なぜか目が離せない…名だたる監督たちから寵愛される俳優アダム・ドライバーの魅力

映画と現実を行ったり来たり

ne22co

2015年公開『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で重要な新キャラクター、カイロ・レン役を演じたことで注目され、世界的スターに躍り出たアダム・ドライバー

AD

彼は2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロを機に、アメリカ海兵隊に入隊。怪我で除隊後、俳優を目指して名門ジュリアード音楽院に入学。そこで演劇を学び、小さな舞台やアメリカホームドラマ「GIRLS/ガールズ」出演を経て、映画業界へ進出を果たしたという異例の経歴の持ち主です。

映画俳優デビュー後はインデペンデント作品、ハリウッド超大作に関わらず、様々な役柄でその印象的な存在感を発揮し、マーティン・スコセッシ、コーエン兄弟、ノア・バームバックジム・ジャームッシュなど多くの名匠たちから寵愛を受ける、今最も旬な俳優の一人となりました。

今後も『スターウォーズ/最後のジェダイ』をはじめ、出演作品が続々と待機中です。

そんな彼が、過去に出演した作品から、間もなく公開の主演作品まで、アダム・ドライバーの魅力が溢れる演技がスパイスとして効いたオススメ作品をご紹介します。

アダム・ドライバーの作品に対するスパイス度を筆者独断で「AD度」として表記していますので参考にしてみてくださいね。

崖っぷち女子は共感度120%! 題名に隠された仕掛けに思わず笑顔が溢れる『フランシス・ハ』

【AD度☆☆】

近年、『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』や『20センチュリー・ウーマン』で女優として、また脚本家としても活躍の幅を拡げつつあるグレタ・ガーウィグ主演を務めたフランシス・ハ』。(ノア・バームバック監督)

パターソン

27歳、恋も仕事もうまく行かず人生宙ぶらりんのフランシスが、夢と現実の狭間で奮闘する物語です。

アダム・ドライバーはフランシスの友達レヴィ役で登場。スタイリッシュな出で立ちに、女性の心をくすぐる優しさをみせる、いわゆるモテ男子を演じています。

モノクロームの画面、スタイリッシュな音楽、所々にちりばめられたユーモア……自由で情熱的、まるでモダンダンスを踊るように生きるフランシスの姿に愛おしさが溢れ、元気がもらえる作品です。

猫好きにもオススメ。観れば観るほど味が出るスルメ映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名も無き男の歌』

【AD度☆☆☆】

コーエン兄弟監督、オスカー・アイザック主演のインサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌ボブ・ディランが憧れたという実在のフォークシンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクをモデルに描いた物語で、カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞作品です。

ルーウィンデイヴィス

ニューヨークを舞台に活動するシンガー・ソングライターのルーウィン・デイヴィスは、素晴らしい才能を持ちながらも歌手として売れず、その日暮らしで生きています。居候中に知人の猫が逃げてしまった事をきっかけに、彼のとことんついていない1週間が始まります。

作中、デイヴィスがコロンビア社でレコーディングに参加した際、同じグループでコーラスをするメンバーのアル・コーディー役を演じたアダム・ドライバー。出演自体は数分間なのですが、とてもインパクトのあるコーラス役として低音の美声を披露しています。

彼らが歌う「Please Mr. Kennedy」は思わず吹き出してしまうようなリズムと歌詞で何度も聴きたくなってしまうはず。

他にもコーエン兄弟ならではのユーモアとこだわりが光る本作。劇中のルーウィン・デイヴィスの演奏シーンがアフレコではなくライブ撮影されており、音楽好きの人にもたまらない作品となっています。

人間の強さと弱さ、信仰とは何かを真っ向から問いかける。『沈黙ーサイレンスー』

【AD度☆☆☆☆】

昨年公開し、日本でも大きな話題となった遠藤周作原作、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙ーサイレンスー』。

