選択肢が超少ないサブスク?!エリック・ロメールにホン・サンス、厳選されたラインナップに痺れる配信系ミニシアター【ザ・シネマメンバーズ】を徹底解剖

いつでも、どこでも、何度でも。スマホ一つで世界中のありとあらゆる映画にアクセスすることのできる便利な動画配信時代。もはや映画好きの日常に欠かせないサービスといっても過言ではありません。しかし問題は、どれを選ぶかということです。あのヒット作もいい、いやこの名作も観てないぞ、あらこんなマニアックな作品もあるの?!と、選択肢が多すぎて何をチョイスしていいのかわからず、結果寝るという哀しい現実とはサヨナラしたいですよね。

選ぶのって実は疲れる。自由って意外と窮屈。誰かが厳選してくれたものを受け止めるサイクルって、結構ありがたいことなのかも。そんな貴方にお届けしたい、今注目の動画配信サブスクがあります。情報過多社会に舞い降りた、選択肢の超少ないサブスク「ザ・シネマメンバーズ」です!

「ザ・シネマメンバーズ」とは、“観たくても見つけれられなかった映画との出会い”を、映画ファンに提供するべく誕生した月額500円の動画配信サービス。その特徴は、数ある動画配信サイトと比べて、配信作品が極端に少ない事。ではなぜ今、「ザ・シネマメンバーズ」が注目されているのかというと、それは丁寧にハンドピックされた配信作品の一つ一つが粒ぞろいかつ、巷ではあまり目にしないレアな作品群が映画好きの心をくすぐるラインナップとなるよう、しっかりとテーマを持ってお届けされているからです。

いつでも訪れることのできる“配信系ミニシアター”として、デジタルながら劇場に足を運ぶかのようなワクワクを提供し、「これを観たら、次はこれ」といった映画好きの心理を計算し尽くしたラインナップの数々が滑らかなグラデーションとなり、このデジタル上の劇場のラインナップを彩っています。そして、『愛がなんだ』で知られる恋愛映画の旗手で、最新作『街の上で』の公開も待たれる今泉力哉監督もこのサービスを楽しんでいるという情報もアツいですね。今回はミニシアター系映画のファンに向けて、「ザ・シネマメンバーズ」の魅力を解剖していきます!

ヌーヴェルヴァーグの“お兄ちゃん”
エリック・ロメールの魅力

ヌーヴェルヴァーグの巨匠といえば、ジャン=リュック・ゴダール監督やフランソワ・トリュフォー監督と名だたる名匠が思い浮かぶ中、そんな彼らに“お兄ちゃん”と親しまれ、尊敬されていた監督がいたことをご存知ですか?今年生誕100周年を迎え、生涯一貫したスタイルで名作を生み続けた巨匠、エリック・ロメールのことです。

「ザ・シネマメンバーズ」では現在、エリック・ロメール監督作品を大放出中。彼の作品が持つ魅力の一つは、軽やかでウィットに富んだ会話劇にあります。愛だ恋だの悲喜こもごもを詩情豊かに描き、とことん素直だと思えば嘘をつき、裏切ったかと思えばケロっと戻ってきたり、バカなことを言ってると思ったら納得させられてしまったり…。

人間味溢れる登場人物たちの会話劇は観る人を惹きつけ、シンプルなストーリーは常にそこにあるものを描きます。それ以上でもそれ以下でもない、まさに哲学的人間考察映画とも言える作品の数々を世に生み出し続けてきました。

ヴァカンス映画の名手としても知られるロメールの代表作『海辺のポーリーヌ』は、子供以上大人未満の少女ポーリーヌが避暑地の海辺で一夏のヴァカンスを過ごす珠玉の夏映画。一度観ると夏毎に繰り返し観たくなる名作の一つです。

恋に友情に人生に、悩み多き若者がヴァカンス中にみつけた幸福のしるしを描く『緑の光線』や、今泉監督も衝撃を受けた『飛行士の妻』なども現在配信中。今年の夏はどうしても遠出できず、心残りのある貴方。この機会にフランスの潮風を感じてみてはいかがでしょうか?

そのほかにオススメしたいのは、ちょっとそこらでは見かけない台湾映画の数々。台湾ニューシネマを代表するエドワード・ヤン監督の長編映画第2作目『台北ストーリー』や、第2次台湾ニューウェーブを牽引したリアリズムの名手ツァイ・ミンリャン監督の『』に、台湾映画界の異端児チェン・ユーシュンの『ラブゴーゴー』も観ることができます!

韓国のエリック・ロメール?!ホン・サンスの魅力

9月からは、韓国のエリック・ロメール!?と巷で話題かつ、新作を発表するたびにカンヌ、ヴェネチア、ベルリンと世界三大映画祭に招待されるホン・サンス監督諸作品を配信。実はエリック・ロメール監督の作品を配信すると、会話を主体としたドラマツルギーや禁欲的撮影、ドキュメンタリーかと見まがうほどリアリティ重視の演出など、その作風が似ていることからサンス監督作の配信リクエストが殺到したのです。

そのラブコールに応える形で「ザ・シネマメンバーズ」では、映画『よく知りもしないくせに』『ハハハ』『教授とわたし、そして映画』『次の朝は他人』を9月から順次配信開始。10月からは映画『正しい日 間違えた日』『夜の浜辺でひとり』『クレアのカメラ』『それから』をラインナップ。

すぐにユーザーの要望に応えてくれるシネフィル的コール&レスポンスも、ファンに愛されている地元のミニシアターのようで暖かい。ロメール監督作品と見比べるように鑑賞できる贅沢もさることながら、2015年の映画『正しい日 間違えた日』以来公私ともにサンス監督の“ミューズ”となった女優キム・ミニとの出会いによる作風の変化を俯瞰できる編成も、ファンの“これが欲しかった”に応える最高のアンサーとなっています。

好きな時に、好きな場所で。ミニシアターがあなたのそばに。

今まで“観たいけど、観れなかった”作品の数々。逆にありすぎて分からなくなる悔しさ。そんな時に、「ここで観ればハズレがない」と信頼を寄せるミニシアターのような存在になりつつある「ザ・シネマメンバーズ」は、時代の流れにより小さな劇場の存在が貴重なものとなってきた現在に、あの頃のミニシアターのような物を作りたいといった思いから今年4月にコンセプトをリニューアルしました。

時代の流れを読み、映画好きの声に耳を傾けるミニシアターのような存在として、この時代にあるべき姿で登場した“配信系ミニシアター”「ザ・シネマメンバーズ」。この機会に是非、皆さまも新しいミニシアター体験をしてみませんか?

「海辺のポーリーヌ」©1983 LES FILMS DU LOSANGE-LA C.E.R.
「緑の光線」©1985 LES FILMS DU LOSANGE-LA C.E.R.
「台北ストーリー」© 3H productions ltd. All Rights Reserved
「よく知りもしないくせに」© 2009 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.

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  • 困ったちゃん
    4
    久しぶりにエリック・ロメールを。 いとこ同士で訪れた海辺のバカンス。女子ふたりで借りるには広すぎる家の庭にアジサイが咲き誇る。あまりにも印象的だったアジサイについて鑑賞後調べてみると、色々ある花言葉と登場人物がリンクして思わずクスッとしてしまった。 恋愛観が大きく異なり誰一人信念を曲げない男女たちが繰り広げる延々と噛み合わない恋愛劇。あの人にモヤモヤこの人にモヤモヤ…。何年後かに笑い話になってそうなラストでスッキリ!あの小さな黒いクルマ欲しいな〜
  • SaintNoLiquor
    4.2
    淀川長治の「アメリカ映画は生活、イタリア映画は三面記事、スウェーデン映画は神、そしてフランス映画は恋。」という言葉は有名だが、ロメールの作品はまさに恋そのものである。そこで描かれているのは、傍から見ればただのしょうもない男女の交わりのみであるけれども、90分間楽しめてしまうのだから不思議。そして、他のヌーヴェルヴァーグの巨匠たちに劣ることなく、その研究熱心さは遺憾なく発揮されている。だからとてもアーチスチック。戦争映画などとは異なり、いかにも「観る必要ないじゃん。」と唾棄されがちなのがこの手の作品であるが、だからこそむしろ本質的に映画らしくて、自分はとても好きなのだ。
  • そくらてす
    4.1
    夏、海、ビキニ、別荘、紫陽花。大人が沢山登場するけど皆が独自の恋愛観を崇拝して疑わない、結果として上手く噛み合うことなく複雑に変容する恋愛模様…明確な悪人がいないだけにその辺の描写がすごくリアル。何事も盲目でいるうちが華なのか。しかし本作の中でいちばん整然としているのが恋を知らぬ15歳のポーリーヌ、というのもまた皮肉っぽくて良い。物語の冒頭で扉が開かれ、そして最後に扉が閉まる。片や入口で片や出口。卑怯な大人が吐いた"格言"は夏に置き去りにして後は彼女なりの恋の道程を歩んでほしい。
  • nanokadayo
    4.1
    高校生の時に一度観て、画は綺麗だけど台詞が多くてなんだか退屈だなぁと思っていたけど、今観るとドキッとするような台詞が所々に散らばってるから聞き逃せない ポーリーヌとシルヴァンの若い二人の方がまともで地に足ついてない大人ばっかだけど、マリオンの「私の基準を判断するのは私だけよ」って台詞は好きだった
  • むっしゅたいやき
    3.3
    エリック・ロメール作品。 15歳の夏休み、大人の偽善と独善、欺瞞と妥協を知って少し成長する少女の物語。 済みません、ポーリーヌ以外の登場人物が揃って一癖二癖有り、物語に入り込めませんでした。 何せ恋愛体質の女性に自己中遊び人、自意識過剰少年と自尊心が高いけれど動かない『トカトントン』の書生の様な青年。 彼等の主義披瀝、詭弁、言い訳に終始苛苛させられました。 そんな中で一人地に足が着いている印象のポーリーヌ。 子供では無いけれど恋も未だ知らない、そんな時期だからこそ自意識と自尊心に邪魔だてされず、物事をニュートラルに見られるのでしょう。 カメラの色味雑味、輪郭の暈しは好みではあるものの、全編通して自己主張の激しい面々が繰り広げる騒動で爽快感も気付きも無く、更に観ていて少々気疲れする、そんな作品でした。 冒頭とラストの、門扉を開閉して入って行くミニ、立ち去るミニのみのみが印象に残っています。 テーマや劇性も無く、即興性へ重きを置くヌーヴェル・ヴァーグ…、苦手です。
海辺のポーリーヌ
のレビュー(2127件)