段々と涼しい日が続き、夜が長くなってきたと感じるこの頃。「秋の夜長」は、普段忙しくて後回しにしていた趣味の時間や、ホッと一息ついて自分時間を有意義に過ごすのにピッタリです。そんな季節に、長尺映画を鑑賞してみるのはいかがでしょうか?
今回は、秋の夜長にじっくり向き合いたい、3時間超えの長尺映画を10本厳選してご紹介します。
『ハッピーアワー』(2015)
あらすじ:30代も後半を迎えた、あかり、桜子、芙美、純の4人は、なんでも話せる親友同士だと思っていた。純の秘密を知るまでは……。純の現状を思わぬかたちで知った彼女たちの動揺は、いつしか自身の人生をも大きく動かすきっかけとなっていく。つかの間の慰めに4人は有馬温泉へ旅行に出かけ楽しい時を過ごすが、純の秘めた決意を3人は知る由もなかった。やがてくる長い夜に彼女たちは問いかける。……私は本当になりたかった私なの?
■監督/脚本:濱口竜介(『ドライブ・マイ・カー』)
■キャスト:田中幸恵、菊池葉月、三原麻衣子、川村りら
■上映時間:317分
『愛のむきだし』(2008)
あらすじ:幼い頃に母を亡くし、神父の父テツと二人暮しのユウ。理想の女性“マリア”に巡り合うことを夢見ながら、平和な日々を送っていた。しかしテツが妖艶な女カオリに溺れてから生活は一変。やがてカオリがテツのもとを去ると、テツはユウに毎日「懺悔」を強要するようになる。父との繋がりを保つために盗撮という罪作りに没入していくユウ。そんな彼はある日、罰ゲームで女装している最中に、ついに理想の女性ヨーコとあうが……。
■監督/脚本:園子温(『冷たい熱帯魚』)
■キャスト:西島隆弘、満島ひかり、安藤サクラ、尾上寛之、清水優、永岡佑、広澤草、玄覺悠子、中村麻美、渡辺真起子
■上映時間:237分
『牯嶺街少年殺人事件』(1991)
あらすじ:1960年代初頭の台湾・台北。名門校・建国高校中間部の受験に失敗し夜間部に通う小四(シャオスー)は、不良グループ「小公園」に属する王茂(ワンマオ)や、飛機(フェイジー)といつも連んでいた。そんなある日、小四は怪我をした少女・小明(シャオミン)と保健室で出会う。彼女は小公園のボス・ハニーの女だった。ハニーは対立するグループ「217」のボスと小明を奪い合い、相手を殺して姿を消していた。ハニーの不在で弱体化していく小公園は、今では中山堂を管理する父親の権力を笠に着た滑頭(ホアトウ)が幅を利かせている。小明に対して、淡い恋心を抱いていた小四。しかし、突如としてハニーが戻ってきたことをきっかけにグループ同士の対立は激しさを増し、ついには小四たちを巻き込んでいく……。1961年6月、台湾で実際に起きた、中学生男子による同級生女子殺傷事件をベースに描かれた青春映画。
■原題:牯嶺街少年殺人事件/A BRIGHTER SUMMER DAY
■監督:エドワード・ヤン(『ヤンヤン 夏の想い出』、『恐怖分子』)
■脚本:エドワード・ヤン、ヤン・ホンカー、ヤン・シュンチン、ライ・ミンタン
■キャスト:チャン・チェン、リサ・ヤン、チャン・クォチュー、エレイン・ジン、チャン・ハン、チェン・シャンチー、ニー・シューチュン、リン・ルーピン
■上映時間:188分
『七人の侍』(1954)
あらすじ:世界中の映画人に影響を与えた黒澤明監督の時代劇。戦国時代の貧しい農村を舞台に、野盗と化した野武士から村を守る7人の侍たちの雄姿を描く。複数のカメラで同時に撮影するマルチカム方式が採用されている。
■監督:黒澤明(『羅生門』)
■脚本:黒澤明、橋本忍、小国英雄
■キャスト:三船敏郎、志村喬、津島恵子、藤原釜足、加東大介、木村功、千秋実、宮口精二、小杉義男、左卜全
■上映時間:207分
『EUREKA ユリイカ』(2000)
あらすじ:カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞とエキュメニック賞を受賞したヒューマン・ドラマ。バスジャック事件で生き残った運転手の男性と、中学生と小学生の兄妹が再会し、3人で奇妙な共同生活を始め、再生の旅に出る。
■監督/脚本:青山真治(『共食い』)
■キャスト:役所広司、宮崎あおい、宮崎将、斉藤陽一郎、国生さゆり、光石研、利重剛、松重豊、塩見三省、真行寺君枝
■上映時間:217分
『サタンタンゴ』(1994)
あらすじ:2015年に世界的権威のある英文学賞ブッカー国際賞を受賞したクラスナホルカイ・ラースローの同名小説が原作。ハンガリーのある村。降り続く雨と泥に覆われ、活気のないこの村に死んだはずの男イリミアーシュが帰ってくる。彼の帰還に惑わされ、さまよう村人たち。イリミアーシュは果たして救世主なのか? それとも? 全編約150カットという驚異的な長回しで描かれる本作。
■原題:Sátántangó/Satantango
