酷暑が続いた今年の夏。9月に入って、ようやく過ごしやすい季節になってきました。
気持ちの良い気候に誘われて、アウトドアレジャーを楽しみたいと思っている人も多いのではないでしょうか?
中でも最近人気が高まっているのがキャンプです。友人、恋人、家族だけでなく、最近は1人で出かける“ソロキャンプ”にも注目が集まっているのだそう。
海や川、ハイキング、バーベキューなど、昼間は楽しいアクティビティがたくさんありますが、日が落ちてしまったらあとは寝るだけ?……そんなのもったいない!
今回は、シネフィルがキャンプの夜を満喫できるおすすめの過ごし方をご紹介します。
それは、“映画上映会”。
テントに小型プロジェクターを投影させての映画鑑賞です!
満天の星の下、手作りのポップコーンやホットドッグを頬張りながら大好きな映画を観る。最高じゃないですか!?
そんな大自然の中で観るのにオススメ、「キャンプの夜に観たい映画」をシーン別でご紹介していきます。
大自然と一体化
『WATARIDORI』(2001)
『オーシャンズ』や『シーズンズ 2万年の地球旅行』でも有名なジャック・ペラン監督が手がけ、世界各地の渡り鳥をテーマにしたフランスのネイチャードキュメンタリー『WATARIDORI』。
たくさんの鳥たちのたくましく、愛らしく、時に胸が苦しくなる現実が、まるで自分が鳥になったような視点で撮影され、美しい大自然の映像と共に綴られていきます。
大地の匂いや空気を感じながら観ることで、美しくも厳しい自然の中で生き抜く鳥たちの姿がより身近に感じられるはず。きっと大きな感動を得られることでしょう。
『180°SOUTH/ワンエイティ・サウス』(2009)
パタゴニアの創業者、イヴォン・シュイナードと、ザ・ノースフェイスの創業者、ダグ・トンプキンス。
アウトドアカルチャーの先駆者である2人の運命を180度変えた伝説の旅を、若い冒険家が追体験していくストーリー。
広大な自然の美しさと厳しさ、またその自然が破壊され続ける現状に向けたメッセージが盛り込まれ、アウトドア仲間と共に観ることで、更なる冒険への夢が膨らむと同時に、自然と共存する大切さを考えるきっかけをくれる作品です。
『はじまりへの旅』(2016)
現代社会にふれることなくアメリカの山奥で暮していた父親と6人の子供たちが、母親の葬儀のために初めて町へと旅に出る。
大自然の中で文武両道を極めながらも、初めて現代社会を目の当たりにした子供たち。
その様子がユーモラスに描かれつつ、最後には家族の絆に感動が溢れ出す作品です。
場面ごとにロック、ジャズ、民族調の音楽が流れるので、みんなでたき火を囲み、作品の雰囲気に酔いしれながら観ても楽しめそう。
ファンタジー世界にどっぷり
『ファンタジア』(1940)
ウォルト・ディズニー制作のアニメーション映画で、史上初のステレオ音声映画作品である『ファンタジア』は、オーケストラによるクラシック音楽にのせた8編のストーリーから成る作品です。
有名なのはミッキーが魔法使いの弟子になるエピソードですが、それ以外にも神話の世界や、地球創世をテーマにした物語など、芸術要素が強く、70年以上前に作られたとは到底思えないような新鮮さや美しさに子供から大人まで楽しむことができます。
キャンプの夜、真っ暗なテントの壁に映し出されたファンタジーの世界。映像と音楽が心地よく、そのままテントで眠りにつけば素敵な夢へと導いてくれることでしょう。
Rakuten TVで観る【登録無料】『天空の城ラピュタ』(1986)
誰もが一度は観たことがあるであろう、スタジオジブリの初制作作品にして大ヒット長編アニメ『天空の城ラピュタ』。
パズーとシータの出会い、飛行石を巡る冒険、空に浮かぶラピュタ島、人間と自然の関わり方、様々なメッセージが盛り込まれた壮大なストーリーは何度観ても圧巻ですが、そんなおなじみの作品も大自然の中で観るとまた違った感覚を体験出来るかも知れません。
家族みんなで大自然の中、あの言葉を唱えてみては?(となりのテントの人たちがびっくりしない程度の声量で)
『かいじゅうたちのいるところ』(2009)
世界中で愛されるモーリス・センダックの絵本の実写化作品である『かいじゅうたちのいるところ』。
怒って家を飛び出した8歳の少年マックスが、「かいじゅう」に出会い、彼らの王様となってみんなが一つになれる理想の王国作りをはじめます。
