世界中のファンを虜にした伝説の女優、イングリッド・バーグマンの魅力に迫る

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GATS

2015年に生誕100周年を記念を迎えたイングリッド・バーグマン。生まれもった容姿のポテンシャル、演劇学校で身につけた女優としての実力、そしてそれから積んでいった経験が彼女をより美しく魅力的にし、世界中のファンを虜にした。

そんな、かつてオスカーを3度受賞した世界最高大女優の素顔を写したドキュメンタリー映画『イングリッド・バーグマン 愛に生きた女優』が現在公開中だ。

バーグマン

(C)Mantaray Film AB. All rights reserved. Photo: The Harry Ransom Center, Austin

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今回は、彼女の生い立ちと筆者がおすすめする映画を数本紹介したい。

イングリッド・バーグマンという女優

1915年、スウェーデンに生まれたイングリッド・バーグマン。幼くして両親を亡くしたため、子供時代は叔父の元で育てられた。支持された演技の多くは演劇学校と、後に出演する多数の映画で身につけた。その確かな演技力は、名作映画で人気を博し、アカデミー賞に7度ノミネート3度受賞の実力をもつほど。

イングリット

恋多き女優としても有名で、結婚は3度。初婚は一般男性としており、彼との子どもと家庭を築いていた。

1950年代は女優人生の模索や私生活のいざこざ、不倫結婚でスキャンダルが目立ったのも有名な話。2度目の結婚相手、ロベルト・ロッセリーニ監督の映画にも出演し、彼との間に双子の娘を出産し家庭を持つも、数年後に破局。離婚後すぐに演劇関係者との3度目の結婚が報じられ、その結婚生活は20年続いたが、バーグマンが60歳の時にまたもや離婚。

実に自由で、愛と仕事に情熱的な印象がある。彼女は67歳でその生涯を終えるまで、恋愛と仕事に正直に向き合い生涯を全うした最高級の女優なのである。

イングリット

おすすめイングリッド・バーグマン出演作品

名セリフを生みだしたバーグマンの代表作、『カサブランカ』

カサブランカ

Here’s looking at you, kid.

君の瞳に乾杯。

このセリフを知らない人がいるだろうか。ロマンチックなこのセリフが有名なことをよそに、特に若い世代にはこの元ネタが『カサブランカ』であることを知らない人が多いようだ。

やはり見どころはイングリッド・バーグマンの美しさ。そして、1943年に開かれた第16回アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚色賞が与えられているこの映画が、アメリカを代表する映画なのは言うまでもない。

本作はハリウッドロマンスの先駆けであり、これ以降のラブロマンス映画の基本になった映画である一方、戦争映画と捉えられる見方もあり、アメリカ目線で描かれる歴史映画としても知られている。

つまり、第二次世界大戦中にアメリカで製作されているということと、当時連合国と戦っていた反枢軸国が暗に避難されており、また悪役として描かれていることこそが、本作がプロパガンダ的映画であると言われる根拠である。

名セリフ、当時の前衛ラブロマンス、歴史的戦争映画、そして美しきイングリッド・バーグマンは必見である。

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精神を震わせたロマンスとサスペンスの融合、『白い恐怖』

白い恐怖

サスペンスの神様、アルフレッド・ヒッチコック監督、またデザイン面でスペインの画家、サルバドール・ダリが携わっている本作。

イングリッド・バーグマンの存在がややかき消されがちではある本作。しかし、当時、女優人生絶頂期とも言われた彼女のその美貌と演技力が支持された理由が、最も明確にわかるのがこの作品だ。無論、彼女の美しさ無くして、この映画の完成はない。

バーグマン演じるコンスタンスは精神病院に勤めており、研究や仕事に熱心で恋愛とは一線を引いていたが、新任所長のエドワード博士と名乗る男がやってきて、一目惚れの恋に落ちてしまう。エドワードは、白に縞のある模様を見ると発作を起こすという奇妙な病癖を患っており、後には記憶喪失であることがわかる。

やがて偽のエドワードに向けられる容疑の目から逃れるため、本物のエドワードについて、そして彼自身の記憶喪失について二人で記憶をたどっていくが、話は思わぬ方向にコマを進めて行く。

ヒッチコックやダリの演出が狂気的緊迫感を催し、バーグマンの献身的な務めや、サスペンスとラブロマンスのコントラストが魅力的な『白い恐怖』は、バーグマンが出演している作品の中でも、筆者個人としては一番おすすめしたい作品だ。

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そのほか、バーグマンの代表作

ガス燈

以上の作品は、筆者がイングリッド・バーグマンの魅力を特に感じ取れた作品であるが、ほかにも彼女の代表作とうたわれる作品は多い。

バーグマンが初めてオスカーを受賞し、世界にその名を知らしめた『ガス燈』や、ロシアの皇女が存命した伝説が元ネタで『カサブランカ』に劣らない歴史的大ドラマ『追想』、多数豪華キャストの中、その存在感と貫禄を見せつける極上サスペンス『オリエント急行殺人事件』などが主に上げられる。

