第74回ゴールデン・グローブ賞史上最多の7部門受賞、そして2017年2月26日(日本時間27日)開催される第89回アカデミー賞では最多14ノミネートと、数々の記録を打ち立て映画史をも変えてしまう勢いのある映画『ラ・ラ・ランド』。
そんなアカデミー賞ノミネーション発表直後の1月27日に、なんと本作の監督デイミアン・チャゼルと主演のライアン・ゴズリングが来日し、都内にて記者会見を行いました。
2人はモノトーンのカジュアルスタイルな装いで揃って入場。デイミアン監督は初めて、ライアンは2度目の来日となります。2人とも日本に特別な思いを持っていて、特にライアンは「日本の方はとてもロマンチックでミュージカル好きと聞いているので、この作品のプロモーションで日本に来れて嬉しいです」と喜びの表情。
アカデミー賞ノミネーション発表時にもライアンと一緒にいたというデイミアン監督は最多14ノミネートについて「まだ驚きが抜けきれていません」と、笑顔で答えました。
また「この映画はチームで作り上げたもので、それぞれの限界を突破して挑みました。たくさんの関係者がノミネートされ、個人ではなくチームとして認められたのです。」と感無量の様子でした。
たくさんの人たちが夢中になっている『ラ・ラ・ランド』の世界観について、どのようにビジョンを作り上げたのかという質問に対し、デイミアン監督は「長い時間をかけてこの映画を作るにあたり、カギとなったのはライアンに出会ったこと」だと感謝を告げました。
さらにライアンに対し「なんでもできる人!映画の知識もあれば、ミュージカルや音楽についても情熱を持っています。この映画に必要な素質は全部持ち合わせている素晴らしい役者です。」とベタ褒め!
映画が大ヒットしたことに対して、デイミアン監督はその要因を「ミュージカルならではの楽観的さや高揚感を感じたと同時に、叶う夢もあれば叶わない夢もあるんだという、現実的なストーリーがあったからこそ、それが多くの人々の胸を打ったののではないのか。ミュージカルとしての幻想的な部分とリアルな部分の組み合わせに対して、私たちが思っていた以上に観客の方は楽しんでくれたのでは?」とコメント。
「あまりノスタルジックにしすぎず、皆が共感できるようにどこまで現実的にするのか。そこにさらにファンタジーの世界をプラスして、全てをどうやってバランスよく取るのか? とっても挑戦的なことだった」とこの作品を生み出すまでの想いと奮闘について語りました。
作品の中には、様々な映画のオマージュが散りばめられ、映画・ミュージカルファンの間で話題になっていることに対してデイミアン監督は「もしかしたら気づかないうちに、鈴木清順監督の『東京流れ者』のワイドで撮影するシーンやポップアート風の色使いなどからも影響を受けているかもしれない」と答えました。
また、『ラ・ラ・ランド』のレコーディングは、『オズの魔法使』や『雨に唄えば』で実際に使用された場所と同じところで行ったとのことで、「ハリウッドの素晴らしいミュージカルのレコーディングをされたところで、自分たちもレコーディングできたことは素晴らしい贈り物だと思っています」と述べました。
デイミアン監督が「愛を込めて作った!」という『ラ・ラ・ランド』は、2月24日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほかロードショー。公開直後のアカデミー賞結果発表でも、きっと世界中を驚かせてくれることでしょう!
(C)2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND.Photo courtesy of Lionsgate.
配給:ギャガ/ポニーキャニオン
(取材・文 ・撮影 / もい)