本気で旅に出たくなる名作5本&この夏映画館で観られる「旅に出たくなる映画」3本

Nobody's Perfect.

久保田和馬

ほとんどの人が、映画を観てそこに映し出される景色に心を打たれ「旅に出たい!」と思った経験、一度はあるのではないでしょうか?

フェリーニの『道』を筆頭にしたロードムービーには、どのような動機付けに関わらず人を動かす力がはたらいていて、またロードムービーでなくとも、無性にウズウズし始めて居ても立ってもいられなくなる映画が多数あります。

そこで今回は「旅」をテーマに、定番のロードムービー2作品と、魅力的な絶景を味わうことのできる3作品の計5作品を紹介しつつ、合わせてこの夏に映画館で観ることができる「旅に出たくなる映画」3作品をご紹介します。

定番のロードムービー

『エリザベスタウン』キャメロン・クロウ

エリザベスタウン

会社での大失敗と父の訃報の両方を同時に受け失意のどん底にいた男が、父の過ごした町を訪れることで人の温かさに触れ、生きる希望を取り戻していく2005年公開の現代アメリカ映画の最高傑作。キルスティン・ダンスト演じるヒロインから渡された地図を頼りに、数々の名曲と父の遺灰と共にアメリカの名所を旅していく主人公の姿に心が浄化されます。オーランド・ブルームの現代劇初主演映画として話題を集め、今尚支持されている一本です。

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『モーターサイクル・ダイアリーズ』ウォルター・サレス

モーターサイクルダイアリーズ

2004年に公開され、今でも世界中で熱狂的に愛されている青春ロードムービーの傑作。革命家チェ・ゲバラが若き日に南米大陸横断の旅に出た実話を基に、描き出される南米の辛い現実と、美しい景色の数々。本作で撮影を務めたエリック・ゴーティエが、この後『イントゥ・ザ・ワイルド』や『オン・ザ・ロード』といったロードムービーに抜擢されたことも、この映画の評判の高さを表しています。

映画で味わえる絶景

『素晴らしい風船旅行』アルベール・ラモリス

素晴らしい風船旅行

『赤い風船』『白い馬』で知られるアルベール・ラモリスが始めて手がけた長編劇映画であり、冒険映画の金字塔的作品。老科学者とその孫が、気球に乗って空の旅を繰り広げる中で観ることができる、ヨーロッパの絶景は息を飲む美しさ。これまで見たことのなかった空中撮影の巧さと、ジャン・プロドロミデスの音楽に合わせて、まるで本当に空を飛んでるかのような錯覚に陥ってしまう美しさを放ちます。

『緑の光線』エリック・ロメール

緑の光線

ロメールの手がけた多くのバカンス映画の中でも、最も映画的魅力を放ち続けるのが本作。先日AKB48の楽曲でもモチーフにされた、「太陽が沈む瞬間に見ることができる緑色の光」は、何故か映画館で観たときにだけ確認することができます。(VHSでもDVDでも見れませんでした……。)頻繁に劇場で上映される作品なので、機会があったら是非とも映画館で観ていただきたい一本です。

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『私たちの好きな八月』ミゲル・ゴメス

一昨年日本公開された『熱波』で話題になった、ポルトガルの俊英ミゲル・ゴメスの長編2作目にあたる本作は、山間部で行われる音楽フェスティバルを舞台に、ドキュメンタリーと劇映画を融合させた青春映画。ラストで訪れる圧倒的な夕陽の美しさに思わず涙が溢れてしまいます。

この夏劇場で観れる、「旅に出たくなる映画」

『しあわせはどこにある』ピータ・チェルソム

しあわせはどこにある

精神科医の男が「幸せ」とは何かを探しに中国、チベット、そしてアフリカを旅して歩くコメディ映画。『ワールズ・エンド』でも共演したサイモン・ペッグとロザムンド・パイクの再共演で贈る本作は、人間の暖かさと、「幸せに生きるためのコツ」を教えてくれる心温まる映画です。『ゴーン・ガール』で日本でも注目されるようになったロザムンド・パイクは、この映画みたいなキャラが通常ですのでご注意を。

6月13日から全国ロードショー。

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『奇跡の2000マイル』ジョン・カラン

2000マイル

70年代にラクダを連れてオーストラリアの砂漠を一人で横断した女性ロビン・デヴィッドソンの実話をミア・ワシコウスカ主演で描く冒険ロマン。不可能とも思われた挑戦に挑む主人公に心打たれるだけでなく、オーストラリアの砂漠の臨場感をより際立たせるためにフィルムで撮影された衝撃的な映像の数々に打ちのめされること間違いなし。

7月18日から全国順次ロードショー。

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『わたしに会うまでの1600キロ』ジャン=マルク・ヴァレ

