※上記画像著者作成
Netflixとは、映画・ドラマ・アニメ等の映像コンテンツをストリーミング再生をして楽しむ事のできるサービス。つまり、まあ控えめに表現して神です。
何故、神なのか。四六時中Netflixから目が離せない、廃人の一歩手前まで来てしまった私が思うに、それは取り扱い作品の充実度だけでなく、配信コンテンツが非常に質の高いものだからなのです。
どのサービスにも、そこに加入しなければ他で見ることのできないコンテンツを用意しているはず。その中でも、ユニークなテーマを扱ったドラマ作品・覗いてみたかった真実の世界を映すドキュメンタリー・日本で見ることがあまりできない海外芸人のスタンドアップコメディなど……こういったNetflixオリジナルコンテンツの充実度、そして質の高さには圧倒されるばかりです。
そんなオリジナルコンテンツの中でも、今特に目が離せない注目株が10代の青春を描くNetflixオリジナルドラマ『13の理由』。私は続きが気になって2日で一気観してしまいました……。そんな映画好きもハマること間違いない、Twitterを中心に話題沸騰中のドラマをご紹介します。
歌手として活躍するセレーナ・ゴメスが製作総指揮として参加
ディズニーチャンネル出身であるセレーナ・ゴメスは、ティーンからの支持が非常に高い女優でありアーティストです。もともと『13の理由』の原作のファンである事を明かしています。今やすっかりお姉さんになったセレーナですが、彼女もまたヤングセレブであったがために過酷な10代を過ごしてきました。昨年も、精神の健康を取り戻すためにリハビリ施設に入所するなどしています。そんな彼女であるからこそ、今作を手がける事が非常に意味深いのです。
心優しく美しいクラスのあの娘が、ある日突然この世から消えた
このドラマの主人公は、決して派手なグループに属してはいないものの、いじめられているわけでもない男の子。彼には秘かに想いを寄せる女の子がいました。しかし、彼女はある日突然自殺をしてしまったのです
そして彼女が亡くなってから数週間後、主人公の元に小包が届く。その中には、彼女が生前録音したテープが入っていたんですね。テープには両面に1~13の数字が書かれています。その13面におよぶテープで、彼女は誰にも知られていなかった自殺の原因を語っていくのです。
13のテープと、それを聞く残された者たち
「私の人生について話すわ。厳密にはなんで私の人生が終わったかなんだけどね。」
「このテープを聴くあなたもその理由の一つよ」
さて、そのテープにはあるルールがありました。まず、そのテープを聴くものは13のテープの中に登場する人物のみ。全てのテープを聞き終わったら、自分のエピソードの後に登場する人物に渡していくのです。このルールを破れば、彼女が信用するある人物の持つテープのコピーが世間に公表されるという仕組み。
テープを受け取った主人公はそれを聞きながら彼女の身に起きた知られざる出来事の数々に驚き、同封されていたマップを手にして生前の彼女の足跡を辿ります。「自分も彼女の自殺の原因であるのか」全く見当もつかず、聴き進んでいく事を恐れる主人公。実は、この「いつの間に、一体自分が何をしたのか」という悩みを全般に渡り描いていくストーリーこそ、このドラマの核となっているのです。
誰もが誰かの言動に悩み傷つき、悩ませ傷つけている
いじめのきっかけは非常に些細なことかもしれません。しかし、当事者にとってはその些細なことこそが、重大な問題です。また、ネットがある現代のいじめは、学校にいる間だけでなく下校をした後も、休まることなく存在しています。
今作では、そのようないじめを受ける側であるハンナの心情が繊細に、そして丁寧に描かれています。さらに、被害者である彼女だけではなく、彼女をいじめている側の人物にも焦点が当てられている点がこのドラマの優れている点です。
いじめようとして、いじめている人だけでなく、結果的にいじめを行ってしまった子たちには何かしら問題があり、それに悩み苦しんでいくという構図が、より一層現代社会の闇を描いています。
そして何より、主人公も含め彼らが所謂“スクールカーストのどこか”に完全に所属しているわけではないことにも注目。もともとハンナの友人だった内気なオルタナ系少年アレックスは、ある事をきっかけに自分の力でスポーツ系チームの仲間になりますが、その後彼がイケイケになったかというと別にそういうわけでもない。従来ならガリ勉と形容されて特にスポーツ系から疎まれそうなコートニーちゃんも、学園の人気者だったりとか。あの典型的な“学園ものあるある”は、今の時代の学園にはもはや存在しない。その辺もリアルだからこそ、より登場人物の内の誰かに自己投影して共感できるんだと思います。
シーズン2は来年配信予定!
さて、なんとシーズン2が2018年配信予定と発表されました。シーズン1と同じ13話構成となっている事が明かされています。
話題にはなっているものの、題材が題材であるため、あまり観る気になれなかった方もいるかもしれません。確かに、今作には自殺やそれ以外の残酷な描写も存在します。実際に起きているそれを目撃するような感覚になるほど、非常にリアルに描かれています。しかし、よりリアルに描く事によって同じような経験のある人々たちの苦しみや悲しみを代弁し、心に寄りどころになっていることも確か。私はこういった社会派というか、問題にひるまず向き合って行く作品を生み出すクリエイターが今の時代に非常に貴重かつ必要な存在だと考えています。
このドラマで描かれていることは今日も知らないうちに、世界中で起きているであろう出来事。私たちは今、このドラマを確と観ておくべきではないでしょうか。
Netflixオリジナルドラマ『13の理由』独占配信中。