3分でわかる!意外と知らないカンヌ国際映画祭【イラスト解説つき】

映画観て、絵描いて、ハイッ!

フクイヒロシ

世界三大映画祭の1つであるカンヌ国際映画祭が、今年も5月8日から19日まで2週間に渡って開催されます。第71回を数える今年は約180本の映画が上映され、そのうち18本が最高賞パルム・ドールを競うコンペティションにノミネートされています。日本からも是枝裕和監督濱口竜介監督の作品が出品されているので要注目です!

では、知っているようで知らない。そして、知っておいたほうが断然楽しめるカンヌ国際映画祭を徹底紹介いたします!

1. ざっくりとカンヌ映画祭とは…
2. 
主な賞や部門、審査員について​
3. 日本との関わりは?
4. 第71回(2018年)の注目作は?
5. 今すぐ観られる受賞作&候補作!
6. え!? 誰でもエントリーできるの?

1. ざっくりとカンヌ映画祭とは…

カンヌは、フランスの地中海に面した温暖な気候の保養地です。第二次世界大戦の翌年1946年にフランス政府の援助を受けてスタートしました。

興行的にも批評的にも評価を得られていない作品でも、カンヌ国際映画祭によって発見され世界的な評価につながる作品も多いですし、また同時開催されるカンヌ・フィルム・マーケットには、約800社が参加。世界中から1万人を超える映画関係者たちが配給権の売買や企画のプレゼンを行なうために集結します。

日本の配給なども、ジャパンブースを出したり、俳優や監督がレッドカーペットを歩き世界に日本映画の存在感をアピールしています。

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2. 主な賞や部門、審査員について

大きくは公式選出と独立選出の2つにわかれていて、公式選出には最高賞のパルムドールを競う「コンペティション部門」や、「ある視点部門」などがあります。運営自体が違う独立選出には国際批評家週間」「監督週間」があり、どちらも新人監督の登竜門となっています。

審査委員は毎年変わり、各部門につき5〜10名が審査員として選出作品を吟味。今年の審査委員は、審査員長のケイト・ブランシェット率いる9名の映画関係者たち。複眼的な審査がなされるよう男女比や人種などに配慮がなされているのも現代的な特徴といえます。

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3. 日本との関わりは?

カンヌ国際映画祭が“作家性のある監督”に注目していることもあり、日本映画のノミネート作、受賞作は、ほとんど常連監督の名前が並んでいます。

※以下はここ20年の主な受賞作
今村昌平監督……『楢山節考』(83)、『うなぎ』(97)
河瀨直美監督……『萌の朱雀』(97)
諏訪敦彦監督……『M/OTHER』(99)
是枝裕和監督……『誰も知らない』※柳楽優弥が男優賞受賞(04)、『そして父になる』(13)
黒沢清監督………『回路』(01)、『トウキョウソナタ』(08)、『岸辺の旅』(15)

河瀨直美監督是枝裕和監督に至っては、ほとんど毎作ノミネートされています。審査員が毎年変わるカンヌ国際映画祭で同じ監督の作品に注目が集まるというのは不思議ですが、それがある種の“カンヌっぽさ”を形作っているのでしょう。

4. 第71回(2018年)の注目作は?

日本からコンペティション部門にノミネートされているのは、総上映時間317分の大作『ハッピーアワー』(15)で衝撃を与えた濱口竜介監督の『寝ても覚めてもと常連・是枝裕和監督の『万引き家族

コンペティション部門には、『別離』『セールスマン』のアスガー・ファルハディ監督作『Everybody Knows(英題)や、スパイク・リー監督作『BlacKkKlansman(原題)、『人生タクシー』のジャファル・パナヒ監督作『Three Faces(原題)などの強敵ぞろいです。

その他にも、伝説的映画監督ジャン=リュック・ゴダールによる『The Image Book(英題)、『山河ノスタルジア』ジャ・ジャンクー監督の『Ash Is Purest White(英題)、女性監督ナディーン・ラバキーの『Capernaum(原題)、『冬の小鳥』イ・チャンドン監督の『BURNING(英題)、『イット・フォローズ』のデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督『アンダー・ザ・シルバー・レイク(原題)など全18作品がノミネートされています。

ちなみに日本映画以外の映画タイトルが全て原題のままですが、これはカンヌ国際映画祭の出品規定に「製作国以外で上映されていないこと」「他の国際映画祭で紹介されていないことの2点が含まれているので、日本での配給元が決まっていないため、邦題が決まっていないどころか、まだほとんどの? ?がその作品を観ていない状態なのです。

5. 今すぐ観られる受賞作&候補作!

昨年(2017年)の第70回カンヌ国際映画祭で受賞、もしくはノミネートされた作品の多くが現在上映中です。ぜひお近くの劇場でご覧ください!

パルムドールザ・スクエア 思いやりの聖域』/『フレンチアルプスで起きたこと』のリューベン・オストルンド監督作。
グランプリBPM ビート・パー・ミニット』/HIV差別との闘い。
女は二度決断する』/実際の連続テロが題材。
The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』/ソフィア・コッポラ監督作。
ハッピーエンド』/ミヒャエル・ハネケ監督作。
ワンダーストラック』/『キャロル』のトッド・ヘインズ監督
聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』/コリン・ファレル主演。
ラブレス』/アカデミー外国語映画賞候補作。
ビューティフル・デイ』/ホアキン・フェニックス主演。(6月1日より公開)
監督週間出品フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』/アカデミー賞助演男優賞候補作。(5月12日より公開)

6. え!? 誰でもエントリーできるの?

