「生まれ変わったらジブリで助手をしたい」と、ジブリ好きを公言をしているシンガーソングライターのあいみょん。
公開に先立って『アーヤと魔女』を鑑賞した彼女は、ジブリが発行する機関誌「熱風」に寄稿し、本作への熱い想いを長文で書き綴りました。
タイトルは、「魔法使いになりたかった」
あいみょんが、「熱風」で寄稿した文章のタイトルは、「魔法使いになりたかった」。
『魔女の宅急便』を観て魔法使いになりたいと少女のころに思った彼女の愛情たっぷりの文章を一部抜粋で、FILMAGAでも紹介できることになりました!
(以下、「熱風」2021年4月号より抜粋)
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(前略)
ジブリの世界には魔法使いが多く出てくる。代表的な魔法使いといえば、魔女のキキ。ハクや湯婆婆。「ハウルの動く城」ではハウルを筆頭に個性的な魔法使い達がまた私を夢中にさせた。
そして今回の作品「アーヤと魔女」。主人公は魔法を持たない10歳の女の子、アーヤ。これまでのジブリ作品には様々な個性を放つ魅力的なヒロインが登場する。強く凛々しく、時々に見せるどこか寂しげな姿が美しかったり、バネのような感受性や明るさ、そのみずみずしさが可愛らしかったりする。言葉をあえて選ばずに言うと、アーヤの第一印象は、生意気で可愛くない子。
私が今までのヒロイン達に抱いてきた憧れにはどれにも当てはまらない子だった。だけど、”全くの例外”それが「アーヤと魔女」最大の魅力だと思う。「アーヤと魔女」のホームページに記載されている宮﨑駿さんのメッセージに、「アーヤのしたたかさというのは、ずるいということじゃない。昔はみんな持っていて、なぜか無くしてしまったもの」とあった。私が上手く言えなかった事を言葉にしてくれていて、ちょっと悔しくなる。
(中略)
そんな10歳の女の子、アーヤはホウキを使って空を飛ぶわけでもないし、とんがり帽子もかぶらない。でもやっぱり隣に喋る黒猫がいて、みるみる周りを虜にしてしまう。そこには全く嘘がなくて、あれがアーヤの持つ魔法なんだと思う。
こんな魔法使いに、いや、こんな女の子に私もなってみたい。
きっとこれから「アーヤと魔女」を見るたびにそう思うだろうな。
(後略)
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「熱風」とは
「熱風」とはスタジオジブリが毎月発行している機関誌。
発行人は、鈴木敏夫プロデューサーで「スタジオジブリの好奇心」と銘打ち、これまでも数々の著名人が寄稿している。
あいみょんが寄稿した「アーヤと魔女」特集号は、4月10日発行の2021年4月号です。
『熱風』オフィシャルサイト:https://www.ghibli.jp/shuppan/np/
『アーヤと魔女』、企画の成り立ち
©2020 NHK, NEP, Studio Ghibli
原作は、『ハウルの動く城』の作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズによる同名小説。
スタジオジブリでこの「アーヤと魔女」の原作に出会い映像化を考えた宮崎駿監督によって、この企画は動き出す。
しかし、既に新作『君たちはどう生きるか』の準備に入っていたため自身での制作は断念。そこで白羽の矢が立ったのが宮崎吾朗監督。
次は3DCGに挑戦したいと思っていた監督の意向と合致し、制作がスタート。
スタジオジブリ初の全編3DCGの作品が誕生した。
『アーヤと魔女』は、4月29日(木・祝)より全国公開。
GWは映画館でジブリを!