6月2日に開幕した、米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2016」。昨年2015年に「第一回ブックショートアワード」を受賞した作品『HANA』が、ショートフィルムとなって上映されました。
ブックショートは、2次創作をテーマに短編小説を公募してショートフィルム化するプロジェクト。『HANA』は女子高を舞台に、芥川龍之介の「鼻」を大胆に書き換えた作品。
胸の小ささを気にしていることを必死に隠すハナが、友人から「胸が大きくなる薬」をもらうストーリーは、10代の女性を通して、誰しもが持つコンプレックスとの葛藤、その克服を鮮やかに描き出します。
本作に出演される岡本夏美さんと、大関れいかさんにお話を伺いました!
岡本夏美(おかもと・なつみ)
1998年7月1日生まれ。中学生向けファッション誌「nicola」モデルを経て、2015年9月号より「Seventeen」の専属モデルとなる。女優としては「GTO」(2014年)、「地獄先生ぬ~べ~」(2014年)など話題ドラマへの出演が続き、2016年3月公開の仮面ライダー45周年記念作品『仮面ライダー1号』にも出演。
大関れいか(おおぜき・れいか)
日本一のVineフォロワーを持つ19歳。Vineでの人気で一躍有名人となり、映画『私たちのハァハァ』の主演に大抜擢! 人気番組「今夜くらべてみました」など多数のテレビ番組に出演。大手アパレル企業のCMのナレーターにも起用され、多方面で活躍するスーパーガール。
「おっぱいを大きくする薬」を手にした主人公を演じる
—作品の中で思い入れのあるシーン、撮影時の思い出はありますか?
岡本夏美さん(以下岡本さん):ハナが巨乳になって、廊下を歩いているシーンです。一番ハナがキラキラしている場面で、演じていても楽しかったし、ワクワクしました。
岡本さん:あと、友達役のキャストがみんな同世代で、短期間の撮影ですごく仲良くなったんです! その4人で撮影するシーンが多くて、本当に楽しかったです。休憩中もずっと一緒にいたりしていたので、そのときの一体感みたいなものが作品に出ているんじゃないかな、と思います。
—実際に胸をつけみて、いかがでしたか?
岡本さん:使用したのは女装用のものなのですが、さわり心地や弾力が、本物のおっぱいそっくりなんですよ(笑) でも、めっちゃ重かったです! 抱えるような形でつけていましたね。
岡本さん:廊下を歩くシーンも重みがすごかったのですが、バスケをするシーンもあって。ボールよりも胸の方が重いくらい(笑) 肩が凝って大変でした!
自分と重なる点も異なる点も、芝居に活かす
—主人公のハナとご自身が似ているな、重なるなという部分はありますか?
岡本さん:わたしとハナは、少し違うタイプだと感じました。ハナはコンプレックスをかなり気にしているけれど、わたしは自分で嫌だなと思う部分があっても、それを「個性」にしていきたいって思うんです。悩んでいても寝たら忘れちゃうくらいポジティブです(笑)
一方で、ハナのコンプレックスが解消された時のキラキラ感は、自分にも当てはまるように感じました。
岡本さん:たとえば、モデルのお仕事で大好きなお洋服を着ている時は、びっくりするくらいキラキラしている顔になるみたいなんです! 外見で自分の気持ちが変わる部分は、似ているなと思いましたね。
―ご自身のモデルというお仕事の環境などが、ハナの役作りにつながった部分もあったという感じでしょうか?
岡本さん:そうですね。でも、ハナのコンプレックスを気にしてしまう性格は、自分にはないところだから演じていてとても楽しかったし、自分と異なることが刺激になったので、そこがお芝居に活かされていたらいいなと思います。
―ハナは一夜にして胸が大きくなり人生が変わりましたが、岡本さんが一夜にして何か変わっていた、という経験はありますか?
岡本さん:これがふさわしい答えがわからないんですが…(笑)
「一夜にして」と聞いて思い浮かぶのは、小学生の頃のことです。夜、寝ていたら頬にパリパリするような違和感を感じて起きたんです。
見てみたら、頬から腕にかけて鼻血が! たぶんクーラーで乾燥してパリパリになっていたんだと思います。両親に「鼻血が!」といっても、夜中で相手にしてもらえず…。今まで出たことがないくらい、たくさんの鼻血が出ました。
・・・っていうやつです(笑)
暇だから、とはじめたSNSで人生が変わった
―Vine(SNS)を始めたきっかけを教えてください。
大関さん:きっかけは、暇だったからなんです。本当に暇で、やることがなくて(笑) ちょうどVineを見ることにハマっていたので、自分でも作ってみようかなと思って始めました。Vineはすぐ撮ることができるし、人の目などを気にせずに自分の自己満足で撮れる点がいいですね!
岡本さん:絶対一人で撮るんだよね?
