【映画ファンが注目】廣木隆一監督最新作。愛と救いを求めた“彼女”たちのロードムービー Netflix映画『彼女』の魅力を解説

漫画家・中村珍氏によって2007年に生み出され、世に衝撃を与えた「羣青(ぐんじょう)」。暴力をふるう夫を殺害させた女と、殺害した女のあてどない旅を描く本作が、このたびNetflix映画『彼女』として実写化された。監督は、『ヴァイブレータ』の廣木隆一水原希子さとうほなみが運命のふたりに扮する。4月15日の配信開始を記念し、愛と救いを求めた二人の逃避行を描いた本作の深奥に迫る。

愛と救済を求めた“彼女”たち

彼女』を一言で表すなら、「ロードムービー」だろう。“殺人”で結ばれたふたりが、愛と救済を求めて各地をさすらう物語だ。高校時代から同級生の篠田七恵(さとうほなみ)に恋をしている永澤レイ(水原希子)は、夫から壮絶なDVを受けている彼女を救うべく、夫を殺害。そして、ふたりの逃避行が始まる――。

旅の中で深まる絆、癒えない哀しみ、そして明かされるレイと七恵の過去――この運命の結末は、どこに向かうのか?「愛」の本質を問う物語に、郷愁を誘う日本の原風景が重なり、心を強く揺さぶられることだろう。

恋愛映画の名手・廣木隆一監督最新作

近年ますます勢いを増すNetflix。日本国内でのオリジナル作品の制作にも積極的だが、2021年の映画部門の幕開けを飾るのが『彼女』だ。「羣青」の発表時より映像化に動いていた映画人は後を絶たなかったというが、攻め切った内容ゆえに困難を極めたという。だがこのたび、Netflixというパートナーと出会い、満を持しての実写映画化が実現した。

監督に指名されたのは、Netflix国内ローンチの際の目玉作品だった『火花』を手掛けた廣木隆一監督。『ヴァイブレータ』や『軽蔑』など、過激な描写もいとわず「愛とは?」を真摯に見つめた力作を作り上げてきた廣木監督がポテンシャルを満遍なく発揮しつつ、久々のロードムービーに挑んだ。

<水原希子×さとうほなみ>撮影を通して“戦友”になったふたり

制作陣の想いを一身に受け、すさまじいほどの熱演を見せるのは、『あのこは貴族』で新たな魅力を開花させた水原希子、そして音楽バンド「ゲスの極み乙女。」のほな・いこかとしても知られ、『窮鼠はチーズの夢を見る』にも出演したさとうほなみ。

本作が映画初主演となるふたりが、身も心も痛いほどにさらけ出し、正真正銘「役を生きる」濃密な佇まいを披露している。自分たちで演技プランを立て、深く役柄と結びついた水原とさとうは「二度とないだろうな、というくらいの経験だった」「撮影期間は外部を全部遮断して、役として生きていた」と振り返っており、今作を通してお互いを「戦友」と呼ぶほどに仲を深めた。

演技の域を凌駕する“生きざま”をぜひ、目に焼き付けていただきたい。

◆『彼女』 information

あらすじ:裕福な家庭に生まれ育ち、何不自由ない生活を送ってきたレイ(水原希子)はある日、高校時代に思いを寄せていた七恵(さとうほなみ)から連絡を受け、10年ぶりの再会を果たす。しかし喜びも束の間、夫からのDVで全身あざだらけな姿を目の当たりにし愕然とする。追い詰められ死を口にする七恵に「それならば夫が消えるべきだ」と諭すレイ。そして「だったら殺してくれる?」と呟く七恵。彼女が生きるためにレイは、七恵の夫を殺す。そして行くあても、戻る場所もないふたりは共に逃避行に出る……。
上映時間:142分
公開日:2021年4月15日、Netflixにて全世界同時独占配信
公式サイト:https://www.netflix.com/title/81261676

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