イギリスを代表する人気俳優ユアン・マクレガーの出演映画23本<代表作『トレインスポッティング』など>

映画マニアと呼ばないで

夏りょうこ

映画『プーと大人になった僕』で、大人になったクリストファー・ロビンを演じているユアン・マクレガーの代表作やおすすめ映画を紹介します。

羽生結弦が大好きだという「くまのプーさん」。そのプーさんが登場する有名な児童文学を実写化した映画『プーと大人になった僕』が、9月14日(金)より公開された。

プーさんはぬいぐるみなので、持ち主がいる。それが、少年クリストファー・ロビンだ。

その少年が大人になり、もし人生に疲れていたら?

大人になったクリストファー・ロビンを演じたのが、イギリスを代表する人気俳優、ユアン・マクレガーである。

ユアン・マクレガーは1971年スコットランド生まれ。叔父は『スター・ウォーズ』にも出演した俳優で、その影響もあってか幼い頃から俳優を志望。高校を退学後、演技を勉強しながらスタッフ兼エキストラとして働き始め、1992年にTVドラマで主役デビューをした。

ちなみに短編オムニバス『チューブ・テイルズ』(99)で、監督デビューも果たしている。

そんなユアン・マクレガーが、今までどんな作品に出演してきたのか気になりませんか?

そこで今回は、ユアン・マクレガーの出演作23本をご紹介しよう。

シャロウ・グレイブ』(1994)

大金は人を変える

シャロウ・グレイブ

共同生活を送る3人の男女は、新しく迎えた4人目のルームメイトが部屋で変死しているのを発見。そのそばには麻薬と大金が残されていた。

突然手にしたお金の額が大きすぎた。それによって触発された人間の欲ときたらまるで底なし沼だが、それよりも恐ろしいのは不信感が生み出す疑心暗鬼だろう。あんな奴に奪われるくらいなら……それまでうまくいっていた3人のバランスが、徐々に崩れていく。

映像がスタイリッシュなだけに、切れのよいスリリングさ。ユアンは他の2人に比べるとぼんやりしている無害な傍観者なので、勝ち残りゲームは苦手そう。振り回されて気の毒にと思っていたら、あららら~。最後は不思議にスカッとするサスペンス。

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トレインスポッティング』(1996)

なかなかやり直せない

トレインスポッティング

自堕落な生活を送っていたドラッグ中毒の主人公が、人生を変えようとロンドンで就職したものの、悪友たちが押しかけてきてクビになってしまう。

ユアンを一躍有名にした出世作。“イギリス映画といえば格調高いコスチューム系文芸作品”というイメージを覆し、現代のハチャメチャな若者をテンポのよい斬新な映像で描いて大ヒットした。汚すぎるトイレのシーンは、映画史上に残るかも?

それまで長髪だったユアンが、この作品で坊主頭に。しかもガリガリな姿がいかにもジャンキーで、強烈なインパクトを残した。どんなにイカれていても、友だちだから。そんな彼らの絆はあまりにも強すぎて、共倒れしそう。刹那的で破滅的でスタイリッシュな青春映画。

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ブラス!』(1996)

時代の流れに逆らおうとも

ブラス

1990年代、閉鎖問題に揺れる小さな炭鉱町を舞台に、炭坑夫たちによって結成されたブラスバンドを通じて、音楽と友情に支えられた人生の素晴らしさを描く。

実話をヒントにした物語。音楽映画というよりも社会風刺的メッセージが強いが、恋愛要素も適度に盛り込まれていて観やすい。炭鉱町と音楽コンクールの行方がからみあい、崩壊していくコミュニティのなかでメンバーは誇り高く前を向いて歩いていこうとする。

賭けで楽器を取られてしまったユアン。入院中の指揮者のために病院前で演奏するという大事な時に、楽器がないのでしかたなく口笛で参加する。曲は「ダニー・ボーイ」。背中を丸めて吹くメロディが寂しいのう。おバカで優しい男が似合う。

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ピーター・グリーナウェイの枕草子』(1996)

