【ご存じでした?現代ヤクザの実態】3つの時代を描くクロニクル(年代記)だからこそわかる、激変するヤクザという”生き方”

1月29日に劇場公開を迎えた『ヤクザと家族 The Family』。『新聞記者』を手掛けた制作・配給会社スターサンズと藤井道人監督が再び組んだ本作は、1999年・2005年・2019年という3つの時代を生きた男の生きざまを描いた壮大なクロニクルだ。青年・山本(綾野剛)が、ヤクザの組長・柴咲(舘ひろし)と”父子の契り”を交わし、裏社会に安息の地を見つける。だが、時代とともに社会が変わり、彼らは「反社(反社会的勢力)」として居場所を追われ……。今回は、主人公・山本を軸に、本作で描かれる「各時代」のヤクザという存在の変化を解説。激変するヤクザという”生き方”を、体感いただきたい。

<1999年> 任侠の世界に「家族」を見出す

唯一の肉親だった父親を亡くし、自暴自棄になった青年・山本。彼と悪友は、ひょんなことからヤクザの恨みを買い、拉致されてしまう。絶体絶命の窮地を救ったのは、地元ヤクザの親分・柴咲だった。義理人情に篤い昔気質の彼は山本を暖かく迎え入れ、自らが親代わりになることを申し出る。柴咲の心意気に惹かれ、山本は彼のもとで生きる決意を固めるのだった。天外孤独の山本にとって、柴咲組は「救済」の代名詞であり、家族のような存在。ヤクザという組織が、社会の中で行き場を失った者たちの”受け皿”として機能していた、という記述も見逃せないトピックだ。

<2005年> 抗争の時代・ヤクザとしての全盛期

自分を拾ってくれた柴咲に報いたい――。その一心で遮二無二働き続け、柴咲組のエースとして成長した山本。この時代のヤクザは、町の”裏の顔”として秩序を保つ役割。地域コミュニティとのつながりもあり、夜の街の重要な存在になっていた。住民からも一目置かれる立場となった山本は、ホステスの由香(尾野真千子)という心許せる存在にも出会い、順風満帆だったが、ほどなくして事件は起きる。対立組織が柴咲を襲撃し、仲間の1人が命を落としてしまったのだ……。警察からの締め付けも厳しくなり、泣き寝入りするしかない状態。愛する人々(Family)のために、山本はただひとり立ち上がる!

<2019年> ヤクザの敵は現代社会

14年後。刑務所に収監されていた山本が久々に柴咲組を訪ねると、暴対法によって弱体化の一途をたどっていた。ヤクザは”反社(反社会的勢力)”と蔑まれ、携帯電話の契約も、銀行口座の開設もできず、社会的に抹殺される時代……。山本は戸惑いながらも、運命的に再会を果たした由香と暮らすべく、組を抜ける。だが、カタギになったからといって、平穏な日々が待っているわけではなかった――。かつての仲間から明かされるヤクザたちの残酷な現実、さらに由香たちに対しても”差別”は侵食し……。「時代の不要物」とされても、”家族”を守ろうとする山本が下した決断とは?

まとめ

両親を失った男が、ようやく見つけたヤクザという”家族”。社会や時代にもまれながらも、ただ「護りたい」と思い続けた、20年という年月の重み――。『ヤクザと家族 The Family』を観終えた後、その生きざまにあなたは何を思うだろう?或る男の”人生”そのものが、確かにそこに在る。

◆『ヤクザと家族 The Family』information

あらすじ:自暴自棄になっていた少年期にヤクザの世界へ足を踏み入れた男を中心に、暴対法によって変わっていった環境と共に1999年、2005年、2019年と3つの時代で見つめていく、一人の男とその【家族・ファミリー】の壮大な物語。

上映時間:136分
公開日:2021年1月29日(金)全国公開
配給:スターサンズ/KADOKAWA
公式サイト:https://yakuzatokazoku.com/
(C)2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会

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    3.9
    めっちゃ良かった!! 街の不良少年が調子乗り過ぎて死にかけたところを助けてくれたヤクザの率いる組に入り【家族として】年を経ていく話。 想像やけど昔のヤクザは社会にとって必要悪でそれによって世の中は今より上手くまわっていたのかもって思う。 なんか古き良き時代の話やなーって思えてしまうのが少し寂しくあり人情とか大事やで!ってめっちゃ共感してしまうあたしはがっつり昭和やなって思ってしまった(笑) 舘ひろしめっちゃ渋くて最初から最後まで格好いいし、現在シーンでのSNSの怖さとか蛙の子は蛙的なところとか綺麗事のないリアルさが好き。 脇を固めるキャストの演技もみんなめっちゃいいけど尾野真知子に大学生役やらせるのは無理があり過ぎた。 まず全然大学生に見えへんし百万歩譲って大学生やとしても喋り方とノリがオバチャン過ぎてドン引き。 それ以外文句なし。
  • 163
    3.2
    綾野剛&磯村勇斗&ミレパ主題歌目当てだったけど、北村有起哉かっこよかった…渋… ヤクザ映画なるものを見たことがなくて内容に関して感想が持ちづらい。が、1900円分以上、かつ3時代(?)の綾野剛を拝めたのでよしです。綾野剛の目の演技好き。
  • 0
    -
    遠ざかる愛を引き戻せるのなら この身など幾らでも 何処へでも差し出すから 空で聞いてるとき、"遠ざかる闇を"と思っていて、歌詞を知ったとき天と地ほどの違いだと自分の耳のポンコツさに驚いた でも、今日映画を観てあながち間違いではないかもと思ってしまった 家族よりも強く背中を預け合う同朋達と、その荷をそっと降ろせる暖かい場所 どちらもこの身を賭けるほどの得難い場所であり、家族。 普通に生きられたなら、の切望は やっぱりここしかない、の悲痛と裏表だ
  • mamico
    4.2
    familiaのPVを見終えて初めてこの映画は完結する気がした。 私はヤクザという生き方を許容することができないし、反社会勢力の人々と交流したこともないけれど、きっと、彼ら彼女らには、そうならざるを得なかった理由がある人もいることは事実。 そしてそこから足を洗うということが難しくて柴崎さんの言っていた通り、ヤクザという生き方しかできないということもとても納得はできた。 これは常々思っていることなんだけれど、人は誰しも道を踏み外す可能性を秘めていて、失敗することもあるのにも関わらず、それを許容する態勢があまりになさすぎるなと思う。たしかに、元ヤクザって怖いけれどそれだから何なのか。今が大切では無いのかと投げかけたくはなった。本当の意味で更生ができない人が(犯罪者も含めて)多いのは、その人の弱さや甘えももちろんあるのだけれど、社会の側にもそれはあるのかなとも感じた。 とはいえ、やはり反社会勢力は許容できないから、そういう風な人が生まれないような社会の仕組みづくりを作らなければいけないとは思う。
  • mmdsy
    3.6
    時の流れもキャストも良き。 特に何かある訳でもないが綾野剛がかっこいい。目つき最高。 エンディングはこの映画の為に作られたのか?素晴らしかったです。
ヤクザと家族 The Family
のレビュー(15397件)