■監督:タル・ベーラ(『ニーチェの馬』)
■脚本:クラスナホルカイ・ラースロー、タル・ベーラ
■キャスト:ヴィーグ・ミハーイ、ホルヴァート・プチ、ルゴシ・ラースロー、Éva Almássy Albert、デルジ・ヤーノシュ
■上映時間:438分
『ベティ・ブルー/インテグラル 完全版』(1992)
あらすじ:海辺の町・バンガロー。作家になる夢を抱きながら塗装業で生計を立てている35歳の修理工のゾルグと、セクシーなウェイトレスのベティ。2人は出会い、たちまち激しい恋に落ちる。ゾルグは晴れて小説家となり、愛するゾルグの子供を身籠ることを夢見るベティ。しかし、お互いの愛が深まると同時に、夢が一つずつ砕けていく。そして、感情の起伏が激しいベティの言動や行動は、次第にエスカレートを見せる……。本作は、世界中に衝撃を与えた狂気に満ちたラブストーリー『ベティ・ブルー』の、約1時間の未公開シーンを復元したノーカット版。
■原題:37-2 LE MATIN: L’INTEGRALE
■監督:ジャン=ジャック・ベネックス(『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』)
■脚本:フィリップ・ディジャン
■キャスト:ベアトリス・ダル、ジャン=ユーグ・アングラード、コンスエロ・デ・ハヴィランド、ジェラール・ダルモン、クレマンティーヌ・セラリエ、ジャック・マトゥー、フィリップ・ロダンバッシュ、ヴァンサン・ランドン、ラウール・ビレリー
■上映時間:185分
『ファニーとアレクサンデル』(1982)
あらすじ:1907年、スウェーデンの地方都市・ウプサラでのクリスマスイブ。少年・アレクサンデルと、妹・ファニーは、劇場主で俳優の父・オスカル・エクダールや、女優の母・エミリーと共に、毎年恒例のキリスト降誕劇を上演し、クリスマスを盛大に祝う。ところがその年明け、「ハムレット」の舞台でのリハーサル中に、オスカルが倒れてしまい、そのまま帰らぬ人となる。夫を突如として失った未亡人のエミリーは、相談に乗ってくれた、ベルゲルス主教と再婚することを決めるのだが……。
■原題:FANNY OCH ALEXANDER
■監督/脚本:イングマール・ベルイマン(『叫びとささやき』)
■キャスト:グン・ヴォールグレーン、エヴァ・フレーリング、アラン・エドワール、ハリエット・アンデルセン、アンナ・ベルイマン、レナ・オリン、クリスティナ・ショリン、グンナール・ビョルンストランド、ボリエ・アールステット、マジリス・グランランド
■上映時間:311分
『セリーヌとジュリーは舟でゆく』(1974)
あらすじ:公園のベンチで魔術の本を読んでいた司書のジュリーが魔術師セリーヌと出会ったことから始まる奇妙な冒険。「不思議の国のアリス」的迷宮を思わせる冒頭から始まる本作は、セリーヌ役のジュリエット・ベルトとジュリー役のドミニク・ラブリエが書き始めた台本から出発し構成された。幻想と現実の境界線を軽やかに⾶び越えて⾃由に⼊れ替わる主⼈公たちのユーモラスなやりとりや70年代を象徴するサイケデリックな⾐装も楽しく、遊び⼼に溢れたファンタジーの傑作にしてリヴェットの⼈気作。
■原題:CELINE ET JULIE VONT EN BATEAU
■監督:ジャック・リヴェット(『パリはわれらのもの』)
■脚本:ジュリエット・ベルト、ドミニク・ラブリエ、ビュル・オジエ、マリー=フランス・ピジェ、ジャック・リヴェット
■キャスト:ジュリエット・ベルト、ドミニク・ラブリエ、マリー=フランス・ピジェ、バルベ・シュローデル、ナタリー・アズナル、ビュル・オジエ
■上映時間:192分
『恋人たちの失われた革命』(2005)
あらすじ:1968年5月、革命に燃える街・パリ。20歳の詩人・フランソワは、兵役を拒否し街に出ていく。そこには、彼と同じく失うものはない若者たちが大勢集まっていた。それから1年後。彼らは再び集い、アヘンを吸ったり、音楽を聴いたりしながら漫然とした日々を過ごしていた。ある日、フランソワは、彫刻家を目指す美しい女性・リリーと出会い、恋に落ちるが……。
■原題:LES AMANTS REGULIERS
■監督:フィリップ・ガレル(『パリ、恋人たちの影』)
■脚本:フィリップ・ガレル、アルレット・ラングマン、マルク・ショロデンコ
■キャスト:ルイ・ガレル、クロティルド・エスム、モーリス・ガレル、ブリジット・シィ、エリック・ルリア、ジュリアン・ルーカス、ニコラス・ブリデット、マチュー・ジェネ、マルク・バルベ
■上映時間:182分
※本記事で紹介した映画は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づきセレクトされています。
※2022年10月3日時点での情報です。