沈黙

江戸初期の幕府によるキリシタン弾圧を描いた本作。日本で捕らえられ棄教したとされる宣教師フェレイラを追い、長崎へ潜入した若い二人の宣教師ロドリゴとガルペ。彼らは当時の幕府による想像を絶する厳しいキリシタン弾圧を目の当たりにしながら、それぞれが信じる信仰と自分自身の在り方を問い続けます。

アダム・ドライバーはイエズス会の若き宣教師ガルペ役を熱演。本作の為に23kg減量し、78日間に及んだ撮影は精神的にも肉体的にも大変過酷だったそうです。

文字通り心も身体もこの作品に捧げたアダム・ドライバー。やせ細りぼろぼろになったガルペが最後に選んだ決断のラストシーンには心が震えるはず!!

ジム・ジャームッシュ監督4年ぶりの新作『パターソン』

【AD度☆☆☆☆☆】

現在絶賛公開中の『パターソン』。

フランシス

本作で主演を務めるアダム・ドライバー。アメリカのパターソン市でバスの運転手をしながら、詩人として日々を過ごすどこにでもいるような一人の男性、パターソン役を演じています。

毎日同じ時間に目を覚まし、妻にキスをし、歩いて職場へ向かいます。黙々と仕事をこなし、帰宅後は妻の手料理を食べ、愛犬と散歩をし、近所のバーで1杯のビールを飲む。そんな彼の繰り返しの1週間を描いた作品です。

詩人である彼の生活は単調なようでいて、毎日が少しずつ違います。日常の中に見え隠れする詩的でキラキラとした美しさや愛しさを拾い上げて詩を紡ぎ、毎日に満足しながら丁寧に日々を生きるパターソンの姿は、日々をせわしなく生きる私達に、立ち止まって自分自身の生き方を考えたり感じるきっかけをを与えてくれることでしょう。

ジム・ジャームッシュ監督ならではの、穏やかでありながら洗練された画面1シーン1シーンに癒される本作。劇中、画面上に挿入されるアダム・ドライバー直筆によるウィリアム・カーロス・ウィリアムズの詩のフレーズもそれぞれのシーンに彩りを添えています。

パターソン市のパターソン役というキャラクター設定は監督が以前パターソン市を訪れた際に思いついたアイデアから決まったそうですが、アダム・ドライバーが運転手(ドライバー)役なのは偶然だそうです。(とはいつつもジャームッシュ監督の遊び心では……と思ってしまいますよね。)

ぜひアダム・ドライバーの魅力に注目してそれぞれの作品を楽しんでくださいね!

【あわせて読みたい】
 何気ない日常が、最も美しい。ジム・ジャームッシュ監督最新作『パターソン』に絶賛の声
 『スパイダーマン ホームカミング』で大注目のトム・ホランド、あの肉体美の秘密が明らかに!
 『ハクソー・リッジ』アンドリュー・ガーフィールド、殺人犯からスーパーヒーローまで演じきる過去作に注目!
 史上最強のプリンセス!全世界の老若男女をとりこにする『ワンダーウーマン』の魅力をおさらい
 誰もがぶつかり、乗り越えたあの青春。こんな時代だからこそ「声」に力をこめて『きみの声をとどけたい』

