今年の秋は大手VODの相次ぐサービス開始が話題になっています!その中でも特に世界最大の動画配信サービスNetflixは長年日本への上陸を待ちわびてきた映画ファンも多いですよね。
しかし、実際にサービスを使うにあたっての本音は「でも、映画のラインナップって結局どうなの?」ではないでしょうか?

出典:https://flic.kr/p/rRvohY
アメリカ版を愛用していた経験からの率直な感想は「期待していたより少ないなぁ」です。しかし、ほぼ毎日新しい映画が増えていますし、何より注目して頂きたいのが "Netflixスルー作品" を見れること。
DVDスルーという言葉はよく耳にすると思いますが、日本劇場公開にもDVDリリースにもならず、Netflixだけで日本語字幕付き配信される作品を指します。
劇場公開すらしないなんて駄作ばっかりなんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そんなことはありません!
話題にはならないだけで、良質なNetflixスルー作品はたくさん存在しています。そこで今回は"Netflixスルー作品"よりお勧めの10作品をご紹介!
※10月7日現在配信中の作品。今後配信が終わる可能性やDVDリリース化される場合もあります。
『ラブ・ミー』

出典:http://uk.newonnetflix.info/reviews/category/documentary/
街コンや合コン居酒屋など、日本でもユニークなタイプの出会い方が注目を浴びていますが、「メールオーダーブライド」という言葉は聞いたことがありますか?インターネットサイトの会員になり外国(主に東欧やアジア圏)からお嫁さんをもらう方法です。
今作『ラブ・ミー』はアメリカとオーストラリアの男性がメールオーダーブライドとの出会いから実際に大金をはたいて東欧まで会いに行く様子、その後を追ったドキュメンタリー作品。
明らかに騙されているのがわかるのにお金をつぎ込む男性もいれば、運命の相手と出会える人もいて様々です。
『ザ・ワン・アイ・ラブ』
インディーズ映画界ではおなじみの俳優マーク・デュプラス(『ラブ・トライアングル』)とエリザベス・モス(『17歳のカルテ』)が主演なのに関わらず日本では劇場公開もなければ、DVDリリースもナシな作品。
夫婦生活がうまくいかずカップル・カウンセリングに通う二人が、どんなカップルでも仲良くなって戻ってくるとお勧めのコテージで週末を過ごすことに…。
なぜここに泊まるだけでカップルは幸せになるのでしょう?その驚きの内容はぜひご覧になって確かめてみてくださいね!衝撃のラストは人と語りたくなること間違いありません。
『6年愛』
ラブレターを送り続け6年愛を実らせた山本耕史さんと堀北真希さんのニュースはまだ記憶に新しいですが、こちらの映画も6年という長い間付き合っているカップルを追ったインディーズ作品。
メガホンを握ったのはアメリカのインディーズ映画界の注目監督として必ず名前のあがるハンナ・フィデル。前作の『女教師』では、女性ならではの視点で女としての幸せを選ぶのか、教師としての責任を取るのかといった苦悩を表現しサンダンス映画祭では絶賛されました。
このようなマイナーだけれども映画ファンとしてはぜひチェックしておきたい海外インディーズ映画が見れるのも外資系企業であるNetflixならではです!
『セサミストリートに愛を込めて〜エルモに命を吹き込んだ人形師』

