CFサイトで話題沸騰!今この映画が凄い!『LISTEN リッスン』&『断食芸人』

人との出会いに日々感謝(ライター・編集)

大久保渉

今回は、現在CF(クラウドファンディング)サイトで話題を集めている期待の映画『LISTEN リッスン』と『断食芸人』についてご紹介させていただきます。

昨年のクラウドファンディング(カテゴリ:映画)では、2016年秋公開予定のアニメ映画『この世界の片隅に』が邦画史上最高の支援額となる3,622万4,000円を達成して話題となりました。

いいプロジェクトには支援者が集まり、そしてその熱が新たな傑作を生み出していく。

現在どんな映画が勢いに乗っていて、どんな挑戦に注目が集まっているのか?CF実施中の映画をしばし見てみることで、実際に映画ファンたちが今何を求めているのかチェックしてみていただけたらと思います。

そしてまた、もしも今回ご紹介した映画にご興味を持っていただけたならば、是非ともCFに参加して、その作品の監督やスタッフ、映画製作者のみなさまのご活動を応援していただけたらと思います。

「聾者(ろう者)の音楽」を視覚的に表現したアート・ドキュメンタリー、無音の58分間

『LISTEN リッスン』

「環境音・効果音は一切なし!出演者全員が聾者のアート・ドキュメンタリー映画『LISTEN リッスン』を通じて、聾者が奏でる「音楽」に秘められた可能性を伝えたい!」

今作は、二人の聾アーティスト新鋭監督の牧原依里と舞踏家の雫境(DAKEI)―によって共同監督、撮影、制作された作品です。

出演者は、全員聾者。国内外で活躍する舞踏家から演技経験のない一般人まで、多彩な顔ぶれがそれぞれの「心の中で鳴り響く音楽」を手で、表情で、身体のすべてを使って表現していきます。

「複数の手話詩を交えながら『四季』を表現する初老の男性、木々のざわめきの中で風を歌う少女、波打つ浜辺で魂を叫ぶ女性、親密な愛情を共鳴させる夫婦……」

無音のはずの画面から聞こえてくる「音楽」とは一体何なのか?耳が聞こえない聾者にとって音楽とは一体何なのか?そして、ご自身が聾である牧原、雫境の両監督がなぜ今作を撮ろうと思ったのか?今作で何を描き出したかったのか…?

現在公開中のCFサイト、並びに公式HPで語られている彼らの想いがとても熱くて、まっすぐで、素敵で、聾者ならびに音楽の可能性を切り開く内容となっていますので、是非とも一度ご拝読いただき、この情熱溢れる映画にご支援、ご声援を送っていただけたらと思います。

  • 『LISTEN リッスン』
  • 監督:牧原依里、雫境(DAKEI)
  • 出演者: 米内山明宏、横尾友美、佐沢静枝、野崎誠、今井彰人、岡本彩、矢代卓樹、雫境、 佐野和海、佐野美保、本間智恵美、小泉文子、山本のぞみ、池田華凜、池田大輔 

 

■CFサイトはこちら(READY FOUR?「映画『LISTEN リッスン』クラウドファンディングページ」 )。

■公式HPはこちら(映画『LISTEN リッスン』公式HP)。

■今プロジェクトへのご支援は2016年4月13日(水)午後11:00まで上記サイトにて受付中です(銀行振り込みも有)。

伝説的映画監督・足立正生、10年ぶりの新作!

『断食芸人』

「キッチュが織りなすディープな“世界”!フランツ・カフカの寓話「断食芸人」の映像化」

今作は、1960年代に日本大学芸術学部映画学科、並びに新映画研究会、VAN映画科学研究所、そして若松孝二の独立プロダクション等々で数々の伝説を残してきた足立正生監督が、およそ10年ぶりにメガフォンをとった「映画史に新たな1ページを刻む」怪作です。

「実験映画」、「アンダーグラウンド映画」、映画史の書物の中でしか知ることができない足立監督の過去の名作『椀』や『堕胎』を今はもう自由に見ることができない今日において、かの巨匠の新作がこうして公開されることにワクワクせずにはいられない映画ファンも多々いることかと思われます。

殴り合いや怒声が飛び交う上映会、性と革命を主題にした前衛的なピンク映画の脚本の数々、そして、1970年代から続いた中東諸国での日本赤軍参加、国際指名手配、逮捕、日本への強制送還(2000年)という驚きの経歴…。

そんな鬼才がドイツの鬼才フランツ・カフカの同名小説を映画化したものだから、もうここでは決して語りきれないほどのめくるめく世界が画面いっぱいに広がっているのであります。

足立監督が「現代社会に投げかけた」というこの摩訶不思議な不条理劇を、是非ともご支援いただき、この世紀の1作をより一層盛り上げていっていただけたらと思います。

  • 『断食芸人』
  • 監督:足立正生
  • 出演者:山本浩司、桜井大造、流山児祥、本多章一、伊藤弘子、愛奏、岩間天嗣、井端珠里、安部田宇観、和田周、川本三吉、吉増剛造(特別出演)、田口トモロヲ(ナレーション)
 

■公式HPはこちら(映画『断食芸人』公式HP)。

■今プロジェクトへのご支援は2016年3月31日23:59まで上記サイトにて受付中です。

 

以上、【CFサイトで話題沸騰!今この映画が凄い!『LISTEN リッスン』&『断食芸人』】紹介記事でした。

今回の2作品は、本当にどちらもオリジナリティにあふれた映画であり、今後全国、そして世界の映画館にまでその名をとどろかせる可能性があります。

いち映画ファンとして、映画の未来を支える支援者として、この素晴らしい映画を一緒に盛り上げていっていただけましたらうれしいです。

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  • KazumiYoshimura
    3.4
    「意味と意味外の狭間」みたいなことを考えてた。 言語(コミュニケーション)と音の狭間に音楽的なものを感じるのだとしたら、聾者の方にとっての音楽は、たしかに、手話と動きの狭間なのかも。
  • kentaromori
    -
    映画には2種類あるということを知った。   「聴者の映画」と「ろう者の映画」だ。  全く異なる種類の映画だが、理解することはできるはずだ。  それは、障害者の側が健常者に近づくのではなく、健常者の側が障害者の方に近づくことによって。
  • れお
    4
    「聾者の音楽」を視覚的に表現したアート・ドキュメンタリー。58分間の映画には、声も音も音楽も全く流れない。 耳からは何も聴こえないけど、出演する聾者たちは体を使い、視覚的に「彼らの胸の内にある音楽」を表現している。 楽器や歌声による音楽は聴こえなくとも、流れる雲などの自然や、他者の表情や体の動きなど、感情の安らぎや高まり、喜びなど、手話だけでは表現できない心の内側に流れるものを感じることはできる。それらはリズムであり旋律であり、彼らの「音楽」なのであって。 なんとなく「風の流れ」に近いのかな。
  • 富沢櫻子
    4.3
    視覚が聴覚を補完していく58分間。
  • JunichiOoya
    -
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LISTEN リッスン
のレビュー(194件)