萩原利久×JUNON、80年代の任侠の世界『RYUJI 竜二』で生きて――「血を超えた人と人のつながりや信頼に、憧れる」【単独インタビュー】

映画のインタビュー&取材漬けの日々是幸也

赤山恭子

映画『RYUJI 竜二』萩原利久×JUNON 単独インタビュー

1983年に公開され、大ヒットを記録したヤクザ映画『竜二』。伝説の作品が43年のときを経て、『RYUJI 竜二』として新たによみがえった。タイトルロールの竜二を演じるのは、柳楽優弥。そんな竜二を「兄貴!」と慕う舎弟コンビ・直&ひろしを演じたのが萩原利久とJUNON(BE:FIRST)だ。竜二・直・ひろしは家族のようにともに過ごしていたが、竜二の恋人・まり子(川栄李奈)の妊娠を機に、竜二が堅気になる決意を固める。直とひろしも共に足抜けさせようとするも組には聞き入れられず、竜二は一人で堅気として歩み出す。それを機に、三人の道が違っていく。

80年代の新宿・歌舞伎町を舞台にした任侠の物語。これまでの萩原のイメージにないヤクザ、さらには舎弟という役どころについて、萩原は「俳優をやっている以上、ある意味、フィクションや映画の世界だから許される役というのは、いつかチャレンジしたいし、やりたいなと思っていたんです。『RYUJI 竜二』のようなヤクザ映画もその中の一つでした。僕の演じた直は思ったことを何でも口に出すタイプで、エネルギッシュ。自分自身があまりやったことのない役で、やりがいは非常にありましたし、すごく新鮮でした」と振り返った。危うさとすごみの両方を体現した萩原の演技が印象的で、非常にハマっていたことを伝えると、「本当ですか!うれしいです。正直、主観でそれ(ハマっているか)をジャッジするのは難しいので、客観的に言っていただくのが一番うれしいんです」と破顔した。

一方、ひろしを演じたJUNONは、本作が2作目の映画出演となる。1作目の『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』では無口で喧嘩の強い杉下を好演したのも記憶に新しいが、『RYUJI 竜二』では竜二を心から尊敬し、裏社会で成り上がっていくひろしという人物を、地に足のついた丁寧な演技で魅せてくれた。JUNONは言う。「最初、オファーに驚きはありましたけれど、やってみたい系統の役だったので素直にうれしかったです。『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』よりも、やられるというか食らうアクションが多かったので、アクション面でもまた違った難しさがありました」と手ごたえも語る。アクションにおいて、やるほう・やられるほうはどちらが好きかと尋ねると、しばし考えこんだ後、「やる側……(笑)」と、無邪気に答えてくれた。

萩原&JUNONは本作にて初共演。映画の現場にまだ不慣れなところがあったと話すJUNONにとって、萩原の存在は心強く「ずっと頼りにしていました」と表現する。「直は、ひろしに一番近い存在の役だったので、ずっと直を見ながら、感じながら、合わせることをしていました」と、萩原の立ち居振る舞いから演じるヒントを得ていたそう。その言葉を受けた萩原は「そんなにありがたいことを言ってくれて~!」とリアクションしつつ、JUNONの演技について熱心に語ってくれた。

「映画2作目で、本人は“緊張している”とは言っていたのですが、はたから見たら全然わからないぐらい堂々としていました。自分の2作目と比べたら……本当に、比じゃないくらい。普段、アーティストとしていろいろな経験をしていることが、演技をするにもふんだんに生きているんじゃないかな、と一緒にいてすごく思いました。新しいもの、やったことのないジャンルに挑戦するのは、プレッシャーもあると思うんです。けど、そういったものを吹き飛ばしているように見えたので。すごい表現者だなと、横にいながら思っていました」。余談ではあるが、本作で仲良くなった萩原はBE:FIRSTのライブにも訪れたそうで、「アーティストのときは、ステージモードでかっこいい!すごい!これが二面性か、とまざまざと思わされました(笑)」と感想を伝えると、JUNONは照れたのかくしゃっとした笑みを向けていた。

取材中も、「利久」、「JUNON」と親し気に呼び合う二人。距離が近づいたタイミングは、いつだったのだろう?萩原が「共通の趣味があったので、仲良くなるのがすごく早かったんです。お互いにサッカーが好きで、ちょうどシーズン中だったのもあって。サッカーの話を始めた後からは、日報のように毎朝、お互いの(好きなチームの)試合のことを送り合ったり。“昨日、お疲れ”みたいな(笑)。変に気を遣い合うこともなく、入っていけました」と言うと、JUNONもすかさず「僕、利久のサッカーコミュニティに入れてもらったんです」と、うれしそうに笑顔を広げる。

