映画好きにオススメ!名監督の世界観を短時間で楽しめるミュージックビデオ5選

俺は木こりだいい男よく眠りよく働く

谷越カニ

名作には名監督の存在がつきものですが、映画監督になるまでの道のりは様々。

『告白』などで知られる中島哲也は元々CMディレクターでしたし、岩井俊二は『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』を手がけるまではミュージックビデオ(MV)制作の仕事をしていました。反対に映画監督として有名になってからMVを監督する人も多いんです。

映像作家の作家性を短時間で楽しめるMVは、映像ファンにとっては重要なものと言えるでしょう。そこで今回は、有名映画監督が手がけたMVを紹介します!

超有名なあのミュージックビデオも、映画監督が手がけていた!

ジョン・ランディス/スリラー(マイケル・ジャクソン)

世界的に有名な『スリラー』のMVの監督は『ブルース・ブラザーズ』などで知られるジョン・ランディス。ショートフィルムの先駆けとなったMVは、単なるプロモーション用の映像を撮影したくなかったランディスがマイケル・ジャクソンに短編映画の制作を持ちかけて制作されました。もとは映画館で上映するために制作されたのです。

それだけに予算も普通のMVの予算の10倍で、特殊メイクにもかなり気合が入っています。ホラー映画としての演出も見事ですが、マイケル・ジャクソンの演技も良いですよ。ダンスは言うまでもありません。

気鋭の映画監督が手がけたMV

ミシェル・ゴンドリー/Star Guitar(ケミカル・ブラザーズ)

映像の魔術師の異名を持つミシェル・ゴンドリー(『エターナル・サンシャイン』など)が手がけたMVの傑作!

曲中の音に合わせて人物、電車、建築物などのオブジェクトが現れます。思わず見とれてしまうほど音と映像がリンクしていますね。MV監督としてのミシェル・ゴンドリーの作家性が遺憾なく発揮された、まさに最高傑作と言えるMVです。

ファットボーイ・スリム/Right Here, Right Now(ミシェル・ゴンドリー)

こちらもミシェル・ゴンドリーの作品です。生命の誕生から現在に至るまでを描いています。音と映像が絶妙にリンクしていますよね。最後のデブが汗を拭う仕草まで音とリンクさせていて、笑ってしまいます。海の生き物の動きが綺麗で見とれてしまうし、生き物が陸に上がってからの進化の仕方がユニークです。ミシェル・ゴンドリーのMV見ていて楽しい作品ばかり。見ていて全く飽きません。

マーク・ウェブ 21世紀のブレイクダウン(グリーン・デイ)

『(500)日のサマー』で名を上げ、『アメイジング・スパイダーマン』の監督をシリーズ完結まで務めることが決まっているマーク・ウェブ制作のMVです。同名アルバムは21世紀の大きな危機がテーマになっており、この曲が1曲目。

歌詞は悲観的な内容なのですが、MVにはあまり反映されていないようです。中盤からは曲調が変化してそのような描写がありますが、『American Idiot』もバンドが演奏しているだけのMVでしたので映像には思想をあまり反映させない意向があるのでしょうか?

現代社会をストリートアートに象徴させ、最期には実写になり、「見たものを信じろ」と歌うビリー・ジョー・アームストロング。映像的には「現実を見ろ」というメッセージにも取れます。

若手には負けていられない!あのベテラン監督が手がけたMV

大林宣彦 So long!(AKB48)

『時をかける少女』などで知られる大林宣彦が制作したMV。元々アイドルとの相性がいい監督ではありますが、彼が抜擢されたのは『この空の花 長岡花火物語』という2012年公開の映画が大きいのではないかと。

衝撃的なテロップの使い方、意味深ながら印象に残るセリフ、虚構と事実がグチャグチャになるキャスティングなどが話題になった作品ですが、歌唱パートのみの6分短縮版のオープニングを見るだけで「あ、この空の花だ」と確信してしまう程です。

メッセージ性も全く同じでまるで続編のよう。このMVを楽しむために、『この空の花』も見ておくことをおすすめします。

 

どのMVも作家性が出ています。特に『So long!』なんて、大林宣彦にしか作れない作品です。今回紹介した4人の監督は他にもMVを制作していますので、興味がある方はぜひ調べてみてください。

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