迫る中、無事にニモを連れて帰ることはできるのか!?

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冒険への出発はそう、突然にやってくる

ニモと暮らしていたマーリンはある日突然、遠い場所へと旅に出るなんて考えてもいなかったでしょう。いつもイソギンチャクの中で安全に暮らしていたはずなのに。

『ファインディング・ドリー』は1作目から1年後のお話です。何気ない一言からドリーは忘れていた“家族との記憶”を思い出します。まだ断片的ですが…。一番驚いたのはドリー自身! すぐにでもその記憶をたどって、もっともっと思い出したい! そう、またまたドリーたちは冒険へと出発することになるのです!

ニモのパパ「マーリン」が神経質な理由

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マーリンはかつて妻と一緒に暮らしており、たくさんの卵も授かって、幸せに暮らしていけると思っていました。しかし、最愛の妻は敵の襲来を受け、卵を命がけで守ったことで、マーリンの元に残ったのはたった一つだけ残った卵、後のニモです。

そんなこともあり、海の中はとても危険だとニモに教えます。シングル・ファーザーとして過保護になる気持ちもわかりますよね。

しかし、ニモはそんな父親に対して、心配のしすぎだと感じます。毎日、あれもダメ!これもダメ!と言われ続け、もっと冒険をしたいのに窮屈な思いです。もっと勉強したいことがたくさんあるのに…。

今作では『ファインディング・ドリー』と名前がついているだけあって、ドリーを探すことになります。ただし大切なニモを危険にさらすことは避けたいマーリン。前作同様に問題に差し掛かると弱腰となってしまいます。しかし今回はマーリンをその都度奮い立たせる“ニモの言葉”が強い味方です。時に子供の言葉は痛いところを突いてきますよね…。

マーリンが冒険に連れて行くことになるドリーとは?

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ニモが連れ去られてから大パニックのマーリン。そこにドーンッと現れるのがドリーです。ニモの行き先の手がかりとなる文字(住所)を見たと言うのです。

ただ、ドリーは見たり聞いたりしたことをすぐに忘れてしまうため、捜査は難航…。マーリンもそんなドリーにイライラし始めます。しかし、ドリーの断片的な記憶と、慎重なマーリンとは真逆の行動力が功を奏し、ニモの居場所へと近づいていくのです。

何気なく観ていると気づかないのですが、そもそもドリーはなぜ文字が読めたのでしょう? さらに、前作では危険が迫った時に“クジラ語”を使っていました。適当に話してるかと思いきや本当に“クジラさぁ~ん”が登場! いったいどこで覚えたのでしょうか?

人間の子供はこわ~い!

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ニモが捕らえられている水槽は、遠く離れたシドニーの歯医者さんでした。しばらく水槽の中で過ごしますが、ニモは歯医者さんの姪っ子“ダーラ”の誕生日プレゼントとして用意されていたのです。歯を大げさすぎる程の矯正器具で固定したダーラは、袋に入ったニモを強くフリフリしたり、大声で叫んだり…子供にとってはおもちゃも同然でした。

今作では“海洋生物研究所”という、水族館のように目の前で海洋生物を見ることができる場所が登場します。そこには前作と比べ物にならないほど、たくさんのキッズたちが待ち構えています。

また、『トイ・ストーリー』や『モンスターズ・インク』などのピクサー作品では、しばしばやんちゃな子供たちが描かれています。愛らしいのですが、時に子供は小さな怪獣に変身しますよね! ちなみに、ダーラちゃんは今作にも実は登場していますよ! よーく目を凝らして見てください。

コンプレックスには前向きな気持ちで負けない!

ニモは生まれつき片方のヒレが小さく、マーリンはいつも心配していました。しかしニモ自身は、その分速くヒレを動かせばちゃんと泳げる!と前向きに考えます。まだ子供ながらとても頼もしいですよね!

ドリーは記憶を長く頭の中に留めておくことができません。でも全く覚えていないわけではないのです。それはドリー自身が努力してなんとか繋ぎ止めているからです。自分では気づいていないようですが…。

そんなコンプレックスを持ったキャラクターが今作ではもっともっと登場します。みんながニモのようにポジティブに向き合えるとは限りません。しかし、一人で悩む必要はありません。誰もが何かしらのコンプレックスを持っているのです。家族・友人がきっと助けてくれることでしょう!

海の中の生物に…なんだか共感しちゃう!

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全て海の中で起きている話のはずが、必ず共感してしまうキャラクターがいませんか? 子供を持つ親としては、マーリンの神経質さがよく分かります。ドリーのような後先考えずにとりあえず行動に起こしちゃうのは、会社のあの人に似てるかも? ニモを助ける水槽の中のキャラクターたちもとてもユニークでしたよね。集団で攻撃してくるカモメは、女子校でよく見る光景のような…。

海の中といえども、まるで自分のまわりで起きていることと重ねてしまいます。生物としての外観は特徴をよく捉えていてリアルに描かれていますが、性格は観る人が必ず共感してしまうようなどこか人間くさい表情を見せます。
もちろん今作でもたくさんのニューキャラクターが登場しますが、前作のキャラクターのことも覚えておくと「あっ!」と気づく場面があるかもしれません。

字幕版でも吹替版でも!どちらもスゴイ!

『ファインディング・ニモ』から引き続き、マーリン役はアルバート・ブルックス、ドリー役はエレン・デジェネレスが担当しています。エレンはBSチャンネル“Dlife”でも『エレンの部屋』が放送されるなど、日本でも有名ですよね。あの早口でいつも楽しそうだけど、記憶に関して不安に思う面も見せるドリーのコロコロと変わる表情を見事に演じきっています。

そして、吹替版でも引き続きマーリン役は木梨憲武、ドリー役を室井滋が演じています。これもまた見事! もうこの二人しか日本版の声は考えられないくらいです。

その他にもゲスト声優が字幕・吹替それぞれ用意されており、あんな人がこんな場面で!?なんてサプライズも! どちらを見てもオリジナルの面白さが待っていますよ!

これで『ファインディング・ニモ』から記憶を持ち出す準備はバッチリですか? ぜひこの夏『ファインディング・ドリー』を観て、大切なことを思い出してみましょう!

ラストシーンでは心に重くのしかかる、素敵な余韻が待っています。その余韻に浸りながら、エンドロール後もちゃんと目を開けてスクリーンに注目していてくださいね!

『ファインディング・ドリー』
7月16日(土) 全国ロードショー
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(C)2016 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

<おまけ>両作観ておくと、もっともっと楽しめる場所

『ファインディング・ニモ』と『ファインディング・ドリー』を観たあなたは、もっと楽しめる場所がありますよ! それは、もちろん“東京ディズニーリゾート”。特に東京ディズニーシーでは2017年春、両作を舞台としたニューアトラクションのオープンも予定されています。

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さらに、ウミガメのクラッシュと実際に話せるという夢のアトラクション“タートル・トーク”はすでにご存知の方も多いと思いますが、こちらも2017年春に『ファインディング・ドリー』のニューキャラクターたちが新たに加わると発表されました。もう、それはサイコーだぜ~!

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オープンまで待ち遠しいですね! それまで両作品をよ~く観て予習をしておきましょう!

ちなみに、最近入ったニュースでは、海洋生物研究所からタコの“ハンク”とドリーが逃げ出してしまったとのこと! 東京ディズニーシーのどこかで目撃談も!?  ぜひ東京ディズニーシーを訪れた際には、ハンクとドリーを探してみては?

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