狂い咲き舞い散る艶やかな花弁!美女達が魅せる過激な愛と青春とエロ『過激派オペラ』

人との出会いに日々感謝(ライター・編集)

大久保渉

―女たちが繰り広げる15分に1度の剥き出しの愛

2000年に劇団「毛皮族」を旗揚げして以来、国内外でセンセーショナルな作品を発表し続ける演劇界の奇才・江本純子による監督デビュー作『過激派オペラ』が、2016年10月1(土)よりテアトル新宿 他全国の劇場にて順次公開される。

本作は、同監督による小説『股間』を映画化した一作。とある劇団の旗揚げ公演と、その成功に懸けた女優たちのすがたを、狂おしいほどの愛と青春とエロが詰まった「R15+指定」の過激な青春群像劇として描き切る。

馬鹿でも愚かでも向こう見ずでも、やりたいことに向かって走り抜ける力の清々しさを、ぜひ劇場でご堪能いただきたい。

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(c)2016キングレコード

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女と女、友情に喧嘩に性交に、熱情が溢れ出る物語

―女たちによる狂熱の演劇エンターテインメント―

“女たらし”の女演出家・重信ナオコは、劇団「毛皮族」の旗揚げ公演のオーディションで一人の若手女優・岡高春に心を奪われ、彼女を主演女優に抜擢する。

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(c)2016キングレコード

その後、学生時代からの演劇仲間や新加入の劇団員たちと共に抱き合ったり半裸になったり、身も心もぶつけ合う猛烈な稽古を行ったナオコは、見事旗揚げ公演の成功春との恋愛関係、同棲生活を手に入れる。

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(c)2016キングレコード

しかし、そんな絶好調な劇団と恋の行方は、次回公演へ向けて新たに加わった一人の妖艶な女優の登場と、彼女ばかりを贔屓するナオコの不可解な行動により、その場にいる全員の心を狂わせる、怒りや嫉妬が渦巻く波乱の様相を見せ始めるのである……。

汗に涙に愛液に、すべてを出し切る女優たち

「女たらし」の女演出家・重信ナオコを熱演:早織 

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(c)2016キングレコード

2003年、テレビドラマ「東京少女」(03)でデビュー。その後テレビでは「電車男」(05)他話題作に出演し、「ケータイ刑事 銭形雷」(06)で初主演を飾る。近年ではNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(16)に出演。映画では百円の恋(14)で主人公の妹役を演じた他、『キセキ あの日のソビト(17)の公開を控えている。

100円

(C) 2014 東映ビデオ

本作では、時に気だるげに、時に激しく、周りがつい彼女のために動いてしまいたくなるような、劇団の求心力となる女演出家を熱演。「女たらし」として激しい濡れ場にも挑戦している。

ナオコの恋人で劇団の主演を務める野心的な女優・岡高春を好演:中村有沙

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(c)2016キングレコード

2001年より、「天才テレビくんワイド/MAX」で約4年間レギュラーを務め、人気を得る。その後09年から本格的に女優業へ転身し、映画『ゾンビアス(11)で初主演を果たす。現在もテレビ、ドラマ、舞台とその活躍に注目を集める。

本作では、あどけない表情から発する爆発的な叫び声が、観る者を緊張と笑いへ誘う。

ゾンビ

激しく個性をぶつけ合う、ナオコを取り巻く新進気鋭の劇団員たちを、注目の若手女優陣が快演

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(c)2016キングレコード

桜井ユキ(出水幸)―『FASHION STORY-Model-』(12)出演以降、映画を中心に実績を積む。寄生獣(14)、『トイレのピエタ(15)他に出演(写真左)。