大きくて牙のあるかいじゅうたちですが、コミカルな動きや表情が可愛らしく、ストーリーに込められたメッセージは大人まで楽しめるものとなっています。
真っ暗な夜空の下、テントの中で家族みんなでくっつきながら観ていると、まるで自分たちもかいじゅうの一員になったよう。
音楽もとてもキュートで、みんなで踊りだしたくなってしまうかもしれません。真っ暗で神秘的な夜空の下で観ることで、ファンタジーの世界にどっぷり入り込めるはずです。
二人きりの世界
『落下の王国』(2006)
構想26年、13の世界遺産、24カ国以上で4年をかけて撮影された『落下の王国』。
撮影中に大怪我をおったスタントマンが、入院中の病室に現れた少女に、作り話を聞かせていきます。自暴自棄になった青年が語る“愛と復讐の物語”は、やがて少女に希望を与え、青年自身をも変化していきます。
本作は広大な世界遺産でCGを使わず撮影しており、不思議な旅の物語が驚くべき映像美となって映し出されます。アカデミー賞受賞経験のある石岡瑛子の衣装デザインも圧倒的。
大自然の中、星空の下で観る、夢の中に迷い込んだような不思議で美しい映画体験はきっと忘れられないものになるでしょう。
『奇跡の2000マイル』(2013)
うまく行かない自分の人生を変えるために、4頭のラクダと共に、オーストラリア西部の砂漠地帯をたった1人で歩いて縦断し、インド洋を目指す挑戦をした女性の実話を映画化した『奇跡の2000マイル』。
広大な砂漠地帯をただひたすらに歩いていく中で、様々な困難に見舞われながらも人生を変える出会いや、宝物のような経験をする主人公の姿に胸が熱くなる物語です。
大自然の恐怖と、それをはるかに上回る美しさは、キャンプ中ならばなおさら臨場感や感動を得られるはず。
2,000マイル(約3,219キロ)は日本列島(約3,000キロ)を縦断し、さらに200キロほど歩くイメージ。それを想像して観ると、その無謀な挑戦を成し遂げた素晴らしさをより体感出来ることでしょう。
自分自身と向き合う
『ストレイト・ストーリー』(1999)
デヴィッド・リンチ監督作、病に倒れた兄に会うため、73歳の老人がトラクターにのって500キロの旅に出るロードムービー。
様々な思いを胸に秘めながら、どこまでも真っすぐな道をゆっくりゆっくり進んでいく老人。
彼が旅の途中に出会う人々との何気ない会話も趣き深く、優しく心を揺さぶられる感覚を覚えることでしょう。
本作はたき火のシーンがたくさん出てくるので、夜、1人たき火の前でコーヒーを呑みながら観ることで、映画のシーンがよりぐっと来るはず。そして最後の最後のシーンを観終わった後、エンドロールで見上げる夜空……最高です!
『星の旅人たち』(2010)
アメリカ・カリフォルニアの眼科医トムは、自分探しの旅に出たまま疎遠になっていた息子ダニエルが、聖地サンディアゴへの巡礼の初日に亡くなったことを知ります。
ダニエルの遺体を引き取りにフランスを訪れたトムは、ダニエルの遺灰とバックパックを背負い、彼が辿るはずだった巡礼の旅に出ることに。
徒歩で800キロの距離を歩くなかで、偶然出会った人々や、ダニエルの存在、自分自身と向き合うことで少しずつ変化していくトムの姿を描きます。
フランスからスペインへ、ゆっくりと歩いて行く旅の過程や、国も文化も全く違う人々との交流で、固く閉ざされていたトムの心が優しく変化していく過程が丁寧に紡がれる本作。
大自然の星空の下で観ることで、自身の悩みや不安に向き合うきっかけや、問題解決へのヒントをくれるかもしれません。
普段はなかなか経験できない大自然の中での映画体験。きっと劇場体験とは全く違った感覚で映画の世界を楽しめ、特別な夏の思い出が出来るはず。
最近は安価で便利なポータブルプロジェクターも登場しているので、気軽に野外上映会が楽しめますよ!
映画レビューサービスFilmarks(フィルマークス)では、作品ページ上でインターネット映画配信サービスでの取り扱いをすぐにチェックできちゃいます。
キャンプ前日に「ダウンロードしようと思っていたあの映画……なんてタイトルだったけ?」とならないように、気になる映画は是非その場でClip!しておくのがオススメですよ。
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