2022年、早くも映画ファンの心を揺さぶる「感動」と「見ごたえ」を兼ね備えた力作がやってくる――。人気漫画を有村架純主演、『あゝ、荒野』の岸善幸監督で実写映画化した『前科者』(1月28日公開)。前科者たちの更生と社会復帰を見守る“保護司”をテーマにした本作は、観る者を引き込む没入感にあふれたヒューマンドラマ。必ずや「語りたくなる」本作の魅力を、3つのポイントで解説する!
【極上のストーリー】緊迫の展開に魅了され、切ない真実に心震える!
『前科者』の大きな魅力は、サスペンス×ミステリー×ヒューマンドラマがいずれも高い完成度で“全部入り”していること。社会復帰を目指す元・殺人犯の工藤(森田剛)が忽然と失踪。時を同じくして連続殺傷事件が発生し、彼は容疑者にされてしまう……。工藤の担当である保護司の阿川(有村架純)を通して、衝撃的な真相に迫っていく波乱の展開で観る者をぐいぐいと引っ張り、阿川の過去を絡めながら「罪人の再起」という深遠なテーマを掘り下げ、その果てには感動的なドラマが待ち受ける――。1本の作品の中に、娯楽性と社会性が絶妙な配分でブレンドされており、観る者の予備知識の有無に関係なく満足させてくれるのだ。
さらに、阿川の心強い味方・みどり(石橋静河)など、映画の3年前を描いたWOWOWドラマ『前科者 新米保護司・阿川佳代』とのリンクや、原作とは一味違った描写・展開も用意されており、本作の観賞後も『前科者』ワールドを楽しめるオトクな仕掛けも用意されている!
愛に溢れ、涙を誘われるシーンが何度もあり、それぞれが強く生きようとする姿に胸を打たれた。
今、自分が生きている世界がどんだけ幸せで、そしてとても小さい世界に生きているのか、ということを考えさせられました。
とても重くて辛い映画なんだけど、見終わると心が浄化されて少し希望を感じる作品でした。犯罪者の「更生」が軸にあり重く辛い作品でありながらも、どこか温かくて希望を感じました。
【極上のキャスティング】この映画でしか観られない俳優×役のマリアージュ
細部まで練り上げられた物語を体現するのは、実力派ぞろいのキャスト陣。しかも、「この映画でしか観られない」貴重な役どころとのマッチングを楽しめる。超が付くほど生真面目だが、保護観察者を救うためには突飛な行動も辞さない勇敢な主人公の阿川に扮する有村架純は、新境地と言っていいほどのハマりぶり。職場の先輩から受けていた暴力に耐えきれず殺人を犯してしまった工藤を繊細に演じきったのは、『ヒメアノ~ル』で狂気の怪演を披露した森田剛。ふたりの魂を揺さぶるような死力を尽くした演技対決は、観ているだけで自然と涙があふれてくる。
さらに、『ヤクザと家族 The Family』の磯村勇斗、『街の上で』の若葉竜也、『あのこは貴族』の石橋静河といった近年勢いを増す若手演技派が、これまで演じてきた役柄とは大きく異なるキャラクターを熱演。そこにマキタスポーツ、北村有起哉、宇野祥平、リリー・フランキー、木村多江といったベテランたちが加わり、物語が進むほどに感動が増幅する至高のアンサンブルを奏でている。
工藤にとっての大きな分かれ道を阿川先生が導き、語り合う場面は阿川先生という人間が全て伝わってきて素晴らしかった。
瞳の動きや微妙な表情で工藤誠の感情を表現する森田剛さんの演技に引き込まれました。
有村架純さん、森田剛さん、若葉達也さんの迫真の演技に圧倒されました。また、各々誰かに対する優しさが垣間見え、演技に滲み出ていたので涙なしでは観れなかったです。
【極上のメッセージ】寄り添い、許す。いまの時代に必要とされる意義をまとった重要作
作品として「面白い」のはもちろんだが、本作が果たす社会的意義の大きさも、見逃せない点。漫画からドラマ・映画と実写化することで、「保護司」という仕事を世に広く伝えているのだ。罪を犯した人間に寄り添い、社会復帰を支える重要なポジションながら給与は支給されず、民間のボランティアによって成り立っている保護司。作品を通して私たちが彼らのことを「知る」ことで、より健全な社会への第一歩が始まる。
また作中の大きな軸のひとつが、「なぜ阿川は保護司になったのか」にまつわるエモーショナルなドラマ。ここにも「人を見捨てず、許す機会を与える」という奥深いテーマが内包されている。一度道を踏み外した人間を徹底的に糾弾し、やり直しの機会を与えない現代の日本社会。『前科者』が伝える「寄り添うこと」や「再起」は、こんな時代だからこそ強く私たちの心に訴えかけてくる。本作はいま、この世界に必要な作品なのだ。
保護司という仕事に有村架純がなった理由が泣ける。涙が出て苦しくなるが、すごくおすすめできる映画でした。
色々と厳しいテーマがありつつも、希望を信じて無報酬で駆けまわりサポートする人々がいる。それが闇に対抗できる光だよな。
業を背負った人たちの生き様は様々でも、ちゃんと見てくれる人がいる、一緒に背負ってくれる人がいる。流した涙に胸が締め付けられると同時にじんわりと温かかったです。
まとめ
気分がスカッとし、リフレッシュできる痛快作も非常に楽しいものだが、観賞後も涙の記憶と共に心のどこかで生き続ける骨太な感動作は、私たちの視野を広げ、新たな“気づき”を与えてくれる。新しい年の初めに、これほど適した映画もないのではないか。『前科者』はきっと、あなたの“いま”に寄り添い、“この先”を支えてくれる大切な存在になるはずだ。
◆『前科者』information
あらすじ:罪を犯した者、非行のある者の更生に寄り添う国家公務員、保護司。
保護司を始めて 3 年の阿川佳代(有村架純)は仕事にやりがいを感じ、様々な「前科者」のために奔走していた。
そんな中、佳代が担当している物静かな工藤誠(森田剛)は更生を絵に描いたような人物で、佳代は誠が社会人として自立する日は近いと楽しみにしていた。しかし、誠は忽然と姿を消し、再び警察に追われる身に。一方その頃、連続殺人事件が発生。捜査が進むにつれ佳代の壮絶な過去や、若くして保護司という仕事を選んだ理由も次第に明らかになっていき――。
上映時間:133分
公開日:2022年1月28日(金)全国ロードショー
配給:日活・WOWOW
公式サイト:https://zenkamono-movie.jp/
(C)2021香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会