映画「アウトレイジ」シリーズは、ヤクザの熾烈な抗争を描く北野武監督の作品。
キャッチコピーは「全員悪人」、「下剋上、生き残りゲーム」。ヤクザ界の壮絶な権力闘争が展開されるバイオレンス・アクション・エンターテイメントです。
今回は「アウトレイジ」シリーズを公開順に紹介いたします。
『アウトレイジ』(2010)
関東一円を取り仕切る巨大暴力組織・山王会が、直参である池元組に池元と付き合いのある村瀬組を締めるよう苦言を呈する。池元はその仕事を配下の大友組組長(ビートたけし)に任せる。こうして大友組は巨大な暴力組織を相手に下剋上抗争を繰り広げることになる。
ビートたけしの他には椎名桔平や三浦友和、北村総一朗など、豪華な俳優陣が“全員悪人”を演じる群像劇は、裏切りや打算など壮絶な権力闘争がバイオレンス描写たっぷりに展開される。過激なバイオレンスシーンは、先に拷問の仕方が考えら、ストーリーは後付けになっている。
『アウトレイジ ビヨンド』(2012)
前回の抗争から5年。山王会は関東の頂点を極め、政界にまで勢力を伸ばしていた。山王会の壊滅を目指す刑事の片岡(小日向文世)は、関西最大の花菱会と対立させるよう仕向ける。関東と関西の二大勢力の抗争が始まろうとしている中、獄中で死んだとされていた大友が出所してくる。大友はこの巨大な抗争にどう出るのか。
北野武監督作品では初の続編となった。前作同様テンポが良く、次に誰が死ぬのか、またどんな殺され方をするのか気になってしまう。前作のキャストに加え、西田敏行、高橋克典など新たに豪華な俳優陣が加わり再び裏切りや騙し合いが展開される。
『アウトレイジ 最終章』(2017)
山王会と花菱会の巨大抗争後、大友は韓国で日韓を牛耳るフィクサー・張会長の下にいた。ある日、韓国に滞在していた花菱会の幹部が張会長の手下を殺してしまう。これをきっかけに張グループと花菱会の関係は一気に緊張状態に発展。激怒した大友は日本に戻り、過去を清算する機会を伺っていた。一方花菱会ではトップの座を巡り、幹部たちの暴走が始まり……。
1人1人の濃いキャラクターが全員大暴走するのが見どころ。予想外の裏切りや時折見せる人情など、最後まで圧倒されっぱなしで目が離せない。最後にふさわしい内容となった。
【文・タナカリオ】
(C)2010「アウトレイジ」製作委員会(C)2017「アウトレイジ 最終章」製作委員会(C)2012「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会
※2020年3月8日時点の情報です。