ジョニー・トーの“右腕”が手掛けるシュール過ぎる世界『新世紀Mr.Boo!』

Why So Serious ?

侍功夫

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『ザ・ミッション 非情の掟』や『エグザイル/絆』など、悪党同士の熱い友情を描いた作品で人気の高い、香港ノワールの旗手ジョニー・トーですが、フィルモグラフィには一筋縄ではいかない奇妙な作品も多くあります。

美男子アンディ・ラウにデブな肉襦袢を着せて恋愛模様を描く『ダイエット・ラブ』、はたまたアンディ・ラウにマッチョな肉襦袢を着せて仏教的なカルマを描く『マッスル・モンク』などです。それら奇妙な作品に共同監督として名を連ねているのがワイ・カーファイです。

ワイ・カーファイの不思議な世界

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ワイ・カーファイはジョニー・トーと共に銀河映像を立ち上げ、主に脚本家として多くの映画賞も受賞している名匠ですが、その作風は地球上に存在する習慣や常識とは違った理(ことわり)を何の説明も無しに突き付ける「奇妙」としか言い様が無いものです。

そのワイ・カーファイが単独で監督にあたった『新世紀Mr. Boo! ホイさま カミさま ホトケさま』。そもそもの成り立ちは2000年代初頭にアジア各国を襲ったSARS危機に対し、香港映画界からの応援メッセージとして企画された短編集『1:99』の一編からです。

ジョニー・トーとワイ・カーファイが共同監督にあたり、ラウ・チンワンがMr. Booことマイケル・ホイの完コピをした短編作品『狂想曲』。その完コピぶりのあまりの出来の良さから、同じコンセプトの長編として作られたのが本作です。

過去の様々なMr. Boo作品の名場面をラウ・チンワンが生き映しのごとく演じる様子は抱腹絶倒必須の完成度です。さらにワイ・カーファイらしく魔法少女にお箸の姉妹、恐竜の恋人までが入り乱れる高橋留美子的ナンセンス・ギャグが混入されます。作品はくだらなさを主成分とした混沌を極めます。

“吹き替え音声”も魅力!広川太一郎のダジャレマシンガン

加えて、本作の魅力は吹き替え音声にもあります。過去、Mr. Booシリーズのテレビ放映の際にマイケル・ホイを吹き替えた広川太一郎が、本作ラウ・チンワン版Mr. Booも担当しています。

広川はダンディでハンサムな俳優の吹き替えを担当していましたが、モンティ・パイソンシリーズでのエリック・アイドルなど、コメディ映画の軽妙なトーンでも有名です。特にMr. Booシリーズでは劇中マイケル・ホイが喋っていようとなかろうと、延々とダジャレを言い続けるのが名物でした。そんなダジャレ・オーバードライブが本作でも炸裂しているのです。

ワイ・カーファイ、ラウ・チンワン、広川太一郎。3人の魅力が詰まった日本版ソフトでの観賞がおススメです。
おススメ、そこのけ、スズメが通る。とかなんとか言っちゃったりなんかしてぇ!

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  • ラマヌジャン
    3.4
    コメディー要素はあるけどちょっと減っちゃった。最初誰がマイケルホイか分からなかった。
  • agira
    4.3
    久々見返すとギャグが後々伏線的に効いてて感心しちゃたりなんかしたりして。
  • 付箋
    3.5
    再鑑賞
  • カルアミルク
    4
    “新Mr.BOO”と銘打ってた割には、いつも通りのシリーズと変わらずで却って安心した(笑) ただし今作では、どケチで自分勝手なマイケルや二枚目のサミュエルよりも大人しい三枚目のイメージのリッキーにスポットが当てられてるのが新鮮だった。 例えるなら、福星シリーズとかでサモハンとジャッキーが出てるのに、敢えてユンピョウを中心にした感じ。 そういう意味では、あながち“新”と付けたのも間違いではないかも。 ただ、その分リッキーのドラマパートが難民の女の子とのラブストーリーというベタな展開になったのは惜しい。 船上パーティーでマイケルとリッキーが料理にありつくシーンは、やはりこっちより吹替版の方が文句無しに笑えるな。 『この味噌がね〜』
  • サボボン
    4
    2022年132本目 ホイ兄弟の人気シリーズ「Mr.Boo」(といっても、日本独自のタイトルですが😅) 「燃えよデブゴン」に続き、またしても古き良き香港映画って感じでしたが、 なんだか全員集合を観ているようなコント感で、とても面白かったです🤣 このMr.Booシリーズでは、なぜかリッキー・ホイはかわいく見えてしまう…😏笑 ちなみに、完全にタイトルだけで選びました😂笑
新Mr.Boo!アヒルの警備保障
のレビュー(402件)