ミュウツーってなに?ポケモン映画最新作『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』を観る前におさらい!

アニメの風通しがもっと良くなりますように

ネジムラ89

2019年7月12日公開の劇場版ポケットモンスター最新作『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』を観る前に伝説のポケモン「ミュウツー」について詳しくおさらい!

いまから20年以上前の1998年7月18日。あの大人気TVアニメシリーズ「ポケットモンスター」の劇場版第1弾劇場版ポケットモンスターミュウツーの逆襲』が公開されました。

あの頃、期待に胸躍らせて劇場に足を運んだ小学3年生の少年は、すっかりアラサーです。

そんな『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』はファンの中では、今なお“最高傑作”と呼び声高い映画なのですが、2019年にフル3DCGリメイク版として『ミュウツーの逆襲EVOLUTION』の公開されます。果たして「ミュウツーの逆襲」とはどんな作品なのか、そもそもミュウツーとはどんなキャラクターなのか。そんなあれこれを改めて紹介します。

そもそもミュウツーってどんなポケモンなの?

ミュウツーの逆襲 EVOLUTION

まず第一に、ミュウツーってそもそも何者なの? という人も多いと思うのでミュウツーがどんなキャラクターなのかを紹介します。ピカチュウを始め、数々のポケモンが初めて登場したのは1996年発売のゲームボーイ専用ゲームソフト「ポケットモンスター赤・緑」。社会現象レベルでの大ヒットゲームとなったこのシリーズ第1作目の作品で、ゲームの最後にプレイヤーを待ち受ける最強のポケモンが、ミュウツーです。

遺伝子ポケモンに分類されるミュウツーは、設定もポケモンの中ではかなり特殊です。ミュウという幻のポケモンの遺伝子をもとに人間の手によって生み出された数少ない人工ポケモンの一匹であり、設定のシリアスさはポケモンの中でも屈指のキャラクターとなっています。

サイコキネシスやサイコカッターなど、エスパータイプに分類されるミュウツーは、超能力を駆使して敵と戦います。映画『ミュウツーの逆襲』では高い知性を持つことも描かれており、人間たちとテレパシーにより会話ができるほか、独自開発のモンスターボール“ミュウツーボール”で、人間たちの所有するポケモンを奪い取ってしまうという脅威的な科学力まで有しています。

逆風の中の公開だった『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』(1998)

劇場版ポケットモンスターミュウツーの逆襲

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さて、そんな『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』(以下、ミュウツーの逆襲)は、ポケモンの映画シリーズの第1作として公開されたわけですが、今でこそ、毎年当たり前のように公開されているポケモンの映画シリーズも、当時は公開ができるかどうか危ぶまれている状況だったといいます。というのも、当時TV放送されていたアニメシリーズ内にて、刺激の強い発光演出が含まれていたことにより、多くの視聴者が“光過敏性発作”を起こしてしまった、あの“ポケモンショック”事故の渦中にあったからです。

当初はTVアニメで映画とリンクした内容を放送する計画などもされていたのですが、“ポケモンショック”によってTVアニメも一時的に放送を見合わせる事態となっており、その計画も中止となりました。

『ミュウツーの逆襲』は、ネガティブイメージが強い状況という、逆風の中で公開された作品だったのです。

邦画の歴史上に名を遺す世界的大ヒット映画へ

そんな逆境を抱えながらも公開を果たした『ミュウツーの逆襲』。万全とは決して言えない状況下での公開となったわけですが、興行結果はその逆境を跳ね返す見事な成績を収めます。

蓋を開ければ、公開初週から満員御礼。最終興行収入記録は70億円を超える大ヒットとなり、1998年公開のアニメーション映画で1番の成績を収めました。

その波は日本だけにとどまらず、世界各国での上映を果たし、映画の大手市場であるアメリカでも金字塔といえる記録を打ち立てます。全米興行収入記録は8,000万ドルに及び、2018年現在も、それを超える邦画作品は登場していません。

20年以上、『ミュウツーの逆襲』はアメリカ市場で最も成功した邦画として君臨しているのです。

大人の鑑賞にも耐えうるストーリー

作品の内容としても、『ミュウツーの逆襲』は、歴代ポケモン映画の中でも異例の作品となっています。なんといってもテーマが重いのです。

映画のキーキャラクターとして登場するポケモン「ミュウツー」は、人工の生物という特殊な境遇を持ったキャラクター。幻のポケモン・ミュウを基に創られたミュウツーは、同じく既存のポケモンから人工的に作られたコピーポケモンたちを率いて、人間たちに牙を向くという物語となっています。

これは現実の問題として存在するクローン技術に対する倫理的な課題への問いかけとしても受け取ることができます。また同じ生物でありながら、存在に一線を引かれるという点で“差別”問題を扱った作品でもあり、そのことは後に脚本を務めた首藤剛志氏からも明言されています。

あまりにシリアスで子供には難しめなテーマであったこともあってか、後のポケモンシリーズでは、勇気や友情といった、子供にも理解しやすいテーマが取り上げられるようになりました。おかげで『ミュウツーの逆襲』は結果として、ポケモン映画の中でも随一の社会派といえるテーマの作品となったわけです。

ミュウツーの活躍する作品はほかにもある?