森田涼花(工藤岳美)―2006年ホリプロスカウトキャラバンをきっかけに芸能界入り。アイドリング11号、映画阪急電車 片道15分の奇跡他に出演(写真正面手前)。

佐久間麻由(寺山田文子)―2001年より舞台、映画を中心に多方面で活躍。映画ロマンス(15)日本で一番悪い奴ら(16)他に出演(写真右下)。

その他、演劇界から宮下今日子安藤玉恵が出演。きらめく個性がスクリーンの中で激しくせめぎ合う。

はしゃいで、抱き合って、喧嘩して、殴り合って、一途な想いと爽やかな青春が蘇る

本作は、メインポスターに見られるような、激しく身体を求めて絡み合うシーンが随所に散りばめられてはいるものの、決してラブでもロマンスでもなく、ここでは「裸」は身体から溢れ出るエネルギーの一部として力強く快活に描かれている。

kiss on stage

(c)2016キングレコード

それはゲップがでるような濃厚なものではなく、思わず笑ってしまうような、初期衝動あふれる青春の1ページを彷彿とさせる軽やかさを備えている。

江本監督は本作で、「大人になってしまったらもう手にすることができない」「バカで向こう見ずで走り切っちゃうエネルギー」を描き出したかったと、プレスシートにコメントを残している。

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(c)2016キングレコード

劇中劇として公演される『過激派オペラ』の荒々しい演出もさることながら、映画全体から伝わる「人間の力」がスクリーンを飛び越えて胸に飛び込んでくるのも、その一瞬の力を爆発させる「舞台」「演劇」の世界をひた走ってきた江本監督の経験、力のあらわれなのだろう。

やりたいことをやる。失敗もあるけれど、馬鹿正直に、迷いながら、力いっぱい、生きていく。

剥き出しの感情をぶつけ合いながら、華麗に咲き乱れる女たちの青春を、ぜひ劇場でご堪能いただきたい。

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※2021年4月27日時点のVOD配信情報です。

 

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  • じょーじ
    2
    記録 Sep.14 2023-343
  • 上野
    1
    アングラ演劇によくある抽象的に描くことで逆にリアリティを出す、みたいな作風は小劇場という空間で生身の人間が行っているからこそ成立するんだなってことがよくわかった。 一歩引いて舞台上ではなく現実世界に居る人を見ているのに、ただギャーギャー喚いたりセックスしたりされてもなにも響いてこない。こんな人居るわけないしうるさくて不快。途中から急に人間ドラマみたいな部分が入ってきて余計に変なキャラクターが雑音になってる。 なんでこの映画に出てくる女性は怒った時の表現が道理の通っていない事を喚く、殴る以外にないのか。これを見ても「これだから女さんは…」としか思わない。女としてすごく不快で迷惑な作品だと感じた。 主人公・重信の暴力性、性欲は普段男性のものとして描かれているのと何が違うんだろう?レズビアンの方々もこんなに凶暴でセックス狂いだと思われたくないでしょう。 セックス描写がきちんと表現に繋がっている映画も世の中には沢山ある。性描写が嫌なのではなく、なんの意味もなく定期的に色んな女性との濡れ場があるのが嫌だった。しかも結構な数レイプとか無理矢理同意を取るシーンがあった…。にも関わらずヘテロであろう相手女性たちもみんなすぐ発情してノリノリになるし。同性愛異性愛以前にこの不自然さがすごく気持ち悪かった。 女なのにこんなにも性について語る私、的なことなのか。女にも性欲はある、みたいな? 女の性欲を描きたかったにせよ、痴情のもつれからくる重信の転落を描きたかったにせよそもそも行っている演劇の素晴らしさが伝わってこない。色んな人が褒める描写を挟まれても説得力がない。 他劇団の演出家?が「レズ劇団」と言っていたが、その通りとしか思えなかった。 劇団以外のものを題材にした方が良かったんじゃないかと思う。 本当にずっと意味がわからず、うるさくて不快だった。濡れ場が撮りたいなら日活ロマンポルノでやってほしいし、映画が撮りたいなら登場人物の感情に整合性をもたせてほしい。
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    衛星劇場 2020/05
  • Wao
    1.5
    気持ち悪い。
  • ホビーバープロフェッサーTK
    3
    〓映画TK365/305〓 ◁ 2023▷ ▫過激派オペラ ▫配信/U-NEXT ▫️Yahoo!映画 ★★★☆☆2.7 ▫️T K評価: ★★★☆☆3.0 ▫️映画TK通算:2130本
過激派オペラ
のレビュー(630件)