シネフォンダシオン部門は映画専門学校か大学映画部の学生が対象とされていますが、他の部門には規定はありませんし、インターネットで誰でもエントリーできます!

長編部門は60分以上の作品であることが条件で、カンヌ国際映画祭公式サイトに記載されている住所へ送るだけ。短編部門は60分未満の作品で、こちらは公式サイトからアップロードするだけでOK。応募料金は長編部門が6,700円、短編部門はなんと0円!

ただし、英語の字幕は必須ですし、上映が決まればフランス語の字幕をつけて宣伝素材も提出しなければいけません。詳しくはカンヌ国際映画祭オフィシャルサイトでご確認ください!

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いかがでしたか?
世界三大映画祭とはいっても、ほかの2つ(ベルリン国際映画祭・ヴェネツィア国際映画祭)とは毛色の違うカンヌ国際映画祭。
今年はそんなところも踏まえて注目してみては?

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  • 荒野のジャバザハット
    4
    狂い出した現代アート、価値基準のぐらつき、同調評価の恐ろしさ。 レビューで溢れかえる現代社会は当時よりますますこの映画を楽しめる形になっている。 アートとは何か、ストリートアートとは、そう言った疑問を投げかけるドキュメンタリーとしての面白さよりも、もっと表面的な、単純なところで誰もが楽しめる最高のエンタメ作品になっていて、まさにバンクシーの作品そのもの。 個人的には彼の作品はハリスナオの一コマ漫画だと思っているので。。。(どちらも最高にリスペクトしてます) ブラックユーモアで味付けされたエンターテイメントでどれだけ楽しませるか、それこそがバンクシーであり、彼なりのアート表現なんだなと改めて感じさせる一本。
  • おいちゃん
    4
    恐ろしく滑稽で皮肉
  • タッキー
    4.2
    バンクシーの映画 アートって面白いなと思いました
  • ella
    2.5
    随分前に見たので記憶が曖昧だけど、「他人を小バカにした不愉快な映画」という印象だった。しかしこの映画の白眉というか特筆すべき点、それはOBEYこと若かりしシェパート・フェアリーがめっちゃ写ってるってとこ。この人が字幕付きでこんなに喋る場面は珍しいし、イケメンなので思いがけず目の保養にもなってありがたかった。 内容的にはフェイクドキュメンタリーとしての目新しさも特にない、現代美術のエースが作ったわりには凡作だった。これはSNSで見かけた意見の完全な受け売りなんだけど、バンクシーは非常に広告的な戦略が上手い。その時点で「商業主義を打倒してやる」みたいな気概は全然なく、むしろ商業主義に阿ってパトロンを捕まえるのが上手いんじゃないか。秘密主義で「一部の先鋭的な人だけ」が正体を知ってるとか、選民意識をくすぐって金を引き出させるのが上手く、強いて言えば商業主義をおちょくってるんだと思う。(マッシブ・アタックのロバート・デル・ナジャだというのが随分早くから知れていたのもある意味戦略だったと思う) 作品から際立ったメッセージ性とかも特に(彼らの音楽ほどには)感じたことがない。現代美術って名前が売れてから何を主張するかは結構大事だと思うんだけど、オークションでやったこととかも結局大筋の主張はコマーシャリズムに対する皮肉だし、なんかそればっかりって感じで。あまり詳しくはないんだけどメキシコの方がストリートアートは凄いんじゃない。やっぱり体制に阿った芸術は芸術というより「広告」だし、広告としてはこの映画はある程度機能したんじゃないかと思う。 まぁでも前述した通り貴重なシェパード・フェアリーの映像のおかげで、この凡庸さもあまり気にならず最後まで見ることができます。
  • odyss
    3.5
    【芸術とは爆発、いや犯罪だ!】 ストリート・アートを取り上げた珍しい(と思いますが)映画です。 私はこの分野にうといので、へえ、そんなものがあるのか、そうなっているのか、と純粋に感心しながら見ていました。 ストリート・アートの最も大事なところとは、それが犯罪すれすれの行為である、ということでしょう。何しろ公共の場、つまりみだりに私的な装飾だとかなんだとかを持ち込んではいけない場所に、あえて自分なりのアートを貼り付けたり設置したりするわけですから。 その辺、つまり公共の秩序への挑戦をあえて行いながら自己表現をする、というところに、ストリート・アートのほんとうの魅力があるのではないでしょうか。 つまり、現代では「芸術」も公認のものとなってしまい、秩序紊乱的であったはずの芸術も変に社会のなかに収まってしまっている。美術品が美術館に収納される、なんてのはまさにそういうことで、それは「これは美術品で、美術館に飾っておくに値するものなんですよ」とお上がお墨付きをくれた、ということにほかならない。でも、芸術って、しばしば既成秩序への反抗であったはずなんですよね。お上に簡単に認められていいのか? いったい、現代において芸術による反乱は可能なのか? と思っていたところに、ちゃんと(?)ストリート・アートが出てきてくれた。警官に咎められないように見張りをつけながら、自分のアートを街角に貼り付けたりする作業は、なかなかスリリング。アートそのものと並んで、そういう、犯罪ぎりぎりの作業をしている映像に見どころがある映画なのです。
イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ
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