そんな『ミュウツーの逆襲』の公開からこの20年以上の間に、それ以外にも様々な映像作品でミュウツーの活躍が描かれています。

劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒

まずは『ポケットモンスター ミュウツー! 我ハココニ在リ』。2000年にTVアニメ『ポケットモンスター』シリーズのTVスペシャル版として放送された中編です。本作は映画『ミュウツーの逆襲』の後日談が描かれ、『ミュウツーの逆襲』に登場したミュウツーとサトシが再会するという物語が描かれます。今は亡き首藤剛志が『ミュウツーの逆襲』に続いて脚本を担当しており、『ミュウツーの逆襲』からさらに踏み込んだ、個の存在意義についての回答を描きます。

劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒

映画シリーズに久しぶりにメインキャラクターとして登場したのが劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒(2013)です。本作では『ミュウツーの逆襲』で描かれたミュウツーとはまた別の存在として、ミュウツーが登場しており、高島礼子が吹替を担当しています。今作では当時、発売を目前に控えたゲーム最新シリーズに登場するメガシンカという特殊な能力を先行公開した作品であり、ミュウツーもメガミュウツーへと姿を変え活躍します。

名探偵ピカチュウ

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ハリウッドで実写映画化を果たしたことでも話題となった名探偵ピカチュウ(2019)も実は、ミュウツーが活躍する映画の一つです。名探偵ピカチュウの誕生の秘密を握る役どころでもあり、冒頭からクライマックスに渡って、ピカチュウに負けじと大活躍してくれます。ふさふさな毛並みのピカチュウに比べて、独特の質感を持った実写版ミュウツーにも注目です。ちなみにこのティムとピカチュウがビル群を眺めているこの名探偵ピカチュウのビジュアルにも実はこっそりミュウツーの姿が映っているのですが、皆様は見つけられましたか?

名探偵ピカチュウ

最新作『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』(2019)がいよいよ公開!

ミュウツーの逆襲 EVOLUTION

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さて満を持して公開される『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』(19)。前述の『劇場版ポケットモンスターミュウツーの逆襲』(98)をフル3DCGで蘇らせた本作では、全てのポケモンのはじまりと言われ、「清らかな心と、会いたいと強く願う気持ち」の2つを持つ冒険者の前にだけ現れるという幻のポケモン・ミュウの化石を発見した科学者が、禁断の行為に手を染めて生み出された伝説のポケモン・ミュウツーが、自分を生み出した人間に逆襲する姿を描きます。ボイスキャストは第1作でミュウツーの声を担当した市村正親が再び務めることとなっており、前作のファンも胸が熱くなりますよね。

ミュウツーの逆襲 EVOLUTION

最新作を観に行く前や、観に行った後の予習復習に、ぜひこれらの作品もチェックしてみて下さいね。ここまで全部観終えたあなたは、きっとすっかりミュウツーマスターとなっていることでしょう。

ミュウツーの逆襲 EVOLUTION

(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku、(C)Pokemon、(C)2013 ピカチュウプロジェクト、(C)2018 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.(C)2018 Pokemon、(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku、(C)Pokemon (C)2019 ピカチュウプロジェクト

※2021年6月14日時点のVOD配信情報です。

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  • つばさ
    3.5
    元の映画は未鑑賞。サトシの件うるうる来た。それだけ。
  • タカノリンコ
    2
    元のヤツは観てまてん。アーマード・ミューツーはカッコよかった。ストーリーすべてに合理性がなく子供だましな作り方。キッズ映画でも最低限納得できるストーリーを。 今回の学び ピカチュウ語でピカピ=サトシ
  • ロクサス
    2.5
    これ観るなら本家みます。アイの話カットするなんてありえへん。
  • エオルの子
    3.7
    ポケモン映画を全部見てるわけではないがやはりこれが一番かな。オープニングから懐かしすぎて嬉しかった。CGで作り直す必要性は分からないけど改めて見れたので良し!👍👍 キラキラパワーが集まってサトシ復活ー!ってのはちょっとな。そこは納得出来る合理性がほしかった。 ミュウツーの背中と頭を繋げてる管みたいなやつ、なんかに引っ掛けそうだよね笑 声は昔のをそのまんま使ったんですかね?レイモンドに運昇さんだし🥲🌸
  • 文学したい
    3.4
    思い出補正込みで、「ミュウツーの逆襲」という作品自体はポケモン劇場版として最高だと思います。なのでレビューには今作での新たな要素(補充シーン、CG等)について書くことにします。 しかし石塚運昇さんの声でよかった。 ・CGに違和感。 メインのミュウツーがなんというかキモくて、ショックだった。旧作ではかっこいいキャラだと思っていたんだが。 あと人物は単純に動きが気になったし、キャラデザが好みではなかった。ジュンサーさんのミニスカートとか気持ち悪く感じた。 ・見慣れぬカイリューにケンカをふっかけるリザードン、タケシがスイートをナンパ……などの解釈は納得。一方で、R団の渡し船が前作(バイキングなのになぜかいなせで船首がニャース)の方が好きだったなぁとか懐古厨としてそこの変化は受け入れられない。 ・これは前作からだけれども、というか突っ込んだらアニポケ全面否定だけれども、フシギバナバトルの時のソラオ「葉っぱカッター!(ドヤァ)」に対してミュウツーが真面目に「つるのムチ!(ドン)」って指示出してるのが面白過ぎて。ほかのバトルシーンも然り。 ・デザイン担当の方には申し訳ないのですが、アーマードミュウツーがダサ…… ・旧作のエンドロールではサトシたちの顔がうまく見えないのがずっと続いていて、特に「♪大地踏み締めどこまでも行こうか目指したあの夢を掴むまで〜」のところの演出最高だと思うんだけれども、これは好みの問題かなぁ。小学館各誌の読者イラストで、ちゃおの読者が描いたイラストがめちゃくちゃちゃおらしくって、そこが和んだ。 結局思い出には勝てないなぁ。
ミュウツーの逆襲 EVOLUTION
のレビュー(12909件)