【★4.0の話題作】『かもめ食堂』の荻上直子監督・第二章! 性別、血縁を超えた家族の“普通の日常”に心揺さぶられる傑作邦画完成

トランスジェンダーの女性とその彼、母が家出した孤独な少女。この3人の共同生活を描いた映画『彼らが本気で編むときは、』。『かもめ食堂』の荻上直子監督が5年ぶりに撮った最新作で、生田斗真がトランスジェンダーの女性を演じたことでも話題の作品です。Filmarksユーザー限定の試写会も行われ、★4.0と好評! その見どころは?

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荻上監督の新境地! さまざまな家族のカタチや、血の繋がり以上に強い結びつきがあることを気付かせてくれる映画

小5のトモは母ヒロミと2人で暮らしていたが、男を追ってヒロミが家を出てしまい叔父のマキオの家へ行くことに。しかしそこにはマキオの彼女でトランスジェンダーのリンコがいて……。最初は戸惑いつつも、家庭的で愛情あふれるリンコに心を寄せていくトモ。次第に家族のようになっていく3人だったが……。

孤独だったトモが徐々に家庭の温かさを知っていく姿、トモやマキオに愛情を注ぐリンコ、すべて受け止めるマキオ。性別を超え、そして血の繋がりも超えた家族の姿を考えさせられる映画です。

また、監督自身が「“荻上直子・第二章”の始まりです」と公言する通り、『かもめ食堂』のような“癒し系”とはまったく違う作品に仕上がっていることにも注目!

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■かもめ食堂の監督がトランスジェンダーを題材にした映画とのことで少し嫌な予感がした。でも映画をみてその心配はすぐに払拭された。(norurunさん)
■わかりやすい御涙頂戴ものという感じではなく、監督独特の演出というか、美しくて自然で、時に笑いもあり、色々と考えさせられました。(sakaki0214さん)
■全体的に愛と優しさにあふれていて、すべてのシーンが映像効果や感情描写にきれいに繋がっていて、丁寧なのに無駄がない、とても美しい映画だと思いました。(makiko226さん)

丁寧に描かれたバックグラウンドにとらわれない、どこにでもある日常が胸に刺さる

劇中では、セクシュアル・マイノリティであるリンコへの差別や、育児に積極的ではない母親に育てられたトモの、愛情に飢えた悲しみも描かれています。そのため、セクシュアル・マイノリティの人たちへの差別意識やうまく関係が作れない親子の問題など日本にある社会問題を感じることのできる作品でもあります。でもそれ以上に伝わってくるのは、どこにでもある日常

リンコはどこにでもいる女性と同じように仕事をし、恋をして、子供がいる温かい家庭を作ることを望み、マキオはそんなリンコの中にある清らかさを愛し、トモはリンコの母性に惹かれ素直に愛情を求めていきます。

そんな彼らのバックグラウンドにとらわれない“普通の生活”が丁寧に描かれ、そこにある愛情や家族の姿が強く胸に刺さる映画になっています!

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■とにかく暖かくも心に突き刺さり観た人の性別年齢関係なく必ず誰かに感情が移入できると思います。(norurunさん)
■誰もが大切な人を想うがゆえに、誰かを傷つけてしまうこともある。だけど現代では他者と違う人達が堪えなければいけないことが多い。考えさせられるテーマでした。(sakurabassさん)
■この映画のテーマは解決しづらいことなのに、すごく穏やかな気持ちにさせてくれる映画。(あずたんさん)

彼らが本気で編む“煩悩”も物語のアクセントに!

リンコが悔しい思いをしたとき、“煩悩”を放つためにするのが編み物。でもそのモチーフは実は意外なもの……。何を編んでいるのかは劇場で!

そしてリンコはある目標のために、その“煩悩”を編み続けます。目標達成のために一緒に作り出すトモとマキオ。この“彼らが本気で編む”姿がタイトルに繋がり、そして映画に込められた意味を理解する手がかりに!

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■タイトルが変わっているなと思いましたが物語が進むにつれて段々理解していき、深く込められた思いもラストで静かにわかりました。(kitamitsuさん)
■トモを優しく包むリンコさんとマキオ、編み物に願をかけながら3人の関係をも紡いでいくなかで溢れる思いやりが胸に沁みました。(ひなたさん)
■複雑だけど題名の意味がわかると涙がとまらない(なつこさん)

難しい役を演じた俳優陣の演技も必見!

