日本が世界に誇る映画監督・北野武(ビートたけし)の最新作にして構想に30年を費やした映画『首』の本予告と本ポスターが公開された。
【本予告】『首』(2023)
“本能寺の変”をテーマに、信長・秀吉・家康・光秀ら武将たちの野望、裏切り、運命を壮大なスケールで描く戦国スペクタル超大作。北野武監督初期の代表作の1本『ソナチネ』(1993)と同時期に構想し、30年に渡って温めていた本作。巨匠・黒澤明が生前「北野くんがこれを撮れば、『七人の侍』(1954)と並ぶ傑作が生まれるはず」と期待していた念願の企画である。
この度解禁となった本予告では、野ざらしにされた屍があまた転がっている戦場、燃え上がる本能寺が映し出される。大義も情けも無い狂乱の戦国の世を生きる織田信長(加瀬亮)・羽柴秀吉(北野武)・徳川家康(小林薫)・明智光秀(西島秀俊)ら武将たち、そして忍・芸人・百姓……それぞれの野望・欲望・裏切り・策略が入り乱れるさまが鮮烈に描かれている。
さらに、荒木村重(遠藤憲一)、難波茂助(中村獅童)、曽呂利新左衛門(木村祐一)、羽柴秀長(大森南朋)、黒田官兵衛(浅野忠信)、千利休(岸部一徳)といった日本映画界を代表する錚々たる俳優陣も登場。燃え上がる本能寺、血肉飛び散る“山崎の戦い”……信長の跡目をめぐる死闘の果てに待ち受けているものとは!? 息を呑んでしまうような緊張感とド迫力の映像に目を奪われる。
【本ポスター】『首』
あわせて公開されたのは、狂乱の戦国の世を生きる曲者たちの眼光の鋭さから強い覚悟・野望・欲望が感じられる本ポスター。「狂ってやがる。」というキャッチコピーが人間の奥底に眠る計り知れないおぞましさ、無骨さを際立たせており、強烈な印象を与えるビジュアルに仕上がっている。
本作の台本を読んで、独特の世界観を感じたという西島は「生きるか死ぬかの毎日で、首だけになってしまえば、地位も名誉も何もないという無常観。死と隣り合わせの日々の中、滑稽なことと笑った直後に悲惨なことが起きたり……他の監督では感じることのできない、北野監督ならではの世界観があった」。加瀬も「北野監督は色々な戦いを経てトップに立った方。その中で色々を感じたことをあらゆるキャラクターに散りばめていて、それぞれの武将たちには監督の人生とも重ねられると思った」というのが最初の印象だったと明かした。
また西島は『Dolls ドールズ』(2002)以来の北野組への参加となった。「急遽追加になったシーンで大掛かりなセットを組んだのに1カットで終わったことがあった。準備にいくらかけても『ここは撮り切った、もう大丈夫』という判断、切り替えは当初と変わらない。今回も直前で追加になった大掛かりなシーンがあって、すごい労をかけたのですが、ヒキのカットを撮ってすぐ終わってしまう。そういったところに監督の美学を感じたし、ずっと変わっていないと感じた」と撮影中のエピソードを交えて振り返った。
一方で「アウトレイジ」シリーズにも出演した加瀬は「今までは助監督を通じて演出を受けていたが、今回は北野監督が直接現場に来て、一言ふた言おっしゃってくれることが多く、丁寧な演出を多く受けた感じがした」と話す。
また大森は「すぐ本番に行くという恐怖がある」と語る。何もするなという空気を感じながらも、役者として何もしないわけにもいかないと振り返り、「一度、どこまで許されるのか、北野監督との気配でせめぎ合うというか……でもこれは本当に怖い。よっぽどのことがないと北野監督は『もう1回』っておっしゃらないんですよ。何回も同じことをやるのも大変ですが、1回しかできないという緊張感。これもすごく感じました」と、それぞれが北野監督と過ごした撮影時間を明かした。
『首』は、2023年11月23日(木・祝)全国公開。
『首』あらすじ
天下統一を掲げる織田信長は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい戦いを繰り広げていたが、その最中、信長の家臣・荒木村重が反乱を起こし姿を消す。信長は羽柴秀吉、明智光秀ら家臣を一堂に集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索を命じる。秀吉の弟・秀長、軍司・黒田官兵衛の策で捕らえられた村重は光秀に引き渡されるが、光秀はなぜか村重を殺さず匿う。村重の行方が分からず苛立つ信長は、思いもよらない方向へ疑いの目を向け始める。だが、それはすべて仕組まれた罠だった。果たして黒幕は誰なのか? 権力争いの行方は? 史実を根底から覆す波乱の展開が、“本能寺の変”に向かって動き出す……。
原作:北野武『首』(角川文庫/KADOKAWA 刊)
監督・脚本・編集:北野武
出演:ビートたけし、西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、木村祐一、遠藤憲一、勝村政信、寺島進、桐谷健太、浅野忠信、大森南朋、六平直政、大竹まこと、津田寛治、荒川良々、寛一郎、副島淳、小林薫、岸部一徳
製作:KADOKAWA
配給:東宝、KADOKAWA
公式:https://movies.kadokawa.co.jp/kubi/
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※2023年9⽉25⽇時点の情報です。