『シザーハンズ』『アリス・イン・ワンダーランド』『チャーリーとチョコレート工場』など、独自の世界観で常に世界中を魅了する作品を生み出し続けるティム・バートン監督。
彼の最新作である『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』が、まもなく2月3日(金)に日本公開となります。
公開に先がけ1月31日、バートン監督が来日。都内で記者会見が行われました。
開口一番「今回、僕自身にとって特別な作品を持って特別な場所にまた来ることができ、とても嬉しいです」と、再来日の喜びを笑顔で語ったバートン監督。
記者とのQ&A形式で本品へのこだわりや見所、自身の想いを語りました。
原作の小説「ハヤブサが守る家」は、全米でベストセラーとなっていますが、この人気作を映像化するにあたり難しかった点を聞かれた監督は、いくつか原作とは異なったシーンを加えたことを明かしました。
「例えば、物語に登場するエマという女の子は、火を扱う能力から宙に浮くという能力へと変えているけど、それは僕自身、少女が宙に浮くという映像がとても詩的で美しいと感じているからなんだ。
文章が持つ世界観を壊さないよう映画化するということは、僕にとって大きな挑戦だったけど、幸いにも原作の著者であるランサム・リグズが非常に支持、支援してくれたよ」。
エヴァ・グリーン扮する主人公ミス・ペレグリンは、時間を巻き戻す能力を持っていることから「もしも監督に同じ能力があったとしたら、いつに戻りたいか」という質問に対しては、
「僕は時間の管理がとても苦手なんだ。僕をよく知ってる友人たちが、時間をテーマにした作品を作ったことをとても愉快だと言うくらいね(笑)。
だから、今現在を生きることに精一杯で、目の前の1日1日を最善に過ごしていこうと思っているよ」とユーモアをにじませました。
バートン監督の作品に共通する“ありのままの自分を受け入れる”というポジティブなメッセージが本作にも込められていますが、本作を手がけた最大の理由はなんだったのだろう。
「周りから『人とちょっと違う』『変わっている』と思われているような人たちは、少し奇妙な部分があったとしても、なにかしらの芸術性に富んでいたり、基本的にいい人たちなんだ。心髄の部分では他の人々となにも変わらないと思うんだよ。これは僕自身が経験し、感じて来たことでもある。そういうことを伝えたかったんだ」。
終始笑顔で、冗談なども交えながら記者の質問に答えてくれたバートン監督。
彼はこの作品を作るにあたって、自分自身はもちろん、俳優、演技未経験の子供たちが、技術的な部分よりも実際の感覚や経験、言葉では説明できない感情の部分を表現する事を重視したそうです。
そのため極力CGには頼らず、イメージに合うロケ地を探し、実際に存在する場所や建物を使用したり、キャラクターや小道具まで細部にわたりイメージを伝えたりすることで、子役たちが演技をしやすいような環境を用意したのだとか。
会見には、女優でモデルの松井愛莉さん、インスタグラムで大人気の双子りんかちゃん&あんなちゃんが、劇中に登場するキャラクターの衣装で駆けつけ、監督に花束を贈呈。
バートン監督も満面の笑みで「つぎは日本版を作るよ!」と宣言していました。
監督作品としては7作品目の全米初登場1位となった本作は、2月3日(金)より全国ロードショー。
不思議な映像世界とそこで繰り広げられる奇妙な子供たちのめくるめく大冒険。
日本が大好きだという監督が、日本に行きたいという思いを込めて描いたシーンも必見です。
本作に込められたポジティブでハートフルなメッセージをぜひ劇場で体感してみてくださいね。
(C)2016 Twentieth Century Fox
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(取材・文 :ne22co/ 撮影:柏木雄介)
※2022年10月31日時点のVOD配信情報です。