人間の書の行く末

枕草子

幼い頃から、書道家の父によって顔や体に文字を書いてもらう喜びを感じて育ったヒロインが、自分の肌に文字を書かせることで理想の男を探すようになる。

清少納言の随筆「枕草子」をモチーフに織りなされる異色の映像絵巻。ワダ・エミが手がけた独特な衣裳や美術はもとより、書・カリグラフィーを全編に導入したハイテクノロジーな斬新映像に度肝を抜かれる。

ユアンは彼女に選ばれし男。しかしある男からも愛されていた彼は、彼女との愛を貫くために自ら「人間の書」となって彼の元へ行く。で、その後の運命は筆舌に尽くしがたく、突然ホラーの様相に。あな恐ろしや~。観てみないとわからないこの世界。

普通じゃない』(1997)

流れで誘拐

普通じゃない

小説家を目指しながら清掃の仕事をしていた主人公は、突然クビになったことへの抗議で向かった場所で、たまたま出会った社長令嬢を誘拐するハメになってしまう。

心優しい誘拐犯と気の強い社長令嬢。何もかも正反対の2人が初対面で逃避行することになるドタバタと恋の行方を、ポップな演出で描いたラブコメディ。キャメロン・ディアスのアヒル唇がタフなお嬢様という感じで、ピストルを構える姿も様になる。

いわば狂言誘拐に巻き込まれたユアンだったが、指導権を握られているのも悪くなさそうだ。振り回されているうちにだんだん頼りになってくるような気もして、男としての成長ぶりが楽しい。こういうカップルは意外と上手くいくのよね。

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ベルベット・ゴールドマイン』(1998)

きらめく光の深い闇

ベルベッド

ニューヨークの新聞記者が、上司に命じられて1970年代グラムロックシーンに君臨していたスーパースターの失踪事件について調査を始める。

これはもうデヴィッド・ボウイを連想してしまうのは、仕方ないのではないか。人気絶頂期に狂言暗殺をしたのがバレて行方不明とは、彼はどんな闇を抱えていたのだろう。めくるめく当時の音楽シーンが映し出され、観る者を懐かしさと新しさの世界に誘う。

ユアンはね。彼の熱狂的なファンだったんですよ。なので、自分の人生を振り返りながら当時を回想するシーンが盛りだくさん。それにしても、ジョナサン・リース=マイヤーズとクリスチャン・ベイルのアクの強さときたら……2人に比べると、どうしてもかすんでしまうユアンが残念。

リトル・ヴォイス』(1998)

乗り移ったかのように

リトルヴォイス

大好きだった父の死後、部屋に引きこもって毎日遺されたレコードを聴いて過ごしていたヒロインは、いつしか素晴らしい才能を身につけていた。

もともとシャイな彼女は、父を失くしてからますます殻に閉じこもってまともに口も利けない状態。なので、オドオドした彼女のとんでもない才能が炸裂するシーンには、本当にビックリしてしまう。まるで憑依だ。

そんな彼女には新しいボーイフレンドがいて(いつの間にどうやって?)、それがユアンである。プロモーターの彼は彼女の特殊な才能に気づき、それでひと儲けしようとするのだが、それが彼女によい結果をもたらすのかどうかは観てのお楽しみに。

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スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)

頼りなさそうだけど

スター・ウォーズ

腐敗の一途をたどる共和国に対し、通商連合は見せしめとして惑星ナブーを威嚇包囲するに至ったが、元老院最高議長が共和国の守護者ジェダイに仲裁の助力を求める。

アナキン・スカイウォーカーを主人公とした新三部作の第一章。 敵役であるダース・ベイダーの少年時代を描く。前作から16年ぶりに製作され、ジョージ・ルーカスが引退後22年ぶりに監督したということで、世界中が熱狂した。

ユアンが出演するにあたって、今までのイメージからしてアクションはできるのかね?という心配は失礼でした。だってオビ=ワン・ケノービ役だもの。でも、そもそもスター・ウォーズは殺陣シーンがみどころではないから、これでいいのだ。ついにこんなメジャー映画に出たユアンに、ちょっと感無量。

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ムーラン・ルージュ』(2001)

マイルドな歌声

ムーラン・ルージュ

1899年、パリのキャバレー「ムーラン・ルージュ」を舞台に、踊り子と若き舞台作家が繰り広げるラブストーリー・ミュージカル。

目まぐるしい豪華絢爛な映像と、登場人物がビートルズやマドンナをフツーに歌っているという時代考証無視なところが賛否両論を巻き起こしたが、ニコール・キッドマンとユアン・マクレガーが吹き替えなしの歌声を披露して話題になった。