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS
  • ゆうり
    4
    何も考えたくない時に丁度良い映画!この街全体が、その毎日が、一瞬が、詩になる(わーめっちゃキャッチコピーっぽい)。 アダムドライバーを通して「平凡」を考える(考えるんかい) 普通とか平凡とかいう言葉を最近あまり使いたくない。他人なんて全員自分とは変わってるのに何の基準で平均値を決めているのか。そして経験上人は「普通だね」と言われるのをありがとうと返しつつ嫌がる。「変だね」と言うと何でよ〜と笑いつつ悪い気持ちはしない、なんなら少し誇らしい。そりゃ普通だと言うのは表面だけ見て面白みのない人生だとか個性がないと馬鹿にしてるみたいだし、逆に変というのも、褒めてるつもりでも自分からしたら異質に思えることを笑いの種にしてしまってることが上から目線じゃないかとかそれなら向こうからしたらお前も変だよって感じよねと思ったりゴチャゴチャ考えてしまうのであまり使いたくない(アホだから忘れて使っちゃうけど)。けどボーッとパターソンを観るとアダムドライバーは世界一平凡な夫役が似合うなーって思うし、奥さんは風変わりな人だと思うのだ(お二人共とっても素敵な人です)。ということは「平凡」にも基準があるのかなあ。パターソンの1日は起きて奥さんにキスしてバスの運転手の仕事して周りの人間のちょっと面白い話を聞きながらジワったりして行きつけのバーで一杯飲んで帰って寝る。空白の部分は天真爛漫で芸術肌な奥さんの予想外な行動や味のある愛犬で彩られる。彼の1週間を覗くと平凡というのは毎日同じルーティンがありつつも無機質すぎない日々の変化があること、幸せや悲しみが大きすぎも小さすぎもしないこと、生活には困らないが少し高い物を買うのは躊躇うくらいの財力、そして1日を奪われない程度の趣味があることだと仮定できる。この絶妙なさじ加減はパターソン1人では成立せずに奥さんのキラキラした魔法や街の住人のどうでもいいけど楽しいお話、ちょっとビックリさせられる事件があってのものだ。そして奥さんや他のユニークな住人からしたらパターソンは無口で少し無愛想な、でも内に詩への熱い想いが秘められていて、振り回されるのも構わない優しさ、押し付けがましくない正義感のある特別な人間であるはずだ。そうすると、一人一人は須らく変だが、その人達の日常が交わることでパターソンという街全体が平凡なものになっているのか。街同士で比べると、パターソンは大都会ニューヨークからしたらいわゆる平凡な幸せという類稀なる才能を持った街に見えるだろうし、ドラマチックに見えるニューヨークに住んでる人だって毎日生きて動いているという点で平凡だ。だから(?)地球全体も個人個人も皆平凡と変、非凡は表裏一体になっていて、結局平凡とか普通とか変とかいうのは定義できるものじゃないし、でも皆見えない平凡な幸せとか普通じゃない人生とかを必死で追い求め憧れてるわけで、その漠然とした願望にゴールはないんだから無駄じゃんと思いつつ、でも1番無駄なのは今私が書いてるこの文章と時間だし、、あ、そういえば無駄とか実利的とかいうのもまた表裏一体で定義できるものではないよね、楽しいことや美しいものは無駄で出来てるし、楽しいことや美しいものは我々の精神衛生上無駄じゃないし、人間や地球はとても大切で持続可能な社会にしていかなきゃいけないし、けれど人間や地球の存在意義は特に答えが無くてそれを考えることも無駄だし結果全部消えてしまっても問題ない&省エネだね。でも今書いたことを全部無視して私は普通とか平凡とか非凡とか変とか無駄とか役立つとか言うしやりたいことをやるしやりたいことをし続けられるように少し未来を考えるし考えない時もあるでしょう、、人間は忘れん坊なところが可愛いよね、、 あとは詩を書ける人間、絵を描ける人間(才能もだけど、それを結果物として残して他人に披露できる性質)とても羨ましいなと思ってパターソン夫妻を見ていたんだけど、その話はまた今度考えよ〜
  • カノン
    2.7
    ちなむと私はマッチで部屋燃えかけた
  • ふなおき
    3.7
    何気ない日常を描いた作品。 日々に感謝する必要があると感じた。
  • タペストリー
    -
    おいらには良さがまだわかんなかったなぁ
  • 3.5
    常人が見過ごしてしまうような日常の断片を切り取る美しい詩。心豊か、平凡な美しさ。森羅万象分かち合えるパートナーとこういう生活送りたい。 パターソン、日常が発見や感動で溢れているんだろうな。私も感性を磨かねば。
パターソン
のレビュー(39386件)