元々は音楽ジャンルに語源があると言われていて、現在では日常的に使われている「エモい」。このエモいという語は非常に守備範囲が広く、人によって指す場面や心情が異なることも多いです。総じて恋愛シチュエーションにおいて、後々振り返った際に淡く良い思い出として残っていることを指して、エモいと使うことが多いように感じられます(発展して、その状況を一般化してその場でエモいと言う場合も多く、コンテンツを見た場合には“共感”のニュアンスが含まれる)。
そういったニーズに合わせて、近年の映画作品ではエモいと感じさせるように重点を置いた作品も増えてきました。そこで本記事では、Filmarksのレビュー内でエモいと書かれた数が多い人気の作品をまとめてみました。邦画だけでなく洋画も含めているため、その定義の揺らぎやノスタルジーとの関連など、各々が感じるままの「エモい」を探してみてください!
『南瓜とマヨネーズ』(2017)
『パンドラの匣』の冨永昌敬脚本・監督作。原作は魚喃キリコによる代表作。臼田あさ美、仲野太賀(太賀)、清水くるみ、光石研、オダギリジョー出演。絵になる役者が集結したことで、どこを切り取ってもエモいシーンに。
ツチダは同棲中の恋人・せいいちのミュージシャンになる夢を叶えるため、内緒でキャバクラで働いていた。一方せいいちは毎日仕事もせずにダラダラと過ごす日々。しかし、ツチダがキャバクラの客と愛人関係になり生活費を稼いでいることを知ったせいいちは、心を入れ替え働き始める。そんな矢先、ツチダは昔の恋人・ハギオと偶然の再会を果たす。過去の思い出にしがみつくように、ハギオにのめり込んでいくツチダだったが……。
『mid90s ミッドナインティーズ』(2018)
俳優のジョナ・ヒル初監督作。サニー・スリッチ、キャサリン・ウォーターストーン、ルーカス・ヘッジズ、ナケル・スミス、ジェロッド・カーマイケル出演。少年とスケボーの組み合わせはいつだってフレッシュな感触を観る人に与える。
1990年代半ばのロサンゼルス。13歳のスティーヴィーは兄のイアン、⺟のダブニーと暮らしている。⼩柄なスティーヴィーは⼒の強い兄に全く⻭が⽴たず、早く⼤きくなって彼を⾒返してやりたいと願っていた。そんなある⽇、街のスケートボード・ショップを訪れたスティーヴィーは、店に出⼊りする少年たちと知り合う。彼らは驚くほど⾃由でかっこよく、スティーヴィーは憧れのような気持ちで、そのグループに近付こうとするが……。
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『ソラニン』(2010)
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の三木孝浩監督作。原作は浅野いにおの青春コミック。宮崎あおい、高良健吾、桐谷健太、近藤洋一、伊藤歩出演。アジカンの「ソラニン」を聴くだけでエモくなる人も多いのでは。
自由を求めて会社を辞めた芽衣子と、フリーターをしながらバンドを続ける種田。未来に確信が持てず、寄り添いながら東京の片隅で暮らす二人。だが、芽衣子の一言で、種田はあきらめかけた想いを繋ぐ。種田はバンド“ロッチ”の仲間たちと新曲「ソラニン」を完成させレコード会社に持ち込むが、反応のないまま日々は過ぎていく。そんなある日、種田がバイクで事故にあってしまう……。
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『花束みたいな恋をした』(2021)
『ビリギャル』の土井裕泰監督作。『大豆田とわ子と三人の元夫』の坂元裕二が脚本を担当。菅田将暉、有村架純、清原果耶、細田佳央太、韓英恵出演。ファミレスやカラオケといったスポットや数多くのポップカルチャー引用など現代の若者の日常が丁寧に描かれた。
東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った大学生の山音麦と八谷絹。好きな音楽や映画がほとんど同じで、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店してもスマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが……。
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『あの頃ペニー・レインと』(2000)
『バニラ・スカイ』のキャメロン・クロウ脚本・監督作。パトリック・フュジット、ケイト・ハドソン、ビリー・クラダップ、フランシス・マクドーマンド、ジェイソン・リー出演。とにかくヒロインのペニー・レインが魅力的。
10代でジャーナリストとして活躍したキャメロン・クロウ自身の実話をもとに描いた青春ドラマ。ローリング・ストーン誌にその才能を認められ、弱冠15歳で記者になった少年のジャーナリズムや切ない初恋を描く。
『愛がなんだ』(2018)