「利久のサッカー友達のグループがあって、そこに入れてもらいました。本当によくサッカーの話をしていて(笑)」とJUNONがさらなるエピソードトークを始めると、萩原が「普通のサッカーをやっている一般の友達のグループに、前情報を入れずいきなりJUNONを追加したんだよね!笑」と説明。JUNONは「サッカーのこともありますし、うちの(BE:FIRSTの)メンバーと利久がもともと知り合いだったりもして、共通の話題が多かったんです。僕はもともと結構な人見知りですけど、早いうちからコミュニケーションを取ってくれて話せたので、本当によかったなと思っています」と、直・ひろしさながらの距離感の近さを感じさせてくれた。

本作では竜二・直・ひろしという血のつながりがない者同士が、家族のようになっていく様子が描かれていく。竜二と直&ひろしという師弟愛、さらには時に方向性でぶつかりながらも、お互いを見捨てることなどできない直&ひろしの兄弟のような愛に、胸が熱くなる。物語の舞台となった80年代、さらにはヤクザという世界ならではの契り合いについて、令和に生きるうら若き20代の萩原&JUNONは、その関係性をどう見ていたのだろう?

「言葉にすると、共感とも、わからないとも違うんです。どちらかと言うと、あの3人の関係性は“憧れ”のほうが、僕は強かったかもしれないです。自分の現実世界に、直やひろしくらいのものがあるかと言われると、やっぱりあそこまではなかなかないので。けど、そういう血を超えた人と人のつながりや信頼という人間関係に、憧れる部分はあるんです。職業のこともあるけれど、ある種、命を預けるくらいの信頼関係のある人が周りにいるって、どんな感じなんだろうなと、演じている間も考えていたりしました」(萩原)

「僕はもともと上下関係みたいなものが、苦手なんです。芸能の世界に入る前まで、自分の周りには先輩や後輩もいなくて、あまり気にしない環境で生きてきたのもあると思うんですが。だからこそ…というか、『RYUJI 竜二』の世界の距離感に僕も憧れがありました。竜二さんのように、本当に信頼できる兄貴のような存在がいることが羨ましいなあ、と思います」(JUNON)

JUNONが話すように、直とひろしにとって竜二は「本当に信頼できる兄貴のような存在」で、彼らにとっての光でもある。竜二についていく直とひろしだが、実際、萩原とJUNONなら、どんな人物にだったらその身を預けてついていきたいと感じるのだろうか。

この質問をぶつけると、それまで饒舌に答えていた萩原が「うーん…!」と首をひねり「どんな人なんですかね…!?」と思案する。「現代を生きていて、特定の一人からすべてを享受することは、あるようでないのかなと思うんです。僕自身、十何年この世界で生きていますけれど、本当に様々な先輩や仲間、また現場から、いろいろなところから吸収させていただいているんです。だから、なかなか“一人の誰か”を挙げるのがすごく難しくて…。逆に何があったらそこまで自分が背中を追えるのかなと思うので、リアルに当てはめるのが本当に難しい!」と逡巡。横で「うん、うん」とうなずいて聞いていたJUNONは、「利久の今の話、本当にそうだなと思う」と同感する。

それでも、JUNONにとっては「ついていきたい」と思える唯一無二の存在がいると挙げてくれた。「この世界に入って、ついていこうと思ってついていっている人は、SKY-HIさんです。事務所の社長であり、先輩アーティストであり、もともと自分が好きだったアーティストでもあり。SKY-HIさん自身がグループ活動をやってきた経験から、やる必要のあるものをセレクトして、僕たちを導いてくれているんです。今、僕らは5年目なんですが、だからこそこうやって5年間、スタジアムでライブできるまでにさせてもらえたと思っています。感謝がありますし、とにかくリスペクトをしていますし、ついていきたいと思っています」。

血のつながりを超えた信頼を描く映画『RYUJI 竜二』。その世界に憧れを抱きながら、萩原とJUNONはそれぞれの現実の中で、人とのつながりを丁寧に育んでいる。

(取材・文/赤山恭子、写真/映美)

映画『竜二 RYUJI』は、10月30日(金)より全国公開

出演:柳楽優弥、川栄李奈、萩原利久、JUNON
監督:水田伸生
脚本:冨岡淳広
原作:金子正次
公式HP:https://www.culture-pub.jp/ryuji_movie/
(c)2026「RYUJI」製作委員会

※2026年10月21日時点の情報です。

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