終わりに

主に得意とした映画にラブロマンスが多く、彼女のプライベートシーンでもそれは変わりはなく、恋多き女優であった。

イングリット

公開中のドキュメンタリー映画にもそのことは多く語られる。イングリッド・バーグマンがいかにして世界的大スターまで上りつめたのか。プライベート映像や手紙、日記、また彼女の子供、仕事仲間の協力を通し、彼女の全てがよみがえる。

※2021年4月24日時点のVOD配信情報です。

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  • りんご
    -
    美。
  • くりふ
    3.5
    【レンズ越しの美獣】 何となく劇場行く気までは起こらず、レンタルにて。初めて見る映像がけっこうあって、驚きや発見、幾つかありました。 スクリーンで見られず惜しいと思ったのは、セルズニックに招かれハリウッドで撮ったカメラテスト映像。いわば表情メニュー一覧ですが見惚れてしまった。一流女優としての価値が一目瞭然で伝わりました。 基本、強欲で足ることを知らない人だったのだなあ、と思った。 初めに結婚した、いかにも優しそうな旦那さんを“抱いて”カメラを睨むような眼差しの、若き日の写真が出てきてちょっと驚いたが、本性がよく出ている気がした。 女優業にのめり込んだのは、幼い頃の現体験が始まりだったようですね。本作、父親を亡くすエピソードから始まりますが、カメラマンでもあった父に、幼い頃から撮られていたことは大きかったのでしょう。 カメラのレンズを通した世界に魅せられていたこと…初婚での長女、ピアさんが興味深い母親評を展開していて、頷いてしまった。 前半、初めの家族とのエピソードと、女優イングリッド・バーグマンができるまで…の経緯がとても面白かったです。 欧州に家族旅行をした際に撮った、自身撮影が好きだったイングリッドによる、ナチスの闊歩フィルム等も貴重でしょう。全般、ホームムービーはそうとう多く撮っていたようですね。…第三者がみても、面白くないものが多いけど(笑)。 後半、ロッセリーニの子供たちが登場してからはちょっと鼻白んだ。ピアさんと違って母親をベタ褒めするんですよね。 こちらは不倫から始まった家族で、当時ハリウッドからも干されるほど叩かれたから、そのドキュメンタリーともなれば、必要以上に擁護したくなるのもわかりますが、正直、子らの態度は不自然に思えました。 しかし最後を飾る『秋のソナタ』撮影エピソードは興味深いものでした。自身で表情のリハーサルをする様が、ハリウッドでのテスト映像と対になっていた。 深く、いい顔に成ったものだと感心しました。 マイケル・ナイマンの音楽には心解されますが、同じ旋律ばかりでちょっとしつこかったですね。 <2017.7.24記>
  • JohnNY
    3.5
    3.5 演技一筋に生涯をかけた女優。
  • lemmon
    4
    イングリッドバーグマンのドキュメンタリー。 劇場で鑑賞して以来なので、、、え? 7年前とかになるのか😅。 つい最近だった気がしたけどなあ。 これはバーグマン初心者にはなかなかしんどい作り。かなり深掘りしている。日記やテストの結果や幼少期のパスポートなど、想い出の品は全てとっていたというバーグマンの実際の手記などをもとに、バーグマンが生前に自身で残していたかのようなドキュメンタリーの作り。 アリシアヴィキャンデルがバーグマンの声を演じていて、彼女のハスキーボイスがとても心地良く合っている。 これからバーグマン作品を知りたい方には「想い出のイングリッドバーグマン」の方が楽しめるように思う。女優としてのフィルモグラフィーがよりわかりやすく紹介されている。観たい作品を見つけるにはこっちの方がお勧めかも😊。 スウェーデン時代、ハリウッド時代、ロッセリーニ時代、40代以降の充実時代。 本作はファンにはたまらない、プライベートなショット満載である🥰。 後悔なき人生を突き進んだ女性。 編集で上手く繋げただけかもしれないが、過去のことを聞かれるシーンで、堂々と戸惑うことなく間髪入れず普通に気持ちを語っている姿がまたカッコ良い。 決めたことには責任を持ち、貫いてきた人なのだろう。 正直、眠くなる箇所はあり🤣。 作りとしてはほんとファン向けのように思う。 マイベストは、、、 「ガス燈」「恋多き女」「サボテンの花」「秋のソナタ」あたり、、、 ロッセリーニ時代はまだ未見。
  • のん
    -
    どこで観たか忘れてしまったんだけど、多分ル・シネマね。
イングリッド・バーグマン 愛に生きた女優
のレビュー(234件)