息もつかせぬドンチャン騒ぎのなか、ホッとするのがユアンの歌声。とても病弱には見えないキッドマンに寄り添う姿が健気だ。彼女に一筋。ダンス要素が弱いのでミュージカルとしてのパンチは今一つだが、斬新という面では一見の価値あり。

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ビッグ・フィッシュ』(2003)

大きな魚になって

ビッグ・フィッシュ

ホラ話が好きな父と折り合いが悪かった息子は、父の危篤を知らされて久しぶりに帰郷するが、病床で相変わらず作り話をする父となかなか理解しあえずにいた。

今でいうと「ついつい話を盛ってしまう」というパターンだが、それにしてもちょっとやりすぎだよお父さん。息子が知りたいのは、父親の本当の過去。それを大男だの花畑だのとマジメに話してくれないので、はぐらかされたような気持ちになってしまう。

若き日の父親を演じているのが、ユアンである。奇想天外な世界に迷い込み、そこで風変わりな人たちと出会うたびに、驚きながらもちゃっかり馴染んでしまう青年。ユアンの夢見がちな青い瞳が、キャラクターにピッタリだ。

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恋は邪魔者』(2003)

女の執念?

恋は邪魔者

1962年のニューヨークを舞台に、啓発書「恋は邪魔者」が世界的ベストセラーになった女流作家と、ジャーナリストでプレイボーイの男との恋のかけひきを描く。

めくるめくファッションや流れっぱなしの音楽にちょっと疲れるが、それも1960年代初頭に流行ったロマンティックコメディへのオマージュだと思えば納得。手の込んだ男女の騙しあいも、何となく懐かしい感じ。

ユアンのプレイボーイぶりが、意外だったけどなかなかよい。誠実そうに見えて実は軽い。でも悪気がないので、何となく憎めない。結局あの育ちのよさそうな笑顔に、女は騙されるのだ。やたらと脱ぐのはサービスショットなのかな。

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猟人日記』(2003)

抑えきれない衝動

猟人日記

1940年代のイギリスで、貨物船の作業員が船長と一緒に女性の水死体を引き上げたことから始まる犯罪サスペンス。

イギリスの実力派俳優たちが出演しているので、安心して観ていられる心地よさ。かすんだグレーの色彩と揺れる水面が退廃的なムードを醸し出し、主人公を取り巻く虚しい運命を暗示しているかのようだ。良作なのに邦題で損をしているのが残念。

猟人というか愛の狩人みたいなユアン。作家を目指していた彼は、性愛に溺れながらも愛がわからない青年である。決して悪人ではないのだが、何を考えているのかわからない不気味さがあり、へ~、こんな役もやるのかとちょっとドキドキ。

アイランド』(2005)

あまりにも近い未来

アイランド

地球が汚染されている時代、快適なコロニーで暮らしていた主人公は、ある光景を目撃したことで身の危険を察知し、恋人と一緒に外の世界へ脱出しようとする。

驚くことに2019年が舞台のSF。抽選に当たれば美しい島「アイランド」へ行けると楽しみにしていたら、とんでもない目に遭うところだったという……今ならその重大な秘密はさほど衝撃的ではないものの、あり得るかもしれぬ恐ろしい未来には変わりない。

当時はスカーレット・ヨハンソンにアクションのイメージがなかったし、ユアンも頼りなさそうなので、2人が手を取り合って逃げるシーンは別の意味でハラハラ。いや、その普通っぽさが非力な一般人としてリアルかも。

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ミス・ポター』(2006)

実は強くて新しい女性

ミス・ポター

1902年のロンドンを舞台に、“ピーターラビット”の生みの親である女性のたくましくも波乱万丈な生き方を描いた伝記映画。

青い上着を着たウサギは超有名だが、その作者が上流階級出身で、環境保護に強い関心を持っていたことについてはあまり知られていないのではないか。しかも、封建的な時代に32歳独身女性が本を出版しようだなんて、かなりパンクな女性である。

