石井裕也監督最新作『本心』より、池松壮亮と三吉彩花のコメントが公開された。
【コメント】『本心』(2024)
映画『本心』は、自ら死を望んだ母の“本心”を知るため、AIで彼女を蘇らせることを選択する青年・石川朔也と、彼を取り巻く人間の【心】と【本質】に迫る革新的なヒューマンミステリー。
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池松は「“AIで人が蘇る時代”について「(亡くなった人に会えるという)個人的なポジティブが選ばれすぎて、いずれ世界は壊れていくんではないかと思うと、恐ろしく感じています」と危機感を告白。本作誕生の背景にはそんな池松の“恐怖心”が影響しているそうで、「人が人なるものを作ってしまう時代がそう遠くない未来までやってきていると思います。そうなった時にどうするか、たくさんある未来を選ぶ時にこの作品が一つの基準として見てもらえるんじゃないかと思っています」と映画化の企画を持ち込んだ際の“本心”を明かした。
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2019年に新聞連載が開始され、2021年に出版された原作小説「本心」。当時は2040年代を舞台にした“未来の物語”として描かれていたが、現実では想像を超える速度でテクノロジーが発展していることを受け、映画の舞台設定は“今から地続きの少し先の将来(始まりは2025年)”へと前倒しされた。
池松自身も時代の変化を肌で感じているそうで、「ちょうど本作の撮影に入る数日前に、中国の青年がAIアバターでおばあちゃんを作ったというニュースが出ていて、すぐにこういった世界がやって来るんだと感じました。その時のためにも数年後にやってくるかもしれない未来をエンタメとして形にし、少しでも触れてもらうことで想像の射程を伸ばすことに繋がればと思いました」と語っている。
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劇中に登場する“亡くなった人をAIで蘇らせる”サービスは、既にアジア各国でビジネス展開されている。また、「アバター」シリーズや『タイタニック』(1997)などの名作を手掛けてきた巨匠ジェームズ・キャメロン監督が、画像生成AIを開発した企業に参画することが発表されたり、AIが脚本のほぼすべてを書いた短編映画が実験的に作られたり、『悪の教典』(2012)や「クローズ ZERO」シリーズの三池崇史監督がAI映画制作プロジェクトを立ち上げたりと、映画業界においてもAIを活用しようとする動きが活発化している。進化したテクノロジーに対する期待と懸念の声が入り混じっており、まさに今は時代の変革期だ。
そんな時代の到来をいち早く察知して誕生した本作では、生前のパーソナルデータを基にAIで人格を形成する技術VF(ヴァーチャル・フィギュア)を使って、急逝した母・秋子(田中裕子)の本心を探ろうとする朔也の姿が描かれる。
朔也に協力する女性・三好彩花を演じた三吉彩花は「もし亡くなった方をアバターとして作ることができて、リアルな会話まで出来たらきっと私も嬉しいと思います。でもVFゴーグルを外したら独りぼっちなんですよね。今は色々な技術や手段が出てきて、人の心を理解した気になってしまいがちですが、結局楽しいことも辛いこともちゃんと人と向き合うからこそ生まれる感情だと思うので、私はアナログの繋がりを大切にしていきたいと改めて感じました。この作品が自分自身や周りの人と向き合うきっかけになればと思います」と熱弁。日々著しく進化するテクノロジーが人々に新たな幸福をもたらす一方で、アナログのコミュニケーションの重要性が忘れ去れてしまうという代償への危機意識を訴えかけている。
果たして、AI技術が発展していく中で人は何を失い、何を見つけるのか。今まさに目の前に迫っている人間の存在を揺るがす問題の答えとは。
『本心』は、2024年11月8日(金)より全国ロードショー。
『本心』あらすじ
工場で働く青年・朔也は、同居する母から仕事中に電話が入り「帰ったら大切な話をしたい」と告げられる。帰宅を急ぐ朔也は、途中に豪雨で氾濫する川べりに母が立っているのを目撃。助けようと飛び込むも重傷を負い、1年もの間昏睡状態に陥ってしまう……。目が覚めたとき母は亡くなっていて、生前“自由死”を選択していたと聞かされる。また、ロボット化の波で勤務先は閉鎖。朔也は、唯一の家族を失くし、激変した世界に戸惑いながらも幼なじみの岸谷の紹介で「リアル・アバター」の仕事を始める。カメラが搭載されたゴーグルを装着し、リアル(現実)のアバター(分身)として依頼主の代わりに行動する業務を通して、人々が胸の内に秘めた願いや時には理不尽な悪意に晒され、人の心の奥深さとわからなさを日々体感してゆく。そんななか、仮想空間上に任意の“人間”を作る「VF(ヴァーチャル・フィギュア)」という技術を知る朔也。いつまでも整理のつかない「母は何を伝えたかったのか? どうして死を望んでいたのか?」を解消したい気持ちから、なけなしの貯金を費やして開発者の野崎に「母を作ってほしい」と依頼する。野崎の「本物以上のお母様を作れます」という言葉に一抹の不安をおぼえた朔也は「自分が知らない母の一面があったのではないか?」と、手掛かりを求めて、母の親友だったという三好に接触。彼女が台風被害で避難所生活中だと知り、「ウチに来ませんか」と手を差し伸べる。かくして、朔也と三好、VFの母という奇妙な共同生活がスタートする。その過程で朔也が知る、母の本心とは。そして「人に触れられない」苦悩を抱える三好を縛る過去、彼女だけが知る母の秘密とは。その先に浮かび上がるのは、時代が進んでも完全には理解できない人の心の本質そのものだった……。
原作:平野啓一郎「本心」(文春文庫/コルク)
監督・脚本:石井裕也
出演:池松壮亮、三吉彩花、水上恒司、仲野太賀、田中泯、綾野剛、妻夫木聡、田中裕子
配給:ハピネットファントム・スタジオ
公式:https://happinet-phantom.com/honshin/
(C)2024 映画『本心』製作委員会
※2024年11⽉7⽇時点の情報です。