セサミストリートのエルモといえば、その愛くるしい見た目はもちろん、話し方も独特で愛嬌があり世界中の子供たちを虜にしています。番組自体はあまり見たことがないけれど、エルモは知ってるよ!という方もたくさんいるのではないでしょうか?
そんなエルモをセサミストリートのキャラクターから世界で愛されるエルモにしたのがケビン・クラッシュ。メリーランド州ボルチモアで育ったケビンは幼い頃からマペットに憧れ、見よう見まねでマペットを作ってはイベントに出演。大人になり憧れのセサミストリートの世界でデビューすることに。
私はこのドキュメンタリーを見るまでまさかあのエルモをこんな大きな体格の男の人が演じているとは思ってもいなかったので驚きました!周りからは変なやつだと思われ苦労した若いときの体験や、マペットを演じる人たちの裏話などを見ることができるドキュメンタリーです。
『ホットガールズ・ウォンテッド』
女優のラシダ・ジョーンズがプロデューサーを務めた今作『ホット・ガールズ・ウォンテッド』はポルノ業界へ足を踏み入れる少女たちを追ったドキュメンタリー作品。
有名になってハリウッドに行くのよ、と意気込むのもはじめだけ。代わりとなる若くてかわいい女の子は全米から次々とやってくるのです。アマチュアとして売り出せるのも数ヶ月だけ。有名になれない少女たちが進む先は過酷なものでした。
目を背けたくなるようなシーンもありますが、見終わったあとは色々と考えたくなるので、ぜひ一度目を通して頂きたい作品です。
『アジズアンサリショー 人生は生き埋め』
お笑いは日本でも大人気ですが、アメリカのお笑いって皆さんどうでしょう?
せっかくなのでNetflixで体験して欲しいのがアメリカのコメディ『スタンドアップコメディ』。マイクだけを持ちステージに立ち、ひたすら観客に向かって笑い話を仕掛けていくといったスタイル。
政治や人種差別から、結婚生活、下ネタなど様々なネタで人々を笑わせます。日本のお笑いに一番近いのは「漫談」でしょうか。
例えば、映画監督のウディ・アレン、俳優のジム・キャリー、ビリー・クリスタル、ジェイミー・フォックス、スティーブ・マーティン、クリス・ロック、TV番組ホストのジミー・ファロン、エレン・デジェネレスといったスターたちもスタンドアップコメディ出身です。
Netflixではたくさんのスタンドアップコメディーを見ることができますが、一押しなのがアジズ・アンサリの『アジズアンサリショー 人生は生き埋め』。インド系アメリカ人であることを売りにし、人種差別やアメリカでの生活といったものをネタにしています。
彼は2016年にNetflixオリジナルシリーズ『Master of None』で主演をすることも決まっているので、大注目です!
『スタテン・アイランド・サマー』

大学進学のため、ボストンへ引っ越すことが決まっている主人公。プールバイトの仲間たちと過ごす地元で迎える最後のひと夏を描いた青春おバカ映画。
50周年を迎えたコメディ番組サタデー・ナイト・ライブ(SNL)のメンバーであるコリン・ヨーストが脚本を務めたこともあり、SNLでお馴染みのメンバーも出演。
パーティーを開いたら人が集まりすぎて大変なことになってしまう『プロジェクトX』やプールのバイトを通じ大人へ成長していく少年を描いた青春作品『プールサイド・デイズ』等が好きな人にぜひ見て欲しい作品です!
『ウェット・ホット・アメリカン・サマー』

マーベル最新作の世界最小ヒーロー『アントマン』で主演を務めているポール・ラッド。コメディアンヌのエイミー・ポーラー。10月16日公開の『ピッチ・パーフェクト2』でも監督を務める女優エリザベス・バンクス。イケメン俳優として人気のブラッドリー・クーパーといった今を代表するハリウッド俳優たちがまだ若手だった時に出演をしているおバカコメディ映画。
『アドバンテージ~母がくれたもの』
2015年のサンダンス映画祭でプレミア上映された今作品。女性としてはこんな世の中には絶対なって欲しくないと思えるような近未来の世界を描いたSF映画です。
急速な発展を遂げた世界で美容を専門とする企業の顔として長年努めてきたシングルマザーのグウェン。キャリアを築いてきたはずの彼女だが、年齢だけを理由に突然の解雇宣言をされてしまいます。
娘の学費を稼がなくてはいけない時期なのに、歳を理由に仕事を見つけることができない。最終的にオファーされたのが、「若返り実験」の仕事だった… SF映画という形で内面的に存在する女性差別を批判した作品は前例が見当たらず、とても興味深い作品です。
『ブライドグルーム』
幸せに暮らしていた同姓カップルに起きた悲劇と彼らの人生、その後をインタビュー形式で綴ったドキュメンタリー作品。
アメリカの田舎町で同性愛者だという自分を恥じて育ったシェーンが出会った運命の相手トム。しかし、幸せは長くは続かずトムの転落死という悲劇が襲います。将来を誓い合った仲だった二人ですが、その後のトムの家族からの連絡は一切断ち切られ葬式にすら招待されなかったのです。
2015年の6月、アメリカでは全州で同姓婚が認められ、州法で禁じることを違憲とした判断がおりました。日本とは違って国全体で理解があるんだなと感じるかもしれませんが、まだまだ個人レベルでの差別は残念ながら存在しているということを改めて痛感できます。
同姓カップルの権利など、日本人の私たちも考えるきっかけになる作品ですので、ぜひご覧になってみてください。
今後は映画ファン期待の大作もたくさん配信予定!
サービス開始1ヶ月ほどのNetflixですが、今後は映画監督バズ・ラーマンやジャド・アパトーがオリジナル・コンテンツを制作することが決定しています。
ますますNetflixでしか見れないレア作品が増えていくことになるので、今後のラインナップからも目が離せません!