そんな彼女を理解し、支えてくれた編集者がユアン。彼の情熱もあったからこそ実現できた夢。相変わらず尽くすのが似合うね。彼女が描いたキャラクターたちがアニメで登場し、作者と共演するのもファンには嬉しい。

ウディ・アレンの夢と犯罪』(2007)

転がり落ちていく

夢と犯罪

ビジネスで成功を夢見る野心家の兄と、酒とギャンブル好きだが家庭的な弟が、小型クルーザーを共同購入したことから思わぬ運命へと巻き込まれていく。

ウディ・アレン監督によるロンドン三部作の最終章。悲劇は喜劇であることを知り尽くした監督による切なさと滑稽さが、何ともいえない無常観を感じさせる。お金のために運命を狂わせていく2人。彼らが特別欲深いわけでもないところが、人間の弱さと人生の残酷さを物語る。

監督によればこのキャスティングは大満足だそうで、ユアン演じる兄の「もう後戻りできない」という葛藤と、「愛する女をどうしても手に入れたい」という欲望のバランスがみどころ。シェイクスピアにも通じる結末が、深い余韻を残す。音楽も素晴らしい。

フィリップ、きみを愛してる!』(2009)

しつこく会いにいく

フィリップ

ある事故をきっかけに、自分に正直に生きようとカミングアウトしたゲイの男が、刑務所で出会った運命の相手に「愛してる」と伝えるため、犯罪と脱獄を繰り返す。

こんなにドラマチックで感動的なラブストーリーが実話だとは、ステキすぎる。とにかく主人公は、刑務所で会った彼のことが好きで好きでしょうがないのである。で、そのためにウソを重ねてしまうのも、愛の愚かさゆえ。

そんな彼を全身で演じたのがジム・キャリー。そして彼が溢れんばかりの愛を捧げる相手が、ユアンだ。逆でなくて正解。ベッドに両足をそろえて座り、彼からの果敢なアプローチにモジモジするユアンが、カワイイじゃないの。ものすごいハマり役。

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天使と悪魔』(2009)

腹黒いけど憎めない

天使と悪魔

ローマを舞台に、400年の時を超えて蘇った秘密結社によるバチカンへの復讐を阻止するため、ガリレオの暗号コードに挑む学者の活躍を描く。

大ヒット歴史犯罪ミステリー『ダ・ヴィンチ・コード』(06)の続編。シリーズとしてはこちらの方が先なのだが、そこらへんの時系列は混乱しないようにしてある。トム・ハンクスがいつになくカッコよく、でもこういうテーマはほとんどの日本人にはピンと来ないので許して。

ユアンは、ビミョーな立場にいる人物。相変わらずいつも悩んでいるような顔をしていて、黒服に金髪と青い目が映える。彼の信仰心が厚すぎるゆえの視野の狭さを理解できるだけに、ラストはスッキリしない。でも悪役ではないオイシイ役だろう。

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ヤギと男と男と壁と』(2009)

そんなバカな!?

ヤギと壁と

離婚した妻を見返そうと戦争取材へ身を投じたフリーの新聞記者が、見つめるだけでヤギを殺せるという超能力者に出会い、同行させてもらうことになる。

ヤギはあくまでも実験材料。つまり目で人が殺せるということである。ほかにも透視などいろいろできる彼は、アメリカ軍の秘密超能力部隊「新地球軍」に所属するお墨付きの超能力者。これが嘘か誠か、原作のノンフィクション本を読んでみるしかない。

ユアンは傷心の新聞記者役で、優しくて気弱な感じ。「ジェダイの戦士」という発言はウケねらい? ジョージ・クルーニー演じる超能力者の存在感に比べるとあまりにもフツーだが、この異常体験が己の壁をぶち破るきっかけとなってよかった。ジェフ・ブリッジスが相変わらずステキ。

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ゴーストライター』(2010)

うまい話にはワナがある

ゴーストライター

元イギリス首相の自叙伝執筆を破格の報酬で依頼されたゴーストライターが、次第に政界を揺るがす陰謀に巻き込まれていく。

前任者が謎の事故死という危険な匂いのする仕事。しかし、気乗りがしないと思いつつも引き寄せられてしまうのは、人間のサガなのだろうか。冷たい風が吹きすさぶ島には不吉な影が見え隠れし、漠然とした恐怖がジワジワと……これぞロマン・ポランスキー監督の得意技だ。

ゴーストライターを演じたユアンは、秘密を知りすぎてしまう。で、追いつめられてばかりじゃ悔しいので、反撃しようとするのである。こんな政治的サスペンスでガッツリ主役なのは珍しいので、ものすごくハラハラ。さて、巨大な権力に勝てるか?

