フランス発のベストセラー小説を映画化した『ぼくは君たちを憎まないことにした』の予告映像と本ポスターが公開された。
【予告】『ぼくは君たちを憎まないことにした』(2022)
原作は、家族3人で幸せに暮らしていたアントワーヌがテロ発生から2週間の出来事を綴った同名小説。パリ中心部にあるコンサートホールのバタクラン。アメリカのバンド、イーグルス・オブ・ザ・デスメタルのライブ中に3人の男たちが1500人の観客に銃を乱射し、立てこもった。そこにはアントワーヌの妻・エレーヌと友人がいた。安否確認すらままならないカオスの中で、2日後に判明したのは、友人は生き延び、エレーヌは犠牲となった受け入れがたい事実だった。
監督は『陽だまりハウスでマラソンを』(2013)などのキリアン・リートホーフ。アントワーヌの手記に心打たれた監督はすぐさま映画化を決断し、ドイツ人の立場からフランスで実際に起きた悲劇を客観的に見つめ、平明な言葉で憎しみの連鎖を拒絶するアントワーヌに焦点を当てた。
主演は、『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』(2014)、『エッフェル塔~創造者の愛~』(2021)などのピエール・ドゥラドンシャン。負の感情と自らの言葉の間で苦悩する、感受性豊かなアントワーヌを熱演している。妻のエレーヌ役にはシンガーソングライターであり『レッド・スネイク』(2019)などに出演したカメリア・ジョルダーナ。お風呂と絵本が大好きなメルヴィルを、当時3歳だったゾーエ・イオリオが子役コーチによる演技訓練や長時間にわたるリハーサルに耐え、ママの不在に悲しみの涙を流し、笑顔を忘れたパパを支える愛息を演じている。
この度公開された予告映像では、愛する妻を突然奪われてしまったアントワーヌが悲しみや不安、怒りを押し殺し「僕と息子が幸せで自由な人生を送ることで、君たちは恥じ入るだろう。君たちは負けだ、人生は続く。君たちに憎しみを送らない」と、SNSを通してテロリストへの手紙を投稿し、その強いメッセージが全く間に世界中を駆け巡る様子が描かれている。小さな息子・メルヴィルが母の動画を見て喜んでいるシーンや、母親のお墓の前でアントワーヌとメルヴィルが抱き合う場面が差し込まれ、人間の強さを感じると同時に、父子のこれからに想いを馳せる予告映像となっている。
【本ポスター】『ぼくは君たちを憎まないことにした』
併せて本ポスターも解禁された。見つめ合うアントワーヌとメルヴィルの幸せな時間を映し出した場面に、“ふたりなら、きっと大丈夫”というキャッチコピーが添えられ、心揺さぶる感動作であることが伝わってくる。
『ぼくは君たちを憎まないことにした』は、2023年11月10日(金)より、TOHO シネマズ シャンテほか全国ロードショー。
『ぼくは君たちを憎まないことにした』あらすじ
2015年11月13日金曜日の朝。ジャーナリストのアントワーヌ・レリスは息子のメルヴィルと一緒に、仕事に急ぐ妻のエレーヌを送り出した。息子のために健康的な朝食を手作りして体調管理に気を配り、おしゃれでユーモアのセンスもある。最高の母であり、最愛の妻が、突然、天国へ行ってしまった。そんな時でも息子はお腹を空かせ、砂で遊び、絵本の読み聞かせをねだる。誰とも悲しみを共有できない苦しみと、これから続くワンオペ育児への不安をはねのけるように、アントワーヌは手紙を書き始めた。妻の命を奪ったテロリストへの手紙は、息子と二人でも「今まで通りの生活を続ける」との決意表明であり、亡き妻への誓いのメッセージ。一晩で20万人以上がシェアし、新聞の一面を飾ったアントワーヌの「憎しみを贈らない」詩的な宣言は、動揺するパリの人々をクールダウンさせ、テロに屈しない団結力を芽生えさせていく。
監督・脚本:キリアン・リートホーフ
原作:「ぼくは君たちを憎まないことにした」
配給:アルバトロス・フィルム
公式:nikumanai.com
(C)2022 Komplizen Film Haut et Court Frakas Productions TOBIS / Erfttal Film und Fernsehproduktion
※2023年9⽉22⽇時点の情報です。