アカデミー賞最有力候補!ギレルモ・デル・トロ監督のおすすめ作品を紹介【日本から受けた影響・人物とは?】

2018.03.04
映画

"DON’T TRY"

ロハ

今年のアカデミー賞最有力候補といわれているギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』。1月の来日時には「日本食を食べすぎてボタンが止まらない」と、茶目っ気満点で会見に現れ、そのクリクリの目と明るい受け答えに、彼の映画作品を観ずともその人格に好印象を持った人は多いはず。
まもなく開催されるアカデミー賞授賞式。いま、世界中からギレルモ・デル・トロに熱い視線が集まっている。

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(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

そんないまだからこそ、鬼才ギレルモ・デル・トロを改めて紹介していこう。

ギレルモ・デル・トロ

1964年メキシコ出身の映画監督。メキシコ国立自治大学付属映画学校を卒業すると、ハリウッド映画界のレジェンド的特殊メイク・アーティスト、ディック・スミスに師事。メキシコに帰国後、特殊メイク、造形の会社を立ち上げる。その後29歳より映画監督として本格的に活動を開始し、2006年に製作した『パンズ・ラビリンス』が世界的に評価される。日本で知名度を得たのは芦田愛菜、菊地凛子が出演した2013年の『パシフィック・リム』からだったように記憶している。

独特の作風

彼が創り出す世界は特徴的だ。一言でいえばダークファンタジーと呼ばれる部類に属するものになるのだろう。彼が創り出すファンタジーの世界は常にリアル(現実)と向き合い、そこには私たちをただファンタジーという現実逃避させることだけに終わらせない、魅力に満ちている。

彼の作品には必ずと言っていいほど怪物、昆虫、暗所、歯車などのイメージが多く使われる。中でも怪物は彼が関わったほとんどの作品に出てきており、デル・トロ監督作品を貫くテーマに「何が人間を人間たらしめているのか?」「人間と怪物を分けるものは何なのか?」といったものが見て取れる。

ここからはおすすめ作品を紹介する。これを見れば彼の怪物マニアぶりがわかる。

パンズ・ラビリンス

パンズラビリンス

代表作と言われることも多い『パンズ・ラビリンス』。アカデミー賞、ゴヤ賞、ヒューゴー賞、全米批評家協会賞などの各部門で様々な賞を獲得し、全67の賞を受賞した。

お話は1944年のスペイン、オフェリアと呼ばれる少女が独裁政権軍の大尉の妻となった母とともに、山奥の要塞に連れてこられたところから始まる。オフェリアはそこで一匹の妖精と出会い、現実と幻想とをシリアスに見つめてゆくことになる。

劇中にペイルマンという目が手のひらについた怪物が登場するが、そのインパクトは見た瞬間から忘れることはできないだろう。

ブレイド2

ブレイド2

アメコミ原作。ヴァンパイアと人間の混血児であるブレイドがヴァンパイアを駆逐していくというアクション映画の第二弾。今作はリーパーズという人類、ヴァンパイア双方の敵になる存在が現れ、ブレイドはヴァンパイアとともにリーパーズを駆逐してゆく。

顎がバカッと割れて、中から触手みたいなものが出てくるリーパーズのキモさは100点。このクリーチャーの造形は彼が後に手がけることになるドラマ作品「ストレイン 沈黙のエクリプス」に引き継がれている。

ヘルボーイ

ヘルボーイ

こちらもアメコミ原作。地上に迷い込んだ悪魔の子供であるヘルボーイが人間のために超自然的な存在と闘うストーリー。デル・トロ監督が映画化を熱望していただけあって、随所にこだわりが見え、怪物の造形、敵キャラの造形、などに独特のデルトロイズムを感じることができる。

続編である『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』もデル・トロが監督し、去年ツイッター上でヘルボーイ3の製作について言及していたが、どうやらその話はなくなってしまったようだ。

パシフィック・リム

パシフィックリム

太平洋の海底から次々と現れる、kaiju(カイジュー)と呼ばれる巨大生物に兵士2人がペアになって巨大ロボットを操縦し、立ち向かっていく。日本では菊地凛子と芦田愛菜がキャスティングされ出演していることから注目された。

kaijuはもちろん日本語由来。この作品はゴジラシリーズの監督本田猪四郎とアメリカの特撮映画監督レイ・ハリーハウゼンへ捧ぐと映画のラストに表示される。続編である『パシフィック・リム:アップライジング』が2018年4月に公開されるが、こちらにはデル・トロ監督は関わっていない。

ファンタジーと日本

デル・トロ監督は日本からの影響を公言している。人物を挙げると円谷英二、伊藤潤二、手塚治虫、谷口ジロー、永井豪、大友克洋、押井守などなど特撮、アニメ、漫画界のレジェンドがズラりと顔を並べる。彼が作った作品にもその影響を見て取ることができる。『パシフィック・リム』では巨大怪獣はゴジラを彷彿とさせるし、それと闘うロボットはガンダムを思い起こさせる。『パンズ・ラビリンス』のペイルマンは日本の妖怪「手の目」のイメージとそっくりである。日本という国には素晴らしいイメージが昔からたくさんあったのだなということが再認識できる。

Just another afternoon in Tokyo!! pic.twitter.com/6lQ9cuFyZS

— Guillermo del Toro (@RealGDT) 2018年1月30日

この島国からファンタジーという世界が想像の羽を伸ばし、世界へと渡りそれが今こうして日本へ再び戻ってきているのだと思うと何だか感慨深い気持ちにもなる。僕がデル・トロ作品が好きなのもそんな世界を飛び越えるファンタジーの魅力に溢れているからだと思った。

余談だが、デル・トロ監督は一部のファンの間では「俺たちのトトロ」と呼ばれているらしい(となりのトトロとデル・トロで音が似ているから+風貌もトトロっぽい)。

そんなトトロ監督のこれからの活躍を願おうではないか。

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