世界のゲームの歴史の中でRPG(ロールプレイングゲーム)というジャンルのブームを築き上げ、その発展に大きく貢献し、今もなお新しい挑戦に力を注ぐ名作ゲームシリーズ「ファイナルファンタジー」(以下、FF)。今回は絶賛公開中のFFシリーズ映画化最新作『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』の魅力をご紹介します。
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ゲーム最新作「ファイナルファンタジーXV」(9月30日発売)との繋がりと、FFシリーズ映像化の歴史を読み解いていきましょう。
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科学技術が発展し、謀略にも長けるニフルハイム帝国はロボット工学などを駆使した圧倒的な武力で他国の領地を占領していた。
一方、代々魔法の力を重んじるルシス王国は帝国の攻撃を神聖なるクリスタルの力によって辛うじて防いでいた。
激しく長い長い戦争の果てに、帝国はルシス王国に和平協定を願い出る。しかし、王直属の兵士の1人ニックスはその和平協定に嫌な予感を感じ……。
ゲーム本編との繋がりは……?
未見の方の中には今作はゲーム本編とは関係がないと思っている方も多いようですが、実は密接にゲームと関係しているのです。
ゲームの主人公は、ルシス王国の王子ノクティス。彼が帝国との和平協定による停戦の記念のため、帝国支配下のテネブラエ王女ルナフレーナを迎えにいくために王国を離れた後、ルシス王国では何が起きたのか…。
つまり、映画ではゲーム本編の始まりに繋がる序章が展開されているのです。
さらに、王子ノクティスと入れ違いにルシス王国の首都を訪れたルナフレーナが背負うことになった「未来」と「想い」とは!? ゲームをより深く楽しむ上で、間違いなく重要な要素になってきます。
ファイナルファンタジー、映像化の歴史
FFシリーズの映像化を語る上で避けられない作品が、2001年に公開された映画『ファイナルファンタジー』です。この作品は、FFシリーズを作ったゲーム会社スクウェアにとって初となる映画化作品であり、世界初のフル3DCGによるSF映画でした。
しかし、大きな期待とは裏腹に興行成績は芳しくなく100億以上もの損失を記録し、スクウェアは映画から遠ざかることになります。
個人的にこの映画『ファイナルファンタジー』は、SF映像作品としてのクオリティは他に一切劣らぬものだったと思います。事実、本作は2001年度の文化庁メディア芸術祭で審査委員会特別賞を受賞しています。しかしながら、ファンが求める”ファイナルファンタジーらしさ”の薄さが、興行的に失敗した要因だったのではないかと推察します。
2005年、スクウェアがOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション:主に劇場公開やTV放送ではなくレンタルやソフト販売を行う形式)として発売した『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』は世界的なヒットを記録しました。
「ファイナルファンタジーVII」のキャラクターのゲーム本編のその後の苦悩や、トラウマからの離脱、マテリアや召喚獣、そして宿敵セフィロスの登場などFFシリーズファンの心を鷲掴みにする展開や設定が大ヒットの起因となったのです。
そして、『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』も紛れも無くファンの心を鷲掴みにする作品です。魔法や召喚獣、クリスタルなどの登場が「ファイナルファンタジーXV」を事前に調べていないゲーマーでも心惹かれること間違いありません。
見る前に抑えておこう! 重要な用語集
SFやファンタジー作品ではよくあることですが、今作も特有の用語がたくさん登場します。
人名や国名と様々ですが、人によっては「用語が頭に入ってこなくて内容に集中できない」という意見もあると思いますので、基礎的な用語と情報をここで少しご紹介します。これから鑑賞予定の方はぜひ覚えておくことをオススメします。
ニフルハイム帝国
科学技術により軍事が発展している大国。その圧倒的な軍事力で近隣諸国を全て飲み込み、なおも国土の拡充のためルシス王国との戦争を続けている。
武力行使を厭わぬイドラ国王のもと、政略などを一任された宰相(国王の政務の補佐を行う者)のアーデンや軍事のトップであるグラウカ将軍などが脇を固める。
ルシス王国
レギス国王が統治する王国。代々王の家系の人間は魔法の力を所持しており、その魔法の力とクリスタルから発生される魔法障壁によって他国からの侵略を回避してきた歴史を持つ。
しかし、首都インソムニア外の領地から連れてきた人間を兵士として起用して戦地の前線に配置したりと、首都以外を見放す決断を行うレギス国王に対し、郊外の国民からの反発も多い。
王の剣
レギス国王直属の特殊部隊。王から魔法の力を「借りる」ことで魔法を使用できるが、その範囲は国内かつ王が存命中に限られている。
危険な任務に挑むことが多く、それゆえに死亡率が高い。そのため首都外から連れてこられた若者が「王の剣」となることが珍しくない。
テネブラエ
ルシス王国の隣国。自然に溢れ、戦火とは程遠い地だったはずの国。数十年前、レギス国王が家族を連れ訪れた際に、ニフルハイム帝国の襲撃を受けテネブラエは帝国の領地となってしまう。
レギス国王が難を逃れた際、テネブラエの神凪(巫女のような存在)であるルナフレーナを帝国に奪われてしまった。
クリスタル
FFシリーズで重要な意味を持つクリスタル。今作ではルシス王国の首都インソムニアに魔法障壁を張る動力源として登場。
この強大な魔法の力はルシス王国の要と言っても過言ではないもので、今作でもキーポイントとなります。
未来のため、命を賭けて戦う主人公の魅力
『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』の宣伝映像を見て「主人公たちがチャラチャラしすぎてて合わない……」と思った方にも今作はオススメしたい作品です。
今作の主人公は、レギス国王直属の特殊部隊「王の剣」の一兵士のニックス。突如訪れた王国の崩壊の危機と仲間の窮地にその身を賭けて戦います。
とにかく真面目で、とにかく仲間思いのニックス。全てを守ることが無理であると分かっていても、自分の命が果てると分かっていても、たった一人で戦う姿にはチャラチャラした要素が一切ナシの「漢(おとこ)」を感じられる作品なのです!
劇場へ急げ!
いかがでしたか。
初代映画版『ファイナルファンタジー』の優れた映像技術を正統進化させた今作では、凄まじい映像美と迫力を展開されます。
序章を描く作品とは思えないスケール感と主人公ニックスの格好良さ。そして、ゲーム本編のヒロイン・ルナフレーナの「想い」は劇場で見る価値あり! 断言できます!! 劇場上映が終わってしまう前に、是非劇場へ足を運んでみてください!
そして、エンディングロール終了後にはオマケもあります。お見逃しなく!
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※2022年2月27日時点のVOD配信情報です。