【イラスト付きで紹介】単なる恋愛映画ではない!18年にも及ぶ「ビフォア」シリーズ三部作の魅力

2017.05.01
映画

映画観て、絵描いて、ハイッ!

フクイヒロシ

最大9連休ですか、今年のゴールデンウィークは。インドア派が多そうな映画ファンのみなさまにおかれましていかがお過ごしでしょうか。僕は普通に仕事ですよ、はい。

さぁ今回は、連休使ってトータルで5時間弱の「ビフォア」シリーズブッ通しで観ちゃうのってどうですか? というお話です。

【あらすじ〜ネタバレにならぬように〜】

簡単に言うと「ビフォア」シリーズは『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離ビフォア・サンセット』『ビフォア・ミッドナイトからなる18年にも及ぶ恋愛物語。監督は、子供から青年に成長していく姿を12年間もの撮影期間を経て描いた『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイターです。

ビフォア・サンライズ』(1995年)

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第1作は1995年の『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離。主役をイーサン・ホークジュリー・デルピーが演じていて、ウィーンを舞台にこの2人の出逢いを描いています。

アメリカ人のジェシー(イーサン・ホーク)とフランス人のセリーヌ(ジュリー・デルピー)は共に23歳の大学生。パリへ向かう列車の中で偶然出逢います。ちょっと喋ってみたらいい感じだし、当然お互い抜群のルックス。音が聞こえそうなほどのキラッキラのピッチピチ。

ジェシー1人だけが途中下車する予定だったけど、このまま別れるのはちょっとな、ということでセリーヌにこう言います。

「このまま僕らが別れたら数年後きっと君は誰かと結婚しているだろう。その夫との愛情も冷めた頃、君はふと23歳の時に列車で出会ったアメリカ男(自分)のことを思い出すはず。あの人と結婚していたらもっと素敵な人生だったのかもしれない、と。そして今タイムマシンに乗って23歳に戻ってきた! もし僕が金髪クソ野郎だったら今の夫でよかったと思えばいいんだ。何も失うものはない。さぁ僕と一緒にここで降りよう。」(※だいたいこんなセリフ。実際はもっと長〜く喋ります。)

そしてセリーヌは一緒に列車を降りて、ウィーンの街を夜通し散策します。ひたすら喋りながら。いわゆるデートじゃないし、ここで嘘の自分を演出する理由もないので生い立ちや思想や希望、迷いを打ち明けます。少しの恋愛感情を滲ませつつ。でもタイムリミットは夜明けまで(ビフォア・サンライズ!)。

最後、2人はある約束をしますがそれが果たされたかどうかわからぬまま映画は終わり。「あの約束はどうなった!」と悶々としていたファンが欧米を中心に112万人くらいはいたことでしょう。

ビフォア・サンライズ

『ビフォア・サンセット』(2004年)

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第2作目は9年後に公開された『ビフォア・サンセット』(2004年)。舞台はパリ。

映画の中でも9年経っていて、作家になったジェシーはウィーンでのあの夜のことを小説に書いてヒット。セリーヌも偶然それを読み2人はパリで再会。前作での約束がどうなったのか明らかになりますが、これまたオシャレなことになってますよ。タイムリミットは前作より厳しくて夕暮れまでの80分程度

2人は32歳。モラトリアムに溺れていた大学生とは違ってもう自分の人生が始まっている年齢。現実と折り合いをつけながら生き始める時期でしょう。

そんな2人にとって、ウィーンでの夜はキラキラと輝いた夢のようなものでした。ジェシーは小説に書いちゃうくらいだからずっとあの夢から抜け出せずにいたけど、セリーヌは青春の思い出にしていたようです。しかしジェシーと再会し(夕暮れのパリの美しさもあって)まるで夢のような數十分を過ごしてしまいます。ラストなんて特に白昼夢のよう。

ビフォア・サンセット

『ビフォア・ミッドナイト』(2013年)

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さらに9年後。第3作『ビフォア・ミッドナイト』(2013)。

舞台はギリシャ。前2作では登場人物はほとんど2人だけでしたが、『ビフォア・ミッドナイト』では他に9人も出てきます。2人は41歳。もうさすがに自分たちだけの世界ではなく、血縁者や友人などから多大な影響を受けながら自分のかどうかもわからない人生を生きている姿を描いています。

『ビフォア・サンライズ』が青春のキラキラした夢、『ビフォア・サンセット』が再び蘇ったあの頃の夢、だとしたら『ビフォア・ミッドナイト』は現実。目の前に張り付いて取り去れない現実。

ビフォア・ミッドナイト

ロマンチックではあるけど甘ったるいだけの恋愛映画ではなく、20代、30代、40代、それぞれの年代でぶつかる困難やそれでも持っていたい希望などを描いている映画だと思います。

最後に予言を。

完結したとのウワサもありますが、やっぱり観たいよ続編が。次作のタイトルは『ビフォア・クリスマスナイト』!?  舞台はシカゴ(『ビフォア・ミッドナイト』を観た女性は怒るかしらん…)! 答えはきっと2022年に!

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  • NATSUKi
    -
    心地よい
  • miyagi
    3.7
    久々の鑑賞。時の魔術師リンクレイターの3部作第1弾。 延々と続く二人のやり取りは例え話も多く、見てて正直疲れさえするが、お互いがどんどん惹かれあっていく段階がプロットに落とし込まれているのが秀逸。 こんなロマンチックなこと言う奴ほんまにいるんかよ。と思いつつも、イーサン・ホークは紳士で誠実に感じた。 電話でのやり取りのシーンは素敵すぎる。 日本人は絶対こういうことやらないよなー。 別れ際も連絡先さえ聞かない美しいやり取り。 決して悲壮感を漂わせないあたりに、出会いの美しさと儚さが投影されている。
  • トロロ
    4.8
    二人ともかわいい
  • ジーズ
    -
    行きずりの男女が、ひたすらお互いの距離を測りながら、身の上話をする話……物凄く乱暴なまとめ方をすると、そういう映画。その意味ではこの作品に「恋人までの距離」という邦題は、なかなかのセンス。 最初から最後まで、ジェシーとセリーヌが、ひたすら歩きながら話すだけの場面が続くだけなのに、全然、退屈しなかった。 二人はずっと互いの距離を測っているので、やりとりにどこか緊張感がある。「もう一歩踏み込んだらどうなる?」「少し距離を詰めすぎた?」みたいな感じ。要するに「リアル」なんだ。 僕は既に二人の物語に続きがあることを知ってるけど、この作品の上映当時に観た人は、それを知らなかった。どっちが幸せだったんだろうか?
  • あみ
    -
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「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離」
のレビュー(21638件)