人生はビギナーズ』(2010)

遅すぎることはない

人生はビギナーズ

母親の死後に父親からゲイであることをカミングアウトされた息子は、75歳で人生を再スタートさせた父親の影響を受け、自分も新しい一歩を踏み出そうとする。

監督であるマイク・ミルズの実体験を基にしているという。確かに行動さえ起こせば、いつでも新たなスタートを切ることはできるだろう。自分を解放したことで、若い恋人はできるわゲイ仲間はできるわで、人生が一気に輝き始めたお父さん。最後くらい好きにすればいいのだ。

38歳にして恋の未経験者という息子が、ユアンである。見るからに内気そうな彼は、自分も殻を破ろうとがんばったり、ゲイだった父親がなぜ母親と結婚したのかが理解できずにモンモンとしたりして、まるで思春期みたい。ちょっと切なくもある人生謳歌。

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砂漠でサーモン・フィッシング』(2011)

やってやろうじゃないの

砂漠で

アラブの大富豪の「イエメンで鮭釣りをしたい」という夢がイギリス外務省後援の国家プロジェクトに発展してしまい、断りきれなくなった水産学者の奔走を描く。

大金さえ注ぎ込めば出来るという問題ではなさそうな無謀なプロジェクト。しかしそれはとんでもないが壮大な夢であり、それもただの気まぐれではなさそうだ。川を流すだけでなく鮭まで大量に泳がせろとはねえ。何かよほどの理由があるのだろう。

巻き込まれ上手なユアンがここでも無理難題を押し付けられ、気がつくと実現に向けて必死になっている博士。「何やってんだろう俺」と思いつつ、こんなバカバカしいことに夢中になる大人はステキ。だって、お金をかけた子供の遊びみたいじゃない?

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8月の家族たち』(2013)

俳優たちの演技合戦

8月の家族たち

オクラホマを舞台に、父親が突然姿を消したという知らせを受けて母親のもとへ集まった三姉妹が、それぞれ本音を明かしていくことで家族の秘密が明らかにされていく。

トニー賞とピューリッツァー賞を受賞した芝居を基にしているだけに、室内で繰り広げられる緊張感あふれる会話劇。仲の良くない家族の再会って怖いわ~。ストーリーの要となる母親をメリル・ストリープが演じ、こういうクセのある役がホントにうまい。

ただでさえ夫の浮気と娘の反抗に悩んでいる長女は、親のゴタゴタまで背負いきれず。母親との根深い葛藤にとうとうキレるシーンがみどころだ。その夫がユアンで、家族会議で浮いているのが可笑しいというか気の毒というか。眉間のシワが効いている。

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チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』(2015)

横恋慕してます

チャーリー

イギリスの諜報機関からの依頼でゴヤの名画を捜索していた美術商が、その絵画に財宝の謎が隠されていたことから、マフィアや国際テロリストの争奪戦に巻き込まれてしまう。

胡散臭くさいちょびヒゲを生やし、事あるごとに知識をひけらかす美術商は、実は破産寸前の貴族。いかにもインチキ商売しそうな彼をジョニー・デップが演じていて、ほとんど1人芝居状態だ。

その彼と妻の大学時代の同級生で、今でも彼女に想いを寄せている諜報機関の警部補がユアン。どちらかというと道化役なので、そんな真顔でカッコよく演じなくても……何だかもったいない。ジョニデにもっとガツンと言ってやれ~。

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いかがでしたか?

正統派ハンサムで優しい。そんなイメージを覆すような役が意外と多く、007シリーズで新ジェイムス・ボンドを誰が演るのかと大騒ぎしていた頃には「ひょっとしてユアンかも?」という声もあったほど。

頼りなさそうだけど実は凄腕スパイで、女にモテるが情けはかけないクールさもあり。007のイメージは変わるけど、思い切ってユアンでもアリかもしれない。

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