リンコには生田斗真、マキオには桐谷健太、トモには本作で映画本格デビューとなる柿原りんかそれぞれ心に葛藤を抱える難しい役を自然に演じているところはぜひ注目してほしいポイントです! ほかにもミムラ小池栄子門脇麦りりィ田中美佐子といった実力派俳優が出演しているのもお見逃しなく。

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■女性の心を持つ男性の母性愛を演じる生田斗真さんの演技が光りました。子役の柿原りんかちゃんも演技が光ってました。(じゅうじゅうさん)
■子役ちゃん、スゴく良かった!『すげ〜』のリフレインが耳に残ってる。(mewさん)
■登場人物それぞれの強さと弱さが丁寧に、丁寧に描かれていて、きれいすぎて怖いくらい美しかった どうかこの映画がもっと多くのひとに届きますように………(NatsukiFukayamaさん)

◆映画『彼らが本気で編むときは、』 information

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第67回ベルリン国際映画祭 パノラマ部門、ジェネレーション部門 正式出品作品
文部科学省選定作品(少年向き・青年向き・成人向き)

あらすじ:優しさに満ちたトランスジェンダーの女性リンコ(生田斗真)と彼女の心の美しさに惹かれ、すべてを受け入れる恋人のマキオ(桐谷健太)。そんなカップルの前に現れた、愛を知らない孤独な少女トモ(柿原りんか)。桜の季節に出会った3人が、それぞれの幸せを見つけるまでの心温まる60日。
小学生のトモは、母ヒロミ(ミムラ)と二人暮らし。ある日、ヒロミが男を追って姿を消す。ひとりきりになったトモは、いつものように叔父であるマキオの家に向かう。ただ以前と違うのは、マキオはリンコという美しい恋人と一緒に暮らしていた。リンコの美味しい手料理や母親が決して与えてくれなかった家庭のぬくもりとトモへの愛情・・。最初は戸惑うトモだったが、リンコのやさしさに閉ざした心を少しずつ開いていくのだった・・・。本当の家族ではないけれど、3人で過ごす特別な日々は、自分らしさと本当の幸せを教えてくれた。嬉しいことも、悲しいことも、どうしようもないことも、それぞれの気持ちを編み物に託して、3人が本気で編んだ先にあるものは・・・

上映時間:127分

2017年2月25日(土)、新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー!

公式サイト:http://kareamu.com/

配給:スールキートス

(c)2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会

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※本記事、タイトルにて紹介しているスコアは2017年2月6日時点のものです。

※2022年11月28日時点のVOD配信情報です。

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  • ぶん
    4.1
    特別じゃなくて、ただの日常を過ごしたいだけなのだけど色んなところでひっかかる世の中。 そんな感じがした。
  • eigasuki
    4.5
    見てよかった 田中美佐子さんが演じるお母さんってなんかいいなあ 入院のシーンは胸が苦しかった 正直そうゆう事が起きることを想像できておらずハッとさせられた トモの辛さや寂しさが溢れてこないように押し込めて誰にも触れられないように張り詰めた感じから、りんこさんの愛情に触れて棘がとれて素直になっていく姿に感動した あんたのお母さんはたまに間違えるっていうトモの言葉に愛情と思いやりを感じた やり方は合わなかったかもしれないけれど、トモを心配する気持ちも、自分の息子を愛する気持ちも大切に想う気持ちはちゃんと持っている人だって 制度とか公共の場とか ジェンダーに関わらず境遇や状況によって 誰にとっても良いようになんて難しいけど 私個人の心の中は自分が決めればいい 相手の事を知ろうとする気持ちと思いやり、時には臨機応変にを忘れないようにしたいな
  • きた
    3.9
    男も女も関係ないね 美しい人は美しい。 人としてどうありたいか トモちゃんの変化を見ながら考えてました。
  • jfr6422
    3.6
    なんだか人に優しくしたくなったよ。 いろんな思いで編んでいたんだね。。。
  • FAZ
    3.8
    期待しすぎたのもあるのか、全体的に大人たちの演技が演技してますー!!という感じで、なかなか入り込めなかった。なんならトモ役の子が1番演技良かったんじゃないかと…。 育児放棄でひとりになったトモが、おじを頼りに行ったら、おじはトランスジェンダーのリンコとふたりで幸せに暮らしていた…というあらすじ。 仕方なしにリンコと一緒に暮らしていく中で、トモの価値観が変わり、新しい視点が増えて成長していく様子はとても良かった。 同じトランスジェンダーもので、ミッドナイトスワンがとても素晴らしかったから、それと比べてしまったのもいけないのかもしれないけど、すごく綺麗にまとまっていて優しい話だなと思った。個人的にはミッドナイトスワンの方が強いメッセージ性と生々しさがあって好き。
彼らが本気で編むときは、
のレビュー(29461件)