1600キロ

パシフィック・クレスト・トレイルを歩き抜いたシェリル・ストレイドの自伝を元に、『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャン=マルク・ヴァレが映画化した人間ドラマ。雄大な山々の景色もさることながら、何といっても本作で久々のオスカー候補に挙がったリース・ウィザースプーンの熱演が光る本作。ニック・ホーンビィによる脚色も巧みで、人間ドラマとしての構成も見事です。

8月28日ロードショー。

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紹介した作品以外にも、普段はあまり見ることができない景色を味わうことのできる映画はまだまだたくさんあります。今回の記事では取り上げなかった邦画にも、『幸福の黄色いハンカチ』や『あなたへ』、『学校IV』『ロード88 出会い路、四国へ』『風花』など数え切れないほど優れたロードムービーが存在しています。

今年の夏は映画を観て、新しい場所へ思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

※2021年10月21日時点のVOD配信情報です。

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    4.8
    当時はロマンチック系人生ドラマの名手として天下を取りかけたキャメロン・クロウ絶頂期の作品。 数年前、若い女性にオススメ映画を聞かれ、その人が人生ドラマみたいなの好き、ってことだったので、これを勧めたら「あんな女はいない。イマイチ」と言われたことがありました(笑)。 その時、腑に落ちたのは「MPDG(マニック・ピクシー・ドリーム・ガール)嫌悪ってこれか!」って事。 「あの頃ペニーレインと」のレビューでもちょっと書いたんだけど、要するに「男性にとって都合のいい奔放な存在で、中身がないキャラ」「女性蔑視的なキャラ」「フェミ的に問題だー!」というレッテル貼り。 これは映画評論家ネイサン・ラビンが命名した用語で、まさに本作『Elizabethtown』のキルスティン・ダンスト演じるキャラクターを評する際に初めて使った言葉なんです。 で・す・が! これはあまりにも短絡的かつ物語理解に乏しい暴論ではないかということで各方面から反論が巻き起こります。 この論法でいくと、小津安二郎「東京物語」の原節子演じる紀子もMPDGになってしまいますよね。勿論違う訳です。 またジョセフ・キャンベルやユングを持ち出すまでもなく、 「主人公の変容を促す女性的存在+『ミステリアスな存在』として描かれることで象徴性を持つキャラ」 というのは神話の時代から使われている「普遍的な」キャラクター造形なのにも関わらず、です。 その辺の議論を全部すっ飛ばして、「男性にとって都合のいい女性キャラは問題だ!」とレッテル貼りをしちゃったんですよね。単なる「薄いキャラ」との区別もせずに。 勿論フェミ界隈からも反論が起こります。曰く「自由で奔放な女性=浅いという逆差別的含意がある」、曰く「活発な女性キャラへの抑圧になる」等々…。 で、ラビンさん自身も7年後にご自身でこの説を撤回されています。「自分が作ったモンスターで申し訳ない」「批評ツールのつもりが、思考停止のレッテルになった」という自己批判と共に。 だがしかし…7年は長かった…。 この「物語の本質への理解が低いレッテル貼り」が残した影響はかなり大きく、冒頭のような解釈を今もしていらっしゃる方も少なくはないだろうなと。 何故こんな話を書くかというと、昨今のキャメロン・クロウに対する評価って、不当に低いんじゃないかと思うからです。 「甘ったるい」とか「男にとってだけ都合がいい中身のない女」が出てくるとか。 これらは全部「誤った煽り的暴論」が元になっており、10年以上前に本人が撤回している論だということを是非知っていただきたいなと。 今はいないのかもしれませんが、クレアみたいな女性は当時はたくさんいましたよ。少なくとも私の周りには。 みんなしっかりしていて、男性に媚びたような生き方はしてなかったし、意見もしっかり持ってて、でも優しくてめっちゃカッコいい人ばかりでした。 よく思ったもんです、こりゃ女性には勝てないなと。それに比べてオレら(男性)ときたら…トホホ、って(笑)。 って事で私はキャメロン・クロウを全力で擁護したい。多少詰めの甘めな作品でも(笑)。ましてや本作はかなり素晴らしい1本だと思うので。 という事で「物語のあらすじ(表面)」だけではなく、その物語全部を味わい尽くしたい!と思う方には今こそオススメの作品です。 主人公は男性ですが、同じ物語でも男女を逆に設定したら多分批判は出ないと思います。
  • レイ
    -
    鑑賞記録
  • ぱるぷる
    4.9
    葬式が入る映画でこんなにも微笑む作品は無いんじゃないかと、 クレアがいちいち可愛すぎてめちゃくちゃ魅力的過ぎる、ドリューが酔っ払うシーンとか情けないけど必死で前を向こうとする気持ちの描写があるのもいい。重ね重ねクレアの性格は可愛いすぎるだろ。 エルトンジョンのMy Fathers Gunをこの作品で好きになって聴いてるけど、毎回親子の靴のシーンが蘇ってきて泣いてしまう
  • -
    好き
エリザベスタウン
のレビュー(11547件)