【映画で堪能する山の世界】壮絶!実話を元にしたスリリングな山岳映画5選

映画と美味しいものが大好きです

マリナ

紅葉の美しい季節になってきました。この時期、山に登ってその美しい自然を堪能される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

山の中を走るトレイルランニングが流行ったり、テレビ番組ではタレントが登山に挑戦したりと最近また注目を集めている「山」。映画でも魅力的な舞台として、これまで数多くの山岳映画が作られきました。

今回はこれまで作られてきた山岳映画の中から、実話を元にしている5作品をご紹介したいと思います。

日本を代表する山岳映画『八甲田山』

山4

明治時代、日本軍が行った八甲田山行軍の最中で遭難し、200名近い隊員が死亡した壮絶な事故を描いた映画です。

高倉健をはじめ、北大路欣也、三國連太郎など日本を代表する名優たちが多数出演しているのも魅力的ですが、この映画の見どころはやはり実際に真冬の八甲田山で撮影した迫力ある雪山の映像。腰まである雪に、ごうごうと吹く風や視界を遮る吹雪など、真冬の雪山がいかに恐ろしいかが映像を通して伝わってきます。

さらに、はじめは「遠足みたいだ」とはしゃいでいた隊員たちが遭難し、雪山に閉じ込められてどんどん狂気が満ちてくる様子はとても衝撃的です。

今から30年以上も前に作られた作品ですが、これ以上の山の恐ろしさを描いた日本映画はないと言っていいほどです。今見ても鬼気迫る迫力がある、まさに日本を代表する山岳映画と言えるでしょう。

山に登ることで深まる人々の絆を描いた『劔岳 点の記』

山1

こちらも『八甲田山』と同じく明治時代の日本が舞台の山岳映画です。日本地図の最後の空白地帯を埋めるため、未踏峰の劔岳へ挑む測量隊を描いています。

当時どのように山に登っていたのかを忠実に再現している作品です。特に、今の時代の装備でも登るのは難しいこの山を、当時の人たちは草履にただの木の棒1本を支えに登っていたことには驚かされます。

作中に「自然の美しさは厳しさの中にしかない」というセリフが出てきます。夕日に照らされた雲海や、色とりどりに紅葉した山の風景などは本当に美しく、見ていてため息が出てしまうほどです。

しかし、一変して横殴りの雨や吹雪によって荒れた姿はさっきと同じ山とは思えません。そんな本当の山の姿を、この映画ではCG処理にほとんど頼らず撮影しています。

そして山を登っていくうちに、測量隊と彼を支える人々や、さらには敵対していた人々との間にさえも絆が生まれていきます。山を登る人々は皆仲間だということを教えてくれる作品です。

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山によって引き裂かれる兄弟の運命『ヒマラヤ 運命の山』

山2

1970年、ヒマラヤナンガ・パルパートのルパール壁登攀に挑むメスナー兄弟を描いた作品。

物語は兄弟が幼い頃から始まり、どのように成長していったかが丁寧に描かれていき、いつの間にかこの兄弟に感情移入していることに気づくのです。

幼い頃から登山家になるのが夢だった兄弟についにその夢を叶えるチャンスが訪れます。しかし、この強大な山を前に「なんとしてでも登頂を成功させたい」「誰よりも一番に登頂したい」という欲が出てしまったことから彼らの運命は一変。

次第に山は荒れ始め、ついに弟はその牙にやられてしまいます。しかし、兄は最後まで諦めずなんとか二人揃って生還しようと奮闘します。

ラストには映画で描ききれなかった数年後の兄弟について少し触れており、そこには再びこの山に挑む一人の男の姿があります。二人を繋いでいた「山」という存在が彼らを引き裂いてしまったことを、残された彼はどう思っているのでしょうか。最後まで目が離せない感動作です。

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本人たちの口から語られる真実とは『運命を分けたザイル』

山3

1985年にアンデス山脈の難関、シウラ・グランデ峰に挑んだ若き登山家のジョーとサイモン。彼らの下山中に起こった悲劇を描いた映画です。

この作品の特徴は、本人達によるインタビュー映像と、役者による再現映像で構成されているところです。再現映像もとてもリアリティがあり、それだけでも観ていて充分迫力があるのですが、そこに本人たちの言葉が入ることで、さらに生々しい作品に仕上がっています。

生きるか死ぬかの究極の選択に迫られたジョーとサイモン。そこで鍵となるのがこの映画のタイトルにもなっている「ザイル」(登山用の紐)です。たった一本のこの紐がその運命を文字通り「分けて」しまうことになるとは当時の彼らは思わなかったでしょう。

一体彼らはどういう答えを出したのか。そしてなぜその答えを出したのか。この映画を観終わった後、思わず自分だったらどうしたかと考えずにはいられなくなります。

極限状態に追い込まれた人間の心理や行動はどうなるのか、嘘のない真実を見ることができる貴重な作品です。

強い生命力が生み出した驚異の決断『127時間』

山5

2003年、ユタ州にあるブルー・ジョン・キャニオンで登山家のアーロンがキャニオニングを楽しんでいた最中に岩と共に滑落。その際右腕が岩と壁の間に挟まれ、身動きが取れなくなってしまってからの127時間を描いた映画です。

冒頭は軽快な音楽が流れ、これまで紹介してきた4作品と比べてもとても明るい雰囲気です。しかし、目的地に到着し、岩と共に滑落してしまってからはこれまでのどの作品よりも衝撃的な物語が始まります。

アーロンは岩と格闘しながら、これまでの人生を振り返っていきます。その様子をこの作品を手がけた鬼才ダニー・ボイル監督は独特の映像表現でドラマティックに描いています。

数日を過ぎても岩は一向に動かず、水や食料も尽きたアーロンは死を感じ始めます。そんな彼の頭の中に今まで見たことのない子供の姿がぱっと浮かび、それが誰なのか気づいたときに最後の力を振り絞り大きな決断をします。

一体彼を突き動かしたその子供の姿は何だったのでしょうか。そして下した決断は彼自身をどう導くのでしょうか。衝撃的なラストには人間の持つ生命力の強さがあらわれています。

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山でしか見ることのできない世界

今回ご紹介した5作品はどれもスリリングな作品ばかりですが、それと同時に山が持つ魅力も味わえる作品です。普段の目線では見ることのできない山の世界を描いた映画をこの秋堪能してみてはいかがでしょうか。

 

※2020年10月28日時点のVOD配信情報です。

 

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  • たでくうむし
    4
    日本映画専門チャンネル
  • ごはん
    3
    みんな剱岳なんでそんなに好きなんだろう。
  • ミサホ
    3.9
    ここのところ、時代や国は違うけれど、登山映画をちょこちょこ観ています。 今回は、新田次郎の原作を映画化したこの作品。彼のご子息の藤原正彦の本はよく読む。数学者といえば堅物のイメージがあるけれど、ユーモアもあって面白い。 さて、本作。原作は未読だし、長尺ながらとても面白かった。 かつての日本陸軍は、国防のためにどうしても空白になっている劒岳の地図を作成しなければならなかったという。 その命を受けた陸軍の測量官である柴田芳太郎(浅野忠信)と仲間たちの途方もない挑戦を描く。 明治の時代なので、服や靴、リュックなどの装備も今のように軽量化された機能的なものはない。 登山映画を観る度に、登り切る体力と精神力に感嘆する。ましてや本作は、観光登山のように比較的安全なルートが確保された中、楽しむのとは訳が違う。 わたしなんかは近所の坂道登るだけで、息が切れて、はぁはぁ言うとるんです。 柴田たちのガイドをつとめる長次郎(香川照之)がいい。獣の皮を腰に巻いて、ひょいひょいと岩山を登っていくさまは、野生的で頼もしい。 また、一方で、陸軍の非情さやメンツというのもあぶり出される。 劒岳のことを調べていくと、測量に関わる政治的な思惑なんかもあって、中々興味深い。 劇中、雷鳥が出てくるシーンがあって、大好きな信州銘菓「雷鳥の里」を思い出しました。
  • 掛谷拓也
    3.2
    登山する人と話をすると話題になるので見た。監督の木村大作と立山で会って話をしたという人もいる。陸軍の陸地測量部と発足したばかりの日本山岳会の剱岳初登頂競争がテーマ。測量部の浅野忠信、山岳会の仲村トオル、山案内人に香川照之の中では香川照之がよかった。ヴィヴァルディ、バッハなどの音楽が多用されていたが、音量、演奏など前に出過ぎていて気になった。最初の音楽でストーリーに集中できなくなった。いろいろいい良いところのある映画だが、残念な点も多い。原作は未読。
  • 砂井戸
    -
    某映画評で観たいと思っていた。CG空撮未使用への異様な執着で撮られた大自然の中で話がゆっくり進む。台詞回しは監督の思想が丸出しすぎて説教臭いけど言いたいことはまあわかります。そして監督の「古い技術でも最新技術に勝てる!」思想丸出しであるゆえに、主人公の対極の存在として描かれる山岳会、確かにロッキー4的ではあるけど、装備が最新鋭だったくらいでこんなヤな奴じゃないでしょ流石に。というか日露戦争直後で景気はそこそこ良かっただろうに一般人であろう山岳会以下の装備しか使わせない陸軍ケチだなって、根性で何でも済まそうってそりゃ戦争勝てなくて当然ですわってなるでしょ、そして測量が目的なんだから前人未到じゃなかったからってそんな足蹴にしなくてもいいじゃん、でも千年前の修験者はあの世でガッツポーズだと思うの。 香川照之がフツーの人物やってるともう違和感を覚えるようになってしまった。
劔岳 点の記
のレビュー(4371件)