『あの頃。』の今泉力哉監督作。原作は角田光代による人気小説。岸井ゆきの、成田凌、深川麻衣、若葉竜也、穂志もえか(保紫萌香)出演。上手くいかない恋愛あるあるの連続に「これって私のこと?」との声が続出。
28歳のテルコはマモル(マモちゃん)に一目惚れした5ヶ月前から、生活はすべてマモちゃんを中心に動いている。仕事中でも、真夜中でも、マモちゃんからの電話が常に最優先。けれど、マモちゃんにとっては、テルコはただ都合のいい女でしかなかった。マモちゃんは、さっきまで機嫌良く笑っていたのに、ちょっと踏み込もうとすると、突然拒絶する。今の関係を保つことに必死なテルコは自分からは一切連絡をしないし、決して「好き」とは伝えられない。ある日、朝方まで飲んでマモちゃん家にお泊まりしたことから、2人は急接近。有頂天になったテルコは、頼まれてもいないのに家事やお世話に勤しんだ結果、マモちゃんからの連絡が突然途絶えてしまう……。
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『シング・ストリート 未来へのうた』(2016)
『はじまりのうた』のジョン・カーニー脚本・監督作。フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、エイダン・ギレン、マリア・ドイル・ケネディ、ジャック・レイナー、ルーシー・ボイントン出演。元ミュージシャンの監督だからこそできた音楽制作における初期衝動を完璧に映像化。
1985年、大不況のダブリン。人生の14年、どん底を迎えるコナー。父親の失業のせいで公立の荒れた学校に転校させられ、家では両親のけんかで家庭崩壊寸前。音楽狂いの兄と一緒に、隣国ロンドンのMVをテレビで見ている時だけがハッピーだ。ある日、街で見かけたラフィナの大人びた美しさにひと目で心を打ちぬかれたコナーは、「僕のバンドのPVに出ない?」と口走る。慌ててバンドを組んだコナーは、無謀にもロンドンの音楽シーンを驚愕させるPVを撮ると決意、猛特訓&曲作りの日々が始まった……。
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『ウォールフラワー』(2012)
『ワンダー 君は太陽』のスティーヴン・チョボスキー脚本・監督作。ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン、エズラ・ミラー、ポール・ラッド、ディラン・マクダーモット出演。青春のキラキラした部分だけでなく、痛い部分も描かれている点に高評価の声が多い。
チャーリーは、小説家を志望する16歳の少年。高校入学初日にスクールカースト最下層に位置付けられ、ひっそりと息を潜めて日々をやり過ごすことに注力していた。ところが、彼の生活は、陽気でクレイジーなパトリック、美しく奔放なサムという兄妹との出逢いにより、一変する。初めて知る“友情”、そして“恋”。世界は無限に広がっていくように思えたが、チャーリーがひた隠しにする、過去のある事件をきっかけに、彼らの青春の日々は思わぬ方向へ転がり始める……。
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『レディ・バード』(2017)
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のグレタ・ガーウィグ脚本・監督作。シアーシャ・ローナン、ローリー・メトカーフ、トレイシー・レッツ、ルーカス・ヘッジズ、ティモシー・シャラメ出演。思春期ならではの悩みや葛藤が淡々と描写された。
2002年、カリフォルニア州サクラメント。閉塞感溢れる片田舎のカトリック系高校から、大都会ニューヨークへの大学進学を夢見るクリスティン(自称“レディ・バード”)。高校生最後の1年、友達や彼氏や家族について、そして自分の将来について、悩める17歳の少女の揺れ動く心情とは……。
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『サマーフィルムにのって』(2020)
『青葉家のテーブル』の松本壮史脚本・監督作。伊藤万理華、金子大地、河合優実、祷キララ、板橋駿谷出演。時代劇×SF×映画制作など数々の要素を詰め込みながら成立させた令和の青春映画の大傑作。
勝新を敬愛する高校3年生のハダシ。キラキラ恋愛映画ばかりの映画部では、撮りたい時代劇を作れずにくすぶっていた。そんなある日、彼女の前に現れたのは武士役にぴったりな凛太郎。すぐさま個性豊かな仲間を集め出したハダシは、文化祭でのゲリラ上映を目指すことに。青春全てをかけた映画作りの中で、ハダシは凛太郎へほのかな恋心を抱き始めるが、彼には未来からやってきたタイムトラベラーだという秘密があった……。
※本記事で紹介する映画は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づいてセレクトしたものです。
※2021年9月19日時点の情報です。