大関さん:うん。撮っているところを見られるのは、絶対嫌なんですよ! はずかしい(笑)
―普段は専門学校生とのことですが、なぜ女優としてお芝居をされるようになったのですか?
大関さん:『私たちのハァハァ』という映画に出させていただいたのが、きっかけです。その時、お芝居がすごく楽しいなあと感じました。
昔は、歌手にもなりたかったし、女優にもなりたい、アイドルにもなりたいと思っていて。たぶん人前に出ることが好きだったんでしょうね。なので昔からお芝居をやってみたいという願望はありました。
―お芝居だと、スタッフさんたちに囲まれて撮られるわけですが、それは恥ずかしくなかったのでしょうか?
大関さん:恥ずかしくなかったですね! そこは割り切っているので、大丈夫でした。
ただ、テンションが低い時は絶対できないので、高いところまで持っていって、お芝居しています。
あとは、おなかを減らさないこと。空腹だとテンションが落ちるので、撮影時はずっと食べていましたね(笑)
「かわいい」よりも、「おもしろい」と言われたい
―映画に出演したことで、何か心境の変化はありましたか?
大関さん:少しは自信が持てるようになったかなと思いますね。みんながおもしろいと言ってくれることが、やっぱりとても嬉しくて。
大関さん:昔から「おもしろいと言われたい」という心があったんです(笑) ずっと変なことをやっていたのですが、それが今はたくさんの人に見てもらえて、おもしろいと言ってもらえることが嬉しい。それが、自信につながっていると思います。
大関さん:「かわいい」と思われるよりも、「おもしろい」と言われる方が嬉しいし、「ブス」と言われるよりも「つまらない」って言われる方が傷つきます(笑)
―主人公のハナは薬を手にしたことで“人生が変わった”わけですが、大関さんはSNSを通して人生は変わったと感じましたか?
大関さん:SNSがきっかけで絶対に人生は変わっているんですが、人生というより気の持ちようが変わりましたね。すごくポジティブになりました。
やりたいことを一つに絞らなくても、なんでもできるんだなあと思ったので、今は、やりたいことを実現するためにはどうしたらいいんだろう?と、いろいろ考えています。
イマドキ女子高生のリアル
―作品の中では、ハナの胸が大きくなったことで彼氏ができたりといった変化がありますが、お二人には異性の「ここが好き!」というこだわりやフェチはありますか?
大関さん:筋肉!! 胸板、上腕二頭筋とか触りたくなりますね。マッチョが好きなんです(笑)
岡本さん:わたしはマッチョはちょっと…。なんか威圧感を感じてしまう(笑)
大関さん:えー! それがいいのに!
岡本さん:背中がかっこいい形してる人がいい。
大関さん:かっこいい形の背中ってなに!(笑)
岡本さん:あと、手! 指が「ゴツッ、シュッ」ってしてる人(笑)
大関さん:目が優しい人もいい。たれ目でかわいらしい「ワンちゃん系男子」が好き! それなのにマッチョって、最高。そのギャップに「そこくるかー!」ってなる(笑)
岡本さん:わたし鼻がきれいな人も好き。…『HANA』だけに(笑)
―『HANA』をどんな方に観てほしいですか?
岡本さん:わたしは、コンプレックスを持つ女子高生の役を演じたので、特に同世代の女子高生に観てほしいですね。
同世代の女子高生の中に、コンプレックスを抱えている子って多いと思うんです。それが、「そんなに気にすることじゃないんだ」とか、ちょっとプラスに考えるきっかけになればいいなと思います。
大関さん:わたしは逆に、上の世代の方に観ていただきたいです。今の若い子や女子高生ってこんなんなんだ、というのを知ってほしいです。コンプレックスで悩む姿や、こういうことを私たちは気にしてるんだよ、という女子高生の思いを知ってもらえたら、と思います。
岡本さん:男の人にとっても、良いシーンが結構あるので! わたしのじゃなくて偽物ですけど、そこも見どころです(笑)
—岡本夏美さん、大関れいかさん、ありがとうございました!
『HANA』あらすじ
女子高生のハナは、顔もまずまず、そこそこモテて成績も中の上。だけど、とっても胸が小さい。そんな彼女の誕生日に友人たちがプレゼントしたのは「おっぱいを大きくする薬」。翌朝目覚めた彼女の胸は……
原作: 結城紫雄 監督:岡元雄作
キャスト: 岡本夏美、北村優衣、小野花梨、大関れいか、浦上晟周、金子大地、みづき、ゆってぃ、上島竜兵(ダチョウ倶楽部)
『HANA』オフィシャルサイト:http://bookshorts.jp/hana/
ブックショート オフィシャルサイト:http://bookshorts.jp/
本編はこちらからご覧いただけます。(antenna)
https://antenna